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- 再会は必然 -
しおりを挟む『………』
狐面をつけた男の子は下駄をならす
カランコロン‥
「えぇわかってます。山神様は‥ 雫様は…いつも千春様のことを考えていますから。ですけど…
人の子は人間(ヒト)の世に還すべきという雫様の優しいお気持ちもわかりますが、千春様のことを思うと複雑です」
『………』
「わかってますよ。…ただ、二度に渡って人間(ヒト)に傷つけられた千春様を思うと…」
チリン…
『………』
「あー、その鈴。あのときに千春様に貰ったモノですか」
チリーン…
『…………』
コクン、頷く小さな彼に泉は微笑む。
「懐かしいですね。確か、山神様…雫様から山を下りる許しを貰っていないのに、山のふもとでやっていた祭りを見た千春様が勝手にふもとまで下りてしまったときに買ったものですよね。…後から、お叱りを受けてたようですけど」
思い出し、くすくすと… おかしそうに笑う泉を狐面の男の子は嬉しいのか、カランコロン下駄を鳴らす。
「あ、そういえばレン君はお兄さんとはぐれたとさっき言ってましたよね?ゼン君もこの学園に来てるんですか?」
『………』
コクン、
「そうですか。なら、千春さまの元に居ればすぐに会えますよ。…だって、千春さまとの再会は必然ですから」
ふわりと笑って千春の元へ行く泉の後ろをレンも追いかけて行った。
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