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- 運命の分岐点と守りたいもの -
『罪作りの愛し子と呪いとタイムループ…』
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「待てっ!」
《ダークネス》
小さい闇の精霊、プーモもといバクが言葉を紡ぐとその瞬間に辺り一面が闇の空間へと隔離される。
《──…クロスサタン》
放たれた純粋なる闇の力。濃縮させたクロス状の黒紫色のを光を放つけれども、闇に身を堕とした魔女は紙一重にそれを躱す。
──ドンッ!!!
パラパラと粉になって落ちる土壁に沿って走る魔女をバクは壁際についに追い詰めることが出来た。
「やっと追い詰めたよ!もう逃がさない… お前たちの計画もこれで終わりだ。直に、ジークウォンも──『フッ、ふふっ… んふふふふっ』
「───ッ!何がおかしい!?」
『あっははははは…っ』
そう、魔女を追い詰めた。追い詰めたはずなのに… 追い詰められた魔女が腹を抱えて狂ったように嗤うその様に、どうしてだろうこの胸騒ぎは…。違和感は。胸がざわざわする…。どうしようもない不安に駆られたのは──。
『くすくすっ…』
ひとしきり嗤うと、その吊り上がる笑みを隠すように口許を指先で添えて目を窄める。その瞳に宿る酷薄な光りーー。その冷たい眸に見下ろされると、バクはたじろいだ。
『計画…?クスッ』
『おめでたい頭ね。こんな計画などただの余興に過ぎないわよ』
そう言って可笑しそうに嘲笑う魔女を訝しげに見据える。
「余興だって…!?なにを言って…っ!」
気が触れたか、と睥睨すれば魔女は鬱陶しげに自身の髪を後ろに振り払う。
『その瞳、ホントにムカつくわ… まるであいつを見ているみたい』
バクを通して別の誰かを思い浮かべているのか、その睥睨する眼差しはバクを通り越して、遠くを見つめる。その表情は… こんな状況にも関わらず、複雑な表情で。バクはそんな魔女の様子に片眉を吊り上げる。
「───さっきから、何の話を…!」
『馬鹿よね、ほーんと…!この状況を、この呪われた世界を作ったのはあの子自身なのに、あんた達はそれを必死に守ろうとしてる… 酷く滑稽よね』
くすっ、
『それはそうよねぇ…。だって、ジークウォンならまだしも、あんたは作られたものなんだもの。
守ろうとするのは必然で。そう決められていて、それでもその事実を知らないあんたはあの子を守ろうとする… そんな滑稽な話、聞いたことがないわ』
あはははっ!と愉快げに笑う魔女にバクは不快感から眉間を寄せる。
「どういう…!」
『神の愛し子も罪よねぇ…?ふふっ、ああ、でも… 愛し子も案外被害者側だったりして?
” 愛し子 ” ただそれだけで神からも精霊からも愛され好かれる…。それがどういう意味か、わからないでもないと思うのだけど。ふふっ!』
「さっきから何を戯言を…」
『───ねぇ、知っていて? なぜ、この世界がループするのか…。ねぇ、知っていて??月と太陽、陰と陽の力を持ってしても…
時間を、一度通った過去を繰り返すタイムループの力なんて… 無いのよ? ねぇ、知っていて???
たとえ、呪いの力を持ってしても… 時と時間を繰り返すなんて、それはもはや、《神》もしくはそれに近しい存在の所業』
「な、に… を……ッ」
くすっ、
『ねぇ、知っていて?人間は昔も今も… 浅はかで欲深い生き物よ。そして、少しでも自分たちと違えば畏怖を抱き、侮蔑の目を向ける… その選民思考はやがて身を滅ぼす…
あんたも可哀想にね。
あんたが知っているその記憶とやらも、全てではないのに。ふふっ、あの子も可哀想に…。神に愛された故に死ぬことも出来ず、加護を与えられた故に、暴走する力は… 周りをも巻き込む。
ふ、ふふっ…!ああ、なんて可笑しくて愉快なのかしら!罪作りな愛し子!!!』
「罪作り…?暴走?そんな話だれが…!」
『あの子の為に、神の一柱に作られたあんたがそれを言う?』
(…神の一柱?時を巻き戻す…?)
