室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

またとんでもねぇ事でもやらかしてくれてるんじゃねぇの?

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「げっ!!出た!!俺様会長!!」


くるりと体の向きを変え逃亡を謀ろうとするも、呆気なく捕まる葵…。そんな嫌がる葵を抱き寄せる伊集院 淳。彼が葵を胸に抱き寄せている間も葵は抵抗しているが誰一人助けてくれない。

じたばたと‥、暴れる葵に伊集院は相変わらず抱きしめたままだが、それ以上のことはしなかった。葵もそんな伊集院に不審を抱き抵抗をやめ、顔を上げるや…


伊集院本人は、葵の背に手を回しつつも、キョロキョロと周りを見渡す…



「………?おっかしいな‥。いつもだと、この辺であの眼鏡が出て来るはずなんだが…」

どうやら、伊集院がキョロキョロと周りを見るのは、岬を警戒してのことのようだ。


「…岬の奴、いないんだ」

少し俯き加減に話す葵に伊集院は眉を寄せた


「あの眼鏡が?珍しいこともあるんだな」



落ち込む葵の頭に手を乗せ‥


「ま、落ち込むな。あの性格だ。またとんでもねぇ事でもやらかしてくれてるんじゃねぇの?

んな顔しなくても、また、ひょっこり現れるって」


慰める伊集院。そんな伊集院に驚いた顔で見つめる柊 瑛。

「……瑛、なんだ、その目は?」


「いえ…。ただ、貴方のような人がまさか他人に気をかけるなんて‥

明日は雪でも降るのでしょうか…?」


驚きの目で見張る柊に伊集院は睨みつける

「ちと、待てやゴラッ!!?てめぇっそれはどういう意味だ?お前の言い方じゃあ、まるで俺が極悪非道みたいじゃねーかよ!!?」


「おや?違うのですか?」


葵と涙をかやの外に置き、何故か互いに喧嘩腰の伊集院と柊の二人は睨み合い、食堂内は騒然としていた。
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