室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

電話の相手はまさかの…

部屋全体が張り詰めた空気に包まれる中、ﾋﾟﾙﾙﾙﾙｯ‥喧しい音が鳴り響く

シフォンは、携帯を切るに切れない…


ヘビに睨まれたカエル状態だった。

痛い沈黙に包まれる中、その沈黙を破ったのはマコーネルだった…。


「…ﾊｧ、シフォン。なにもそんなに脅えなくとも……部下に八つ当たりなんてしませんよ。

それよりも、早くそちらの携帯に出てあげなさい。急ぎの用でしたら、相手の方に悪いでしょう…?」


呆れた顔で携帯を取るよう促すマコーネルに部下達は、八つ当たりしないといった言葉に、ほっと安堵する。そんなマコーネルに、すみませんと一言断りを入れて電話を取った……

 ﾋﾟｯ


「も…『遅いっっ!!!』……」

見慣れない番号に疑問を抱きつつ口を開くが、もしもし…と言うシフォンの言葉は相手の声によって遮られた

「………」

この声って……


「し…『黙れ。僕との会話を周りに気付かれるな。特にマコーネルには…』」

またしても、相手に遮られた


「………」

騒がしく鳴り響く電話に出た途端、微動だにしなくなったシフォンにマコーネルは訝しげに声をかけてきた


「……シフォン ? あなた、大丈夫ですか。顔が引き攣っていますが」

「すみません。驚いたもので…」


大丈夫です、というシフォンの返事を聞くなりマコーネルはまたパソコンへと目を移した。