(呪いに時を巻き戻す力は無いだって…?神の所業…?まさか、時の──…)
「あ、待て…っ!!!」
ふわりと空を飛んだ魔女にバクが再び攻撃しようとする。
「!?」
───が、
宙に浮かぶ魔女が小さく一言二言つぶやくと、地面から突如として這い出てきた蔦に手足の自由を奪われた。
《ダークネス》
小さい闇の精霊、プーモもといバクが言葉を紡ぐとその瞬間に辺り一面が闇の空間へと隔離される。
《──…クロスサタン》
放たれた純粋なる闇の力。濃縮させたクロス状の黒紫色のを光を放つけれども、闇に身を堕とした魔女は紙一重にそれを躱す。
──ドンッ!!!
パラパラと粉になって落ちる土壁に沿って走る魔女をバクは壁際についに追い詰めることが出来た。
「やっと追い詰めたよ!もう逃がさない… お前たちの計画もこれで終わりだ。直に、ジークウォンも──『フッ、ふふっ… んふふふふっ』
「───ッ!何がおかしい!?」
『あっははははは…っ』
そう、魔女を追い詰めた。追い詰めたはずなのに… 追い詰められた魔女が腹を抱えて狂ったように嗤うその様に、どうしてだろうこの胸騒ぎは…。違和感は。胸がざわざわする…。どうしようもない不安に駆られたのは──。
『くすくすっ…』
ひとしきり嗤うと、その吊り上がる笑みを隠すように口許を指先で添えて目を窄める。その瞳に宿る酷薄な光りーー。その冷たい眸に見下ろされると、バクはたじろいだ。
『計画…?クスッ』
『おめでたい頭ね。こんな計画などただの余興に過ぎないわよ』
そう言って可笑しそうに嘲笑う魔女を訝しげに見据える。
「余興だって…!?なにを言って…っ!」
気が触れたか、と睥睨すれば魔女は鬱陶しげに自身の髪を後ろに振り払う。
『その瞳、ホントにムカつくわ… まるであいつを見ているみたい』
バクを通して別の誰かを思い浮かべているのか、その睥睨する眼差しはバクを通り越して、遠くを見つめる。その表情は… こんな状況にも関わらず、複雑な表情で。バクはそんな魔女の様子に片眉を吊り上げる。
「───さっきから、何の話を…!」
『馬鹿よね、ほーんと…!この状況を、この呪われた世界を作ったのはあの子自身なのに、あんた達はそれを必死に守ろうとしてる… 酷く滑稽よね』
くすっ、
『それはそうよねぇ…。だって、ジークウォンならまだしも、あんたは作られたものなんだもの。
守ろうとするのは必然で。そう決められていて、それでもその事実を知らないあんたはあの子を守ろうとする… そんな滑稽な話、聞いたことがないわ』
あはははっ!と愉快げに笑う魔女にバクは不快感から眉間を寄せる。
「どういう…!」
『神の愛し子も罪よねぇ…?ふふっ、ああ、でも… 愛し子も案外被害者側だったりして?
” 愛し子 ” ただそれだけで神からも精霊からも愛され好かれる…。それがどういう意味か、わからないでもないと思うのだけど。ふふっ!』
「さっきから何を戯言を…」
『───ねぇ、知っていて? なぜ、この世界がループするのか…。ねぇ、知っていて??月と太陽、陰と陽の力を持ってしても…
時間を、一度通った過去を繰り返すタイムループの力なんて… 無いのよ? ねぇ、知っていて???
たとえ、呪いの力を持ってしても… 時と時間を繰り返すなんて、それはもはや、《神》もしくはそれに近しい存在の所業』
「な、に… を……ッ」
くすっ、
『ねぇ、知っていて?人間は昔も今も… 浅はかで欲深い生き物よ。そして、少しでも自分たちと違えば畏怖を抱き、侮蔑の目を向ける… その選民思考はやがて身を滅ぼす…
あんたも可哀想にね。
あんたが知っているその記憶とやらも、全てではないのに。ふふっ、あの子も可哀想に…。神に愛された故に死ぬことも出来ず、加護を与えられた故に、暴走する力は… 周りをも巻き込む。
ふ、ふふっ…!ああ、なんて可笑しくて愉快なのかしら!罪作りな愛し子!!!』
「罪作り…?暴走?そんな話だれが…!」
『あの子の為に、神の一柱に作られたあんたがそれを言う?』
(…神の一柱?時を巻き戻す…?)
(呪いに時を巻き戻す力は無いだって…?神の所業…?まさか、時の──…)
「あ、待て…っ!!!」
ふわりと空を飛んだ魔女にバクが再び攻撃しようとする。
「!?」
───が、
宙に浮かぶ魔女が小さく一言二言つぶやくと、地面から突如として這い出てきた蔦に手足の自由を奪われた。
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