66 / 88
- 謎多き執事の秘密ごと -
『束の間の過去の思い出と - 後悔 - 』
しおりを挟む
けれど、それを宥めるようにレオンが僕の頭を撫でできた。
「……レオン?」
ハッと顔を上げると、目を細めたレオンの瞳とかち合う。レンズ越しに僕を見つめるその眼差しは優しくて… ほんの少し瞠目してしまった。
『あの日のことは貴方が気にしなくても良いのです。あのとき、貴方は… 誘拐されそうになった姉君のソフィアお嬢様を助けようと、なさっただけではありませんか』
「───っ!」
あの日のことはあまり思い出したくないことなのに、レオンの言葉に動揺が思わず走る──。
「それは…っ」
だけど、僕が力を暴走させた事実は変わらない。
『アラン様、やはり貴方は… あのときには既に知っていたのですね?ご自分の魔力の属性が氷属性であることを──』
まさか、レオンに図星を当てられるとは思わなかった。けど、これ以上黙っておく必要もないと思った僕は重い口を開いた
「うん。レオンの言うとおりだよ」
小さかった頃を振り返って、少し困ったように笑う
「あの頃の僕も姉上も魔法というものにとても関心があったんだ。ほら、ダメだと言われたら余計に気になるものでしょ?それに、昔。母上に魔法を見せてもらったことがあったから…。だけど、幼いうちは魔力が不安定で安定していないことから魔法の属性を測る検査は初等部の年齢になってからと決まっている。
でも、あるとき姉上が父上がいないのを見計らって書斎室に忍び込んだときがあったんだ」
あのときは姉上を止めるつもりが、書斎室にあった魔法書に興味がいって、姉上と床に座り込んで気づいたら一緒に本を読んでたっけ。メイドの呼ぶ声に、窓を見たら夕日が暮れていて… そこで初めて時間がだいぶ経っていることに気づいて、見つかって二人揃って怒られたことを思い出す
「ふふっ、」
『……アラン様?』
急に笑い出した僕にレオンが怪訝な目を向けてくる
「いや、昔… 父上の書斎室に姉上と一緒に忍び込んで見つかって二人で怒られたなって…」
『アラン様が…?意外ですね』
そう言うとレオンは少し驚いたように目を僅かに大きく見開いた。
「意外?」
僕が?と首を傾げるとレオンはええまぁ…と言葉を濁らせる。
『どちらかと言えば、その… アラン様はソフィアお嬢様のストッパー役を担っていたように思えたので』
少し答えに戸惑いを感じながら、僕は首を傾げる
「そうかなぁ?まあ、確かに今は姉上を諌めることが多いけど、僕も姉上に負けず本が大好きだからね。つい本のことになると…」
困ったように笑って誤魔化す
「だけど、姉上と一緒に読んだ魔法書は初心者用のものだったんだ。…たぶん父上が何れ僕や姉上に学ばせるために用意したものだと思う。それを一足先に僕と姉上は読んだのだけど」
ほら、読んだからには試したくなるものでしょ?と眉根を寄せて肩を落とす
「だから、それから数日経ってから父上たちの目を盗んで姉上の誘いに乗ってしまって… 二人で魔法書に書かれていた魔力の感じ方から試しにやってみたんだけど、僕にはそれが全然わからなくて姉上はすぐに出来たんだけど…」
そう、あの日は僕だけ苦戦して、なのに姉上はあっさり出来てしまって… 少し拗ねた記憶がある。
「また別の日に二人で試したよ。…でも、姉上は次のステップ… 魔力の練り方もすぐに出来て僕には出来なかった。姉上は個々それぞれやり方も感じ方も違うからって、魔力が目覚めるのも一人一人違うからって。それにこれは私たちが見た本を見よう見まねでやっているだけで、まだ魔法の授業も属性の検査を受けていないからアランが気落ちする必要なんてないのよ?って慰めてくれたんだ」
僕の告白にレオンは『ソフィアお嬢様とそのようなことがあったのですね』と、僕が語る姉上との思い出の話をどこか微笑ましげに聞いてくれている…
「でも、」
『…アラン様?』
思いつめた表情の僕に何かに気づいたらしいレオンが訝しげな表情になる
「でも…っ!違うんだ。本当は…。」
あの日、本当のことを告げていたら───…。そんな後悔が今も押し寄せていた。
