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第1章 月森ヶ丘自由学園
岬の運転は死を間近に感じる恐怖…
「…もうすぐ、着くヨ。全員、チャイナ服に着替えるネ」
次々と並べられるチャイナ服四枚、そのサイズはそれぞれバラバラだ。
「銀髪君にはこれヨ」
言って渡されたのは、グレーのチャイナ服、
「……(何故、サイズがピッタリなんですか!?)」
すぐに着てみたシフォンはそのサイズのピッタリさに疑問を抱くが、なんとなく崙に聞くのが(←主に返ってくる返事が)怖かった為、あえて口にしなかった。
「関西弁君はこれ」
見ると、オレンジや黄色に近い色だった…
「もさもさ君にはこれネ」
渡されたのは緑のような紺のような色のチャイナ服‥
「ボスはやっぱり、これネ!」
そして、渡されたのは…闇のような漆黒で、金の刺繍を施された龍。黒に見劣りしない金色の龍、
確かにセンスは良いのだが、何より‥
「……目立つ」
額に青筋を浮かばせて言う岬に崙は笑う
「そりゃあ目立つネ!目立つように作った特注アル」
「………」
崙に見据える‥‥いや、今にも人を射殺しそうな目で睨みつける岬をシフォンは、まぁまぁ…と宥める。
「ボス、やっぱりそれが一番似合うネ!…じゃなかったヨ。ボスが動くときに目立った方が関西弁君ともさもさ君が同級生?だっけ‥? 助け出しやすいと思うヨ。だから、目立つようにしたネ」
だから、私、悪くないヨ。と言う崙に岬は溜息をつく
「…そうか。一つ聞きたいことがあるんだが、…何故、一人一人のサイズがピッタリなんだ?」
鋭く威圧されるような強い瞳で見据える岬に崙は悪びれなく言った
「そりゃあ、昨夜、君らが寝ている間に部屋に入って部下に一人一人の身体のサイズを測らせたからに決まってるネ」
「「「「………………」」」」
(…迂闊だった。まさか、マフィアのボスとは言え、部屋に侵入されたのを気付かなかったとは不覚。)
額に手をあて、うなだれる岬…。
(…俺としたことが…まさか、一般人に…)
崙の正体を知らず一般人と思い込むシフォンはあからさまに落ち込む
(崙ちゅー人、いったい何者なんや?)
少しだけ警戒心を強める幸村、
(…す、すげぇっ!!!やっぱり世界にはいろんな人がいるんだな)
族の総長でも、俺はまだまだだな…と妙に意気込む葵。ーー皆、バラバラだった‥。
「ボス、そろそろ目的地周辺になりますが……ここから先は警備が厳重ですので、これ以上は進めません」
伸ばした黒髪を後ろに束ねた男はちらりと岬達に目をやり、そのまま崙に告げた
「…あいやぁ!やっぱりネ。どーするヨ?」
「歩きに決まってるだろ」
岬はひそかに呟く
「別に僕としては、このまま敵のアジトにジェット機ごと突っ込んでもいいんだが、その方が手っ取り早いし(ボソッ)」
その瞬間、その場にいた岬以外の全員が一瞬にして背筋が凍り付いた
「……な…なんて、恐ろしいことを… そ、操縦席は死んでも貴方には譲りませんよ!?」
綺麗な発音で日本語を喋る崙の部下の顔は必死だ
「…私、ボスと心中する気ないヨ!」
崙は焦ったように首を横に振る。その顔には冷や汗が‥。
「い、委員長っ!!わい、委員長が車を運転した時みたいに、また死にそうな思いするのは、もう、ごめんやでっ!!断固、反対やっ!!!わいはまだ、死にとぅないっ!」
ぜーったい、そんなもん認めへんっ!!とまた、こちらも断固拒否の幸村…… 彼は軽くトラウマになっているようだ
「ゆ、幸村?! どうしたんだ!??」
岬の超ハードな運転を知らない葵は幸村の過剰ともいえる反応に驚いていた
そして‥
「そんなことを俺が許すわけがないでしょう!!…だーいたいっ 何ですか!!? 運転?死にそう!?あんたは運転を禁止されていたでしょう!!!マコーネルさんにっ!なのに、幸村君のは・な・し!はどういうことですか!?
まさかまさかっ…
あんた、一般人を乗せて‥‥ あ、あのッ 恐ろしい運転をなさったわけじゃぁ、ありませんよね!?」
カッと目を見開き岬に詰め寄るシフォン…。その顔はいつになく険しい
「………」
あ、やべ。
岬は、ふぃと目を逸らした。
「「「「……………」」」」
皆が岬とシフォンの会話に注目する中、葵は首を傾ける。
「なぁ、岬の運転って、そんなに酷いのか?」
その質問に答えたのは…
「酷いとか、もう、そない域と、ちゃうで!!!あれは…あれは… もうっ死を身近に感じる運転やっ!!!」
と力説で答える幸村に、
「あんたの運転は、無茶苦茶なんですっ!!!貴方のおかげで、こっちが毎回どれだけ死にそうな… 寿命の縮まりそうな思いをしてると思ってるんです!?あんな、寿命の縮む思いは二度とゴメンです!!」
これでもか!というぐらい凄い剣幕で岬に詰め寄るシフォン、そんな二人の顔は、もう必死だ。何しろ、力説なのだから――‥。
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