室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

室長といるとそのうち胃痛がしそうです

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「…それで、岬というのは今の貴方の名前ですか(コソッ)」

「あぁ…。この姿では霧島 岬という名前だ。くれぐれも室長と呼ぶなよ」


コソコソ‥と岬とシフォンが小声で交わす間、葵と幸村は暇そうだ

「…それはムリですよ。あんたは室長に変わりないんですから。あぁ、それと…… それについての苦情はマコーネルさんにご自分で直接言ってください。 俺に文句言われても困りますし」


呆気らかんと言い放つシフォン…。さすが、この上司にしてこの部下あり、だ。

「…どちらにしても、室長という呼び方はやめろ」

「そこまで言うのなら…… 隊長にしますか」


別に俺としてはどっちでもいいんですけど、と付け足すシフォンの言葉に、岬は額に青筋を浮かばせるも……

「わかった。それでいい。だから室長と呼ぶな。何処からバレるか、わからないからな」

シフォンの言葉に折れた岬は小さく溜息ついた。

――――…
――…

「――で、大方の経緯は理解できましたが……どうするんです、隊長? スクワット・ブランドン前室長が関わっている問題に、一般人である、この方達を巻き込むのは…」

危険じゃないですか?と、シフォンは葵と幸村の二人を巻き込むことに賛成していないようだ。

「仕方ないでしょう…? そもそも、本来の予定にこの二人は入ってなかったんです。それに、この件を片付けなければ、この二人はずっと追われる身となるんですよ? シフォン、貴方の心配する気持ちもわかりますが、
この僕が何の考えもなしに動いているわけないでしょう? それなりに考えて行動してます。


それくらい察して下さい」


「そりゃ‥スミマセンでしたね」

自分より年下の子供に少し馬鹿にされ、むっ…とするも、それでも自分の上司に変わりない


シフォンらは中華街を歩く

「で、何処へ行くつもりなんです? まさか、いきなり…敵のアジトに!?」

「なわけあるか。…バカ」


岬は軽く毒づく


「よかった。まさか、いきなりは……さすがにないですよね? アハハ」

「まったく、人身売買にこっちの学園の生徒が絡んでなければ……即、叩き潰したものを」


どうやら岬は、学園長によって闇市で金持ちに売られた学園在校の生徒を救出するが為に、回りくどいやり方をしているようだ‥。

「し…隊長、やっぱり……アジトに乗り込むつもりだったんですね…」


そう言うシフォンは岬の性格を熟知しているため、この先が思いやられる…と小さく溜息を零すその姿は少し疲れているようにも見えた――‥ 。
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