室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

何処に向かっているかって?

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「はぁーっ。やっぱり敬語というのは面倒くさいな」

「お前、やっぱりそっちが素かよ?」


「まぁな。別に今さら隠す必要もない」

「じゃあ、さっきまでの敬語は…」


「敬語口調の方がなにかと便利だろう?優等生を演じれば、何かと融通は利くしな。

僕がこっちで話す時は大抵苛立っているときぐらいだからな。学園では通常に戻るから……バラしたらどうなるか、わかるよな?」



「「「「………………」」」」


(目が本気なんだけど‥υ)


(…まったく、面倒だ。一体、何処の組織だ? むっ‥。一端、学園に戻った方が得策か)

岬は面倒くさそうに溜息つく‥


「…聞きたないけど、委員長…どこに向かってるん?」

「何処もなにも……山、正しくは崖を目指してるが?」

それが何だと軽く結城らを一瞥する岬、

「えっ…」

「マジ!?」

「ほ、本気?!」


「馬鹿言うな。こんなときに嘘を言う奴が何処にいるか…ド阿呆が。」


「今更だけど、霧島君って毒舌だよね」

その望の言葉に一人を除いた三人は大いに頷いた。そう話す間にも、周りの風景は木、木、木に変わってきていた…

そう、もう既に岬の言う山に彼らは入っていたのだ。


   ドンッ!

隣に廻った追っ手の車が岬達の乗る車に当たってくる…

おまけにライフル付きだった。


       ズドドドドッッ !!

その度に割れる窓ガラス‥

 
ガシャンっ!

  一同は前屈みに頭を守るように抱え込む…


岬だけはガラスの破片を器用に避けつつ、前を見据える

「この先にガードレールが外れた崖があるんだが……そこは道路からは死角な為、一日数件の死亡事故が多発している」


(ん…? ちょっと待て)

「おい、ちょっと待てや…… それじゃあ、あれか。お前はそのガードレールが突き破れた死亡事故多発現場に…… 向かっているというわけか!!?」


「愚問だな」

結城の言葉に何気なく返す無情ともいえる岬の言葉に一同は瞬時に青ざめた。


「連中はさっきから、こっちの車のスピードを追い抜こうと必死だ。それを利用し、相手を便乗させ‥

落ちる寸前で、こちらが急ブレーキを踏めば…… 予想もしない連中は崖へ真っ逆さま。」


平気で告げる岬に恐ろしくも感じた一同だったが、もう何も言わなかった。
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