室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

…なにぶん、僕は嘘つけない体質なので


「…? つまり、何を言いたいんです?」

岬は本気でわからないのか、首を捻っている‥


「だからっ!!…ハァ、もういいよ」

落胆する望を見た親切な警官は岬にわかりやすく説明する

「だからね、つまり…彼が言いたいのは、もう少し別れを惜しんでほしいということなんだよ」


「…別れを惜しんでる暇なんてありませんよ。僕は僕で少し忙しくなりますし‥‥
それに先ほども言ったでしょう?"またお会いしましょう…"と。事が片付くまでの間しばらく離れるだけのこと。

事さえ、片付けばまた会えますし、それまではそちらで保護してもらうという話ですから…」


別に暫く会えないだけのことに別れを惜しむことはないでしょう…? と簡単に言えば岬はそう言っているのだ。

「…………あ、うん。そうだね…」

あぁ、そうだ。コイツはこういう奴だったと改めて思う光と望、先ほどの落胆は何だったのか…


望は数分前の自分に少し後悔したのだった。


――――――――‥ 
――‥ 

 コツコツ…

廊下を歩く岬の額には、うっすらと青筋が浮き出ていた。その両サイドには、黒いスーツに黒のサングラスをかけた厳つい身体の男が二人、

岬は苛つきを隠せず、眉間を寄せている…


そんな岬を遠巻きに見る生徒らの目がまた岬を苛つかせていることを知るはずもない生徒達は、岬を見てはコソコソ…と囁き合っては岬と目が合うと、蜘蛛の子を散らすように足早々と逃げるのだった――‥。

そもそも、こんな状況になったのは時を遡ること数分前にあった‥。

――‥
―――――――‥


あの後、光と望の山谷兄弟と別れ見送った直後のことだった。

パトカーに乗せられた山谷兄弟+結城を見送り、自分も教室へ引き返そうと踵を反したとき、


   ジャリ…

顔をしかめた学園長が立っていた。

「……いったい、これは何事かね?何故パトカーが!?それに結城先生が警察!?これはどういうことかね?!霧島君!!!」

でっぷりとした腹に今にも張り裂けそうな服、時たま、ハァハァ‥ッと息を乱しては脂汗をかきつつ、茶色いヒゲを撫でる…

この手の人種は岬の最も嫌う人種だった。

学園長が近づく度に岬は一歩一歩後ろへ下がる。よっぽど学園長を毛嫌っているようだ


そんな岬の態度に不快感を抱く学園長、

「…君、少し失礼じゃないか!!」

「いえ、そう言われましても…… なにぶん、僕は嘘つけない体質なので」

と学園長に対しても、思ったことをズバズバと言ってのける岬、もうここまで来ると呆れを通り越して、感嘆ものだ。
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