室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

ようするに… 暗示です。

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「戻ろうと思えば戻れるものです。……先輩、あなた本当に戻る気があるのですか?」

中々本体へ戻ろうとしない光に痺れを切らした岬は次第に苛立ち始める…


――が、光とて戻りたくないわけではない。ただ本当に、どうやったら戻れるのか分からないのである。

「……まったく、こんなところで貴重な時間を費やしている暇なんてないのですよ?
   仕方ありません…… 実に面倒ですが、僕の言葉に従って下さい」


「…わかった」


「目をつむって下さい」


岬に従い、浮いている光は次第に目を閉じる…

「…さて、ここが重要です。いいですか、先輩。僕は… 天才です。」


その岬の最後の言葉に結城と幸村は、ずるっと前屈みにぶっこけた…。

「天才って…お前なぁ、普通自分で言うかぁ‥υ」


結城が呆れた声をかけるも、本人は…

「いいですか、先輩。僕は天才です。僕に出来ないことはありません。


僕の言うことは全て正しいんです。僕の言葉は神の言葉。」


無視だ。


「…僕に従うことは神に従うこと…。

今の貴方は夢の中。そろそろ、現実へ戻らなければなりません…。さぁ、意識を高めて……


今から僕は三秒数えます。三秒数え終わると同時に目を開けて下さい。先輩はそのとき、本来の姿に戻っているでしょう…」



「……か、み……三秒…本来‥」


光は目を閉じながら、岬の言葉を繰り返す――‥


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