ざまぁ!をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

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- 謎多き執事の秘密ごと -

『王家直属の謎多き執事と僕の関係』

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──────……
───…

あれから話を切り上げ早々に自室まで来ると、パタン!と後ろ手に扉を閉める。

「あぁ… は言ったものの、」

実際問題、頭を悩ませているのは確かだった。

「はぁぁ…。まったく、姉上のフリをして殿下と婚約破棄だなんて、無茶苦茶にも程があるよ」


自分の部屋に誰もいないことを良いことに思わず本心が出てしまう。

『アラン様…?』

否、一人いた。


適度な高さで切られたさらりとした艶やかな黒髪、キリッとした目と身長の低い僕からすれば羨む高い身長。シルバーの細いフレームの眼鏡をかけた見目麗しい青年が立っていた。

父が最近になって僕に付けた専属の執事だ。姉上が王太子の婚約者となり、式も間近となったことからそのサポートの一貫として王家から寄越された王家直属の執事だった。元は姉上の専属執事のつもりで派遣されたらしいけれど、執事本人からの要望で僕に変更されたとか。派遣された執事は合わせて二人で、もう一人はどちらかと言えば美丈夫だった。

特に決まった指定はなく、姉上のサポート役に派遣されただけであって、仕える相手が代わろうがどっちにしろ姉上と共に僕にも家庭教師を付けるつもりだったことから何ら問題ないとされた。───そして今に至るわけだけど…。

どこか胡散臭さが否めない、低すぎず甘い美声の彼は何処となく例の王太子と雰囲気が似ている気がする。けれど、そんなわけないかと首を横に振り、改めて見上げる。

この国の令嬢の誰もが熱い視線を向ける… その名はレオンハルト王太子。彼はその太陽のように輝くさらさらの金髪碧眼の中性的な美男子、といったところか…。そんな浮世離れした端正な顔立ちとその美しい容姿に、世の令嬢が夢中にならないはずがなかった。

それに比べ、最近付いた僕の専属の執事もとい従者は艶のある黒髪、黒曜石のような深い黒の瞳、酷薄そうにも見える冷たい印象の美麗な面差しが印象的で、髪の色など容姿こそは似ていないものの、二人は共に容姿端麗で、

───特に、その胡散臭い笑みが何処となく雰囲気が似ている気がした。

「レオン…」

彼の名はレオン。偶然か必然か、不思議なことにこの国の王太子の愛称と同じだった。
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