室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

僕が何の考えもなしに挑発するわけがないでしょう?

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「な、なぁ!!敵さん、めっちゃ怒ってるような顔やねんけど… 委員長っ何て言ったん?」


英語があまり得意でない三人は首を傾げる。そんな三人に応えたのは結城だった。困惑顔の結城に訳してもらった三人は顔をますます引き攣らせた。


「…なんで、わざわざ怒らせるようなことを言うんだよ!!」


「ど、どうしよう!!!怒ってるよ!!絶対、僕らまで敵視されてるよ」

「委員長…どないすんねや‥?奴ら、ぜーったい怒っとるで?」


「…大丈夫です。僕が何の考えもなしに挑発するわけがないでしょう? 幹部連中は少し厄介ですから、ね…

数を減らそうかと思いまして」


 ブォォォオン…

      ブゥゥウン――…!


二台の車はスピードを競うように長い道を突っ走る――‥

「…一見、この道は見通しの良い何ら変わらない普通の道に見えますが、実際はまだ『工事中』なんですよ」


「はぁ!?どういうことだよ?」

「この道とは別に本来の道が存在するんですが、その道とこの道が途中で合流できるようになっているんですよ。

…ですが、今この道路は工事中。道はそれこそありますが、ガードレールがまだ無いんです。そのせいで、夜に暴走族が無断でバイクを走らせ…ガードレールもなく、ちょうど死角な為に道が続いていると思い込んで、

そのまま突っ込み、気付いたときにはもう…… というケースが多発しているらしいですよ?」


淡々と放つ岬に誰もが思う。

(もう…って!?えっもう、いろんな意味でヤバくないか!!?)


「………おい、ちょっと待て。だと、すると何だ?お前の言う道って、まさか…」


「だから、最初に言ったでしょう? チキンレースをする、と…。」

何を今さら… と岬は呆れた表情で結城を見遣った。
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