「……レオン?」
ハッと顔を上げると、目を細めたレオンの瞳とかち合う。レンズ越しに僕を見つめるその眼差しは優しくて… ほんの少し瞠目してしまった。
『あの日のことは貴方が気にしなくても良いのです。あのとき、貴方は… 誘拐されそうになった姉君のソフィアお嬢様を助けようと、なさっただけではありませんか』
「───っ!」
あの日のことはあまり思い出したくないことなのに、レオンの言葉に動揺が思わず走る──。
「それは…っ」
だけど、僕が力を暴走させた事実は変わらない。
『アラン様、やはり貴方は… あのときには既に知っていたのですね?ご自分の魔力の属性が氷属性であることを──』
まさか、レオンに図星を当てられるとは思わなかった。けど、これ以上黙っておく必要もないと思った僕は重い口を開いた
「うん。レオンの言うとおりだよ」
小さかった頃を振り返って、少し困ったように笑う
「あの頃の僕も姉上も魔法というものにとても関心があったんだ。ほら、ダメだと言われたら余計に気になるものでしょ?それに、昔。母上に魔法を見せてもらったことがあったから…。だけど、幼いうちは魔力が不安定で安定していないことから魔法の属性を測る検査は初等部の年齢になってからと決まっている。
でも、あるとき姉上が父上がいないのを見計らって書斎室に忍び込んだときがあったんだ」
あのときは姉上を止めるつもりが、書斎室にあった魔法書に興味がいって、姉上と床に座り込んで気づいたら一緒に本を読んでたっけ。メイドの呼ぶ声に、窓を見たら夕日が暮れていて… そこで初めて時間がだいぶ経っていることに気づいて、見つかって二人揃って怒られたことを思い出す
「ふふっ、」
『……アラン様?』
急に笑い出した僕にレオンが怪訝な目を向けてくる
「いや、昔… 父上の書斎室に姉上と一緒に忍び込んで見つかって二人で怒られたなって…」
『アラン様が…?意外ですね』
そう言うとレオンは少し驚いたように目を僅かに大きく見開いた。
「意外?」
僕が?と首を傾げるとレオンはええまぁ…と言葉を濁らせる。
『どちらかと言えば、その… アラン様はソフィアお嬢様のストッパー役を担っていたように思えたので』
少し答えに戸惑いを感じながら、僕は首を傾げる
「そうかなぁ?まあ、確かに今は姉上を諌めることが多いけど、僕も姉上に負けず本が大好きだからね。つい本のことになると…」
困ったように笑って誤魔化す
「だけど、姉上と一緒に読んだ魔法書は初心者用のものだったんだ。…たぶん父上が何れ僕や姉上に学ばせるために用意したものだと思う。それを一足先に僕と姉上は読んだのだけど」
ほら、読んだからには試したくなるものでしょ?と眉根を寄せて肩を落とす
「だから、それから数日経ってから父上たちの目を盗んで姉上の誘いに乗ってしまって… 二人で魔法書に書かれていた魔力の感じ方から試しにやってみたんだけど、僕にはそれが全然わからなくて姉上はすぐに出来たんだけど…」
そう、あの日は僕だけ苦戦して、なのに姉上はあっさり出来てしまって… 少し拗ねた記憶がある。
「また別の日に二人で試したよ。…でも、姉上は次のステップ… 魔力の練り方もすぐに出来て僕には出来なかった。姉上は個々それぞれやり方も感じ方も違うからって、魔力が目覚めるのも一人一人違うからって。それにこれは私たちが見た本を見よう見まねでやっているだけで、まだ魔法の授業も属性の検査を受けていないからアランが気落ちする必要なんてないのよ?って慰めてくれたんだ」
僕の告白にレオンは『ソフィアお嬢様とそのようなことがあったのですね』と、僕が語る姉上との思い出の話をどこか微笑ましげに聞いてくれている…
「でも、」
『…アラン様?』
思いつめた表情の僕に何かに気づいたらしいレオンが訝しげな表情になる
「でも…っ!違うんだ。本当は…。」
あの日、本当のことを告げていたら───…。そんな後悔が今も押し寄せていた。
4
あなたにおすすめの小説
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる