室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

委員長はいつだってトラブル体質！

――――――‥ 
――‥ 

「…着きましたね」

岬達は長いこと歩き、今やっとこさ着いた


いざ、南京町へ入った岬達。中華街のことだけあって、ほとんどが中華料理の店だ。

――が、ここで岬は気付く

「まずいな。待ち合わせ場所…… 南京町としか言ってなかった…」

ﾁｯ、 しかたない


「僕達よりも少し年上ぐらいの銀髪の男を捜して下さい。どこかにいるはずなのですが…」

「銀髪?」

「はい。彼はロシア人なんです」

幸村達は歩きながら、岬に言われた特徴の人物を捜すが、ちょっとした観光地であるためか、観光客も多いために中々見つからない…
おまけに、南京町は、ほぼ食べ物屋だ。

飲食店に並ぶラーメンや肉まん、さまざまな中華料理の匂いが幸村の鼻をかする…

「…食べたい」

そんな幸村の呟きを無視し、歩みを止めることなく岬は、銀髪の青年を捜す

――が、
　　　　　　ドンっ！

男が一人、岬にぶつかって来た

「いったぁぁ!!!てめぇっ俺にぶつかっておいて謝罪の一つもねぇのかよ!?あﾞ？クソガキがっ!!スました顔しやがってムカツクんだよ！！」

ぶつかってきた男は岬に怒鳴り散らすが、言われている本人の岬はというと…


「幸村君、葵君。見付かりましたか？」

思いっきりスルーだ。完璧に男の存在を無視していた。そんな岬の態度に男はさらに機嫌悪くなり、幸村と葵はその状況にヒヤヒヤ…

そして、つい先ほどまでは賑やかだった中華街は男の怒鳴り声に緊迫した雰囲気が支配し、あっという間に居心地が悪いくらいに静まり返っていた。