室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

文字の大きさ
470 / 516
第1章 月森ヶ丘自由学園

岬の運転は死を間近に感じる恐怖…


「…もうすぐ、着くヨ。全員、チャイナ服に着替えるネ」

次々と並べられるチャイナ服四枚、そのサイズはそれぞれバラバラだ。

「銀髪君にはこれヨ」

言って渡されたのは、グレーのチャイナ服、


「……(何故、サイズがピッタリなんですか!?)」

すぐに着てみたシフォンはそのサイズのピッタリさに疑問を抱くが、なんとなく崙に聞くのが(←主に返ってくる返事が)怖かった為、あえて口にしなかった。


「関西弁君はこれ」

見ると、オレンジや黄色に近い色だった…


「もさもさ君にはこれネ」

渡されたのは緑のような紺のような色のチャイナ服‥


「ボスはやっぱり、これネ!」

そして、渡されたのは…闇のような漆黒で、金の刺繍を施された龍。黒に見劣りしない金色の龍、


確かにセンスは良いのだが、何より‥

「……目立つ」

額に青筋を浮かばせて言う岬に崙は笑う


「そりゃあ目立つネ!目立つように作った特注アル」

「………」

崙に見据える‥‥いや、今にも人を射殺しそうな目で睨みつける岬をシフォンは、まぁまぁ…と宥める。

「ボス、やっぱりそれが一番似合うネ!…じゃなかったヨ。ボスが動くときに目立った方が関西弁君ともさもさ君が同級生?だっけ‥? 助け出しやすいと思うヨ。だから、目立つようにしたネ」

だから、私、悪くないヨ。と言う崙に岬は溜息をつく


「…そうか。一つ聞きたいことがあるんだが、…何故、一人一人のサイズがピッタリなんだ?」

鋭く威圧されるような強い瞳で見据える岬に崙は悪びれなく言った

「そりゃあ、昨夜、君らが寝ている間に部屋に入って部下に一人一人の身体のサイズを測らせたからに決まってるネ」



「「「「………………」」」」

(…迂闊だった。まさか、マフィアのボスとは言え、部屋に侵入されたのを気付かなかったとは不覚。)

額に手をあて、うなだれる岬…。

(…俺としたことが…まさか、一般人に…)


崙の正体を知らず一般人と思い込むシフォンはあからさまに落ち込む

(崙ちゅー人、いったい何者なんや?)

少しだけ警戒心を強める幸村、

(…す、すげぇっ!!!やっぱり世界にはいろんな人がいるんだな)

族の総長でも、俺はまだまだだな…と妙に意気込む葵。ーー皆、バラバラだった‥。


「ボス、そろそろ目的地周辺になりますが……ここから先は警備が厳重ですので、これ以上は進めません」

伸ばした黒髪を後ろに束ねた男はちらりと岬達に目をやり、そのまま崙に告げた


「…あいやぁ!やっぱりネ。どーするヨ?」

「歩きに決まってるだろ」


岬はひそかに呟く

「別に僕としては、このまま敵のアジトにジェット機ごと突っ込んでもいいんだが、その方が手っ取り早いし(ボソッ)」


その瞬間、その場にいた岬以外の全員が一瞬にして背筋が凍り付いた

「……な…なんて、恐ろしいことを… そ、操縦席は死んでも貴方には譲りませんよ!?」

綺麗な発音で日本語を喋る崙の部下の顔は必死だ


「…私、ボスと心中する気ないヨ!」

崙は焦ったように首を横に振る。その顔には冷や汗が‥。

「い、委員長っ!!わい、委員長が車を運転した時みたいに、また死にそうな思いするのは、もう、ごめんやでっ!!断固、反対やっ!!!わいはまだ、死にとぅないっ!」

ぜーったい、そんなもん認めへんっ!!とまた、こちらも断固拒否の幸村…… 彼は軽くトラウマになっているようだ

「ゆ、幸村?! どうしたんだ!??」

岬の超ハードな運転を知らない葵は幸村の過剰ともいえる反応に驚いていた


  そして‥

「そんなことを俺が許すわけがないでしょう!!…だーいたいっ 何ですか!!? 運転?死にそう!?あんたは運転を禁止されていたでしょう!!!マコーネルさんにっ!なのに、幸村君のは・な・し!はどういうことですか!?

まさかまさかっ…

あんた、一般人を乗せて‥‥ あ、あのッ 恐ろしい運転をなさったわけじゃぁ、ありませんよね!?」

カッと目を見開き岬に詰め寄るシフォン…。その顔はいつになく険しい

「………」

あ、やべ。


岬は、ふぃと目を逸らした。


「「「「……………」」」」

皆が岬とシフォンの会話に注目する中、葵は首を傾ける。

「なぁ、岬の運転って、そんなに酷いのか?」

その質問に答えたのは…


「酷いとか、もう、そない域と、ちゃうで!!!あれは…あれは… もうっ死を身近に感じる運転やっ!!!」

と力説で答える幸村に、

「あんたの運転は、無茶苦茶なんですっ!!!貴方のおかげで、こっちが毎回どれだけ死にそうな… 寿命の縮まりそうな思いをしてると思ってるんです!?あんな、寿命の縮む思いは二度とゴメンです!!」

これでもか!というぐらい凄い剣幕で岬に詰め寄るシフォン、そんな二人の顔は、もう必死だ。何しろ、力説なのだから――‥。
感想 42

あなたにおすすめの小説

笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。 が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。 そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め── ※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。 ※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。 ※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。 ※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

目立たないでと言われても

みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」 ****** 山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって…… 25話で本編完結+番外編4話

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

灰かぶり君

渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。 お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。 「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」 「……禿げる」 テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに? ※重複投稿作品※

学園ものに転生した悪役の男について

ひいきにみゐる
BL
タイトルの通りにございます。文才を褒められたことはないので、そういうつもりで見ていただけたらなと思います。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)