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第1章 月森ヶ丘自由学園
授業がまさか、なくなるなんてな
しおりを挟む――‥
その頃、学園ではとても授業どころではなく、皆、教室にあるテレビを食い入るように見ていた…。
先生達も授業にならないと判断するや、早めに授業を終える。各教室にあるテレビを見る生徒もいれば、巨大スクリーンのある食堂に行く者もいた。
葵と涙もその一人だった‥。
「授業がまさか、なくなるなんてな」
「あはは…。仕方ないよ葵君。だって、みんなテレビに夢中で授業どころじゃないんだもん」
涙は苦笑しながら、あれ?そういえば…と首を傾げる。
「どうかしたのか?」
その様子に葵は訝しげに首を傾げる
「いや、なんかさぁ…
岬君って、たしか授業に出ていなかったよね?幸村君もいなかったし、どうしたのかなぁって」
ちょっと心配そうに眉を下げる涙‥
「…岬は一体どこに行ったんだ?」
せっかく仲良くなれたのに、話をしようにも本人がいないようじゃ話せない。二人して食堂で座りつつも困惑していた‥。
「おや、涙じゃありませんか。あなたも、スクリーンで見ようと?」
そう、いきなり話しかけられ、ビクッと肩を揺らすもそれが兄の柊 瑛だと知ると安堵の溜息を零した。
「お兄ちゃん!!」
兄の瑛(アキ)に飛びつく涙に瑛は涙の髪を梳く‥
そんな微笑ましさに目を細めていた葵だったが、あることに気づく。
ん‥? ちょっと待てよ……副会長が此処にいるってことは……
「よぅ、オタク。また会ったな?」
葵の頭に手を乗せる生徒会長、伊集院 淳がニヒルな笑みを浮かべていた――‥。
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