室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

せいぜい困るといいですよ

「手榴弾も一応、ありますし…

この際、察もろともヤ(殺)っちゃいましょうか」


     ﾌﾞｩｩｳﾝ――‥


「「えﾞっ!?」」

「霧島っっ!!!」


「いやですね。冗談に決まっているじゃないですか。冗談ですよ冗談」

「お前の言動は全て冗談に聞こえねぇんだよ！！」


平然と冗談だと言ってのける岬に、冗談には聞こえない！と怒鳴り付ける結城‥


「まったく、なんですか！人がせっかく場を和ませようと軽くジョークを言っただけだと言うのに……
ジョークさえ、通じないとは結城先生は頭が固いんですね」

岬は、結城の発言にﾋﾟｸﾘと反応すると、厭味で返した。どうやら、少し機嫌を損ねたようだ｡

「なんだとっ!!?」

「せ、先生っ!!お、落ち着いて下さい!!!き、霧島君も先生を煽らないで!!」


雲行きが怪しくなった岬と結城を止めに入ったのは望だった‥。


「……仕方ありませんね。今は‥‥｡ですが、覚えておいて下さいね結城先生…?

後ほど、このツケを払ってもらいますし、せいぜい困るといいですよ」


何やら最後の意味深な言葉に結城は眉間を寄せた

「…さて、お喋りはもう終わりです。後は学園で…といったところでしょうか」


ブォォォオン――‥

岬は速度を加速。アクセルを全開にした


　　　　　　　ﾌﾞｩｩｳﾝ…

猛スピードで車と車の間を走り抜ける中、前方には学園らしき建物の姿が…


   ｷｷｰｯｯ

曲がり角のため、岬はブレーキをぐっ…と踏みハンドルをおもいっきり右へ切る


　　　　　　　　　ｷｭﾙﾙﾙーｯｯ


そして、タイヤの擦れる摩擦の音‥


　ｷｷｯ

そして、暴走していた岬達の乗る車はようやくして学園の駐車場で止まった。