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- 乙女ゲームの世界観と宿命 -
『 光と闇 迷い人の持つ力 』
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『そう彼ら二人は小さな子供だった。だけど、彼ら二人は其々に、光と闇の力が備わっていた。彼ら二人は魔神と闇に支配された世界を見渡して、それから示し合わせたように互いに顔を見て頷くと、同時に両手を前に突き出したよ。
女の子からは明るく眩い光が。男の子からは淀みのない純粋な闇が… その身体を包み込んでいた。その身体からは内なる力が溢れて出ていた。眩い光が天を貫き、空を覆っていた闇の力を打ち消し、純粋なる闇は闇を持って制し、魔神の力を抑え込んだ。
――‥そして、激しい戦いの末に魔神の絶叫する声が轟き… 空には青々とした晴天が広がった。
種族を超え、皆で手を取り合って歓喜した。勝利の喜びを…。けれど、魔神に勝ったとは言え、封印が精一杯だった。彼らはまだ子供で力が不安定だったのがその一つでね。でもとにかく、この世界に平和が再び訪れたことは確かだった』
「それじゃあ、その二人の子供も元の世界に…」
戻ったんですか?そう聞いた僕にバクはゆるりと首を振って悲しげに微笑んだ。
『いや、帰したくても帰せなかった。思ったより、魔神があちこちに遺した傷跡が酷くてね。そしてそれはその当時の時空の歪みにも大きく影響を与えたんだ。時空の歪みによって迷い込んだ迷い人を帰すとき、時空の歪みに故郷への道を作ってそこを通って帰ってもらうんだけど、魔神が与えた影響で時空を使って帰郷させるのはとても危険だった。
酷く荒れていてね… 入ったら最後、どこの時代に飛ばされるか。いや、それならまだマシかもしれない。下手をすれば五体バラバラ… なんてこともあり得る話だったから』
そう言って肩を竦めるバクにずっと疑問に思っていたことを口にした。
「そういえば、この世界の神では魔神に対抗できなかったんですか?」
だけど、そのとき見たバクの表情は… 後悔と悲しみ、いろいろ混ざり合ったような思いつめた表情をしてしていた。
『魔神バルディモスは… 元はこの世界の神だったんだ』
・・・え?
『魔神とはね、魔の神と書くだろ?文字通り、魔神は… 魔に堕ちた神のことを指すんだ。そしてキミが今言ったよね?この世界の神ではどうにもならなかったのかって。そのときの魔神バルディモスが当時のこの世界の神だったんだ。バルディモスは… 力の使い方を誤ってしまったんだよ』
「力の使い方を誤った…?」
『そう、最初こそはこの世界の善き神として君臨していた。でもバルディモスは… その力の使い方を誤ってしまったんだ。大き過ぎる力とはね、…諸刃の剣でもあるんだよ』
諸刃の… 剣……。
『そう、善き神として君臨していたバルディモスはその力に驕り、やがて力を乱用するようになった。そのうち、抑えが効かなくなったバルディモスは乱用するうちにその大き過ぎる力は自身をも呑み込み、バルディモスは… 堕ちてしまった。
そして、
この世界の神から魔神へと姿を… 変えたんだ』
力はね… 大き過ぎると、使い方を誤れば自身をも滅ぼす諸刃の剣にもなるんだ。正しく使えば問題ないけどね、そう話すバクに僕は困惑する。
その… バクの悲しげな表情を見ていたら、何も言えなくなった。
女の子からは明るく眩い光が。男の子からは淀みのない純粋な闇が… その身体を包み込んでいた。その身体からは内なる力が溢れて出ていた。眩い光が天を貫き、空を覆っていた闇の力を打ち消し、純粋なる闇は闇を持って制し、魔神の力を抑え込んだ。
――‥そして、激しい戦いの末に魔神の絶叫する声が轟き… 空には青々とした晴天が広がった。
種族を超え、皆で手を取り合って歓喜した。勝利の喜びを…。けれど、魔神に勝ったとは言え、封印が精一杯だった。彼らはまだ子供で力が不安定だったのがその一つでね。でもとにかく、この世界に平和が再び訪れたことは確かだった』
「それじゃあ、その二人の子供も元の世界に…」
戻ったんですか?そう聞いた僕にバクはゆるりと首を振って悲しげに微笑んだ。
『いや、帰したくても帰せなかった。思ったより、魔神があちこちに遺した傷跡が酷くてね。そしてそれはその当時の時空の歪みにも大きく影響を与えたんだ。時空の歪みによって迷い込んだ迷い人を帰すとき、時空の歪みに故郷への道を作ってそこを通って帰ってもらうんだけど、魔神が与えた影響で時空を使って帰郷させるのはとても危険だった。
酷く荒れていてね… 入ったら最後、どこの時代に飛ばされるか。いや、それならまだマシかもしれない。下手をすれば五体バラバラ… なんてこともあり得る話だったから』
そう言って肩を竦めるバクにずっと疑問に思っていたことを口にした。
「そういえば、この世界の神では魔神に対抗できなかったんですか?」
だけど、そのとき見たバクの表情は… 後悔と悲しみ、いろいろ混ざり合ったような思いつめた表情をしてしていた。
『魔神バルディモスは… 元はこの世界の神だったんだ』
・・・え?
『魔神とはね、魔の神と書くだろ?文字通り、魔神は… 魔に堕ちた神のことを指すんだ。そしてキミが今言ったよね?この世界の神ではどうにもならなかったのかって。そのときの魔神バルディモスが当時のこの世界の神だったんだ。バルディモスは… 力の使い方を誤ってしまったんだよ』
「力の使い方を誤った…?」
『そう、最初こそはこの世界の善き神として君臨していた。でもバルディモスは… その力の使い方を誤ってしまったんだ。大き過ぎる力とはね、…諸刃の剣でもあるんだよ』
諸刃の… 剣……。
『そう、善き神として君臨していたバルディモスはその力に驕り、やがて力を乱用するようになった。そのうち、抑えが効かなくなったバルディモスは乱用するうちにその大き過ぎる力は自身をも呑み込み、バルディモスは… 堕ちてしまった。
そして、
この世界の神から魔神へと姿を… 変えたんだ』
力はね… 大き過ぎると、使い方を誤れば自身をも滅ぼす諸刃の剣にもなるんだ。正しく使えば問題ないけどね、そう話すバクに僕は困惑する。
その… バクの悲しげな表情を見ていたら、何も言えなくなった。
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