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プロローグ
『第一補佐官と招かざる客』
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『遅いぞ!!琥珀!俺を待たせたらいけないんだぞ!!』
閻魔大王の座るべき玉座にドカッと腰を据え、私が来るなりキャンキャン吠えるのは‥
「ちょっと待って下さい。なぜ、あなたが此処に…?勇者様」
そう‥ ちょっと前に、元々いた世界とは違う世界に勇者として召喚された彼は黒いボサボサの髪に話が通じない自己主張の強い少年。
彼は元々の世界で、とある学園に転校してきたばかりだったが、自分はよくモテていたと確か、そのような話を自慢していました。
彼は生徒会?とかいう人達の為に親衛隊?とかいう集団と対峙してた時、足元が光り、異世界に勇者として召喚されたという話をしていたのを記憶を手繰り寄せ、思い出した。
「確か天界にいたはずなのに。いつの間に…」
琥珀に僅かに動揺が走る。しかし、それも一瞬のことですぐに無表情へと変わった。
「おう!この間まで天界にいたんだけどなっ!俺が天界にばかりいたら地獄にいるお前らが可哀想だと思ってな!!」
………可哀想?私たちが?彼はおかしなことを言いますね
「なぜ、可哀想なんですか?」
「だって!俺は神の愛し子なんだろ!だから勇者になれたんだって!!あいつらが言ってたから!!俺はみんなに愛されるって… 愛されるべき存分だからって!!」
「はぁ……。」
愛されて当然だという勇者様にどう答えたらいいのか分からず、なんとも気の抜けた相づちを返してしまいました。
「あいつらとは… 誰が言っていたのでしょうか」
「ん?天使の連中に… 此処の奴らも言ってたぞ!」
「…………そうですか」
彼らは何を根拠にそのようなことを言ったのでしょうか?
「なぁなぁ琥珀!!お前、仕事ばっかじゃん!そんなの、放っておいて一緒に遊ぼうぜ!!」
「………………はい?」
勇者様から放たれた言葉に驚いてしまった私は、目を何度か瞬きした
「え……、すみません。よく聞こえなかったのでもう一度言ってもらえますか?」
「仕方ないな!!もう一度言うからちゃんと聞くんだぞ!!そんなつまらない仕事なんか放っておいて遊ぼうって言ったんだ!!」
どこか上から目線で偉そうに見えなくもない勇者の言葉に琥珀は小さく溜め息ついて淡々と答える
「私には仕事があるので、遊びたいのなら手の空いている者を誘って下さい」
「な…っ なんでそんなこと言うんだよ!?」
「……そう言われましても、私は多忙を詰めているんです。寧ろ、こうして君と会話をしている時間が惜しいほどに‥。そもそも、私は大王に呼ばれたのであなたとは‥」
こちらに赴いた用事を思い出した琥珀はその旨を伝え、去ろうとしたが――
パシッ!
「…………あの、勇者様?この手は何でしょうか」
踵を反した途端、腕を掴まれた。
「だから!俺は今日1日だけ閻魔のヤツの代役なんだって!!だから、お前は俺の言うことを聞かないといけないんだ!!……ん?あ!エイ達だ!エーイっ!!こっち来てみんなで遊ぼうぜ!」
向こうに向かって手を振る勇者の言葉に一瞬、理解が遅れた。
「………ちょっと待って下さい。一体、どういうことですか?代役とは……… 私は何も聞いていませんが」
俄に眉間が寄る‥
「何も聞いてないって?そりゃそうだろ!さっき決まったんだから!!」
「大王はどこに?会って、直接理由を聞きますので手を離していただけませんか」
「…………んでだよ…ッ」
「はい…?」
よく聞き取れず聞き返すと、彼はキッと睨んでくる‥
「…んでだよッ なんで… なんでッ一緒に遊ばないんだよ!!!俺がこんなにも誘ってるのに!!閻魔のヤツに聞くって!そんなに俺の言葉が信じられないのかよ!!!?」
「はぁ‥‥」
なぜ、彼は怒ってるのでしょうか?そもそも…
「会ったばかりの、初対面に等しい人間の言葉を信じろ、というほうが私には理解できませんが」
「な…っ な………ッ!なんでだよ… 何でそんな意地悪するんだよ!!?俺達……… 友達だろ!!ヒック…ッ! 友達に… ふぇ…っ そ、そんなこと言っちゃ駄目な……… ぅ、ヒック!」
「…………」
ちょっと待って下さい。・・・なぜ、泣くんですか!?
「勇者さまーっ!こちらにいらっ……… 勇者様!?なぜ、泣かれているんです!?あぁ!こんなにも目を腫らして… お痛わしい」
「勇者様を泣かせたのはどいつだ!?俺が絞めてやるっ」
…………もしや、先ほど彼が言っていた愛される存在どうのこうの言った此処の連中というのは‥
「ヒック!…琥珀が…… 俺がどんなに誘っても仕事するって…… ふ…ぅ、ッ 俺の言葉は信用できないって… うわぁぁぁあんん!!!」
「!?勇者様泣かないでください… あなたは神の愛し子でしょう?あなたは愛されるべきなんです… 」
やはり、彼らでしたか。しかし、よりによって…… 私の部下の中でも有能であったはずの彼らが――
――… なぜ、こうも懐柔されているのでしょうか‥。正直、この異常な光景にドン引きです。
『………琥珀様?まさか、琥珀様が勇者様を泣かせたんですか!!!?』
エイが信じられない!といった表情で非難めいた目を向けてきます
『琥珀様…… 。アンタだけは信頼してたのに… 見損なった!』
エイと同期のライも侮蔑の目を向けてくる…
『………琥珀様はこんな時でも‥
――… その無表情を崩さないんですね』
「―― ッ!」
エイの… 自分の部下から発せられたその心無い言葉に‥ 少なからずショックを覚えた。
閻魔大王の座るべき玉座にドカッと腰を据え、私が来るなりキャンキャン吠えるのは‥
「ちょっと待って下さい。なぜ、あなたが此処に…?勇者様」
そう‥ ちょっと前に、元々いた世界とは違う世界に勇者として召喚された彼は黒いボサボサの髪に話が通じない自己主張の強い少年。
彼は元々の世界で、とある学園に転校してきたばかりだったが、自分はよくモテていたと確か、そのような話を自慢していました。
彼は生徒会?とかいう人達の為に親衛隊?とかいう集団と対峙してた時、足元が光り、異世界に勇者として召喚されたという話をしていたのを記憶を手繰り寄せ、思い出した。
「確か天界にいたはずなのに。いつの間に…」
琥珀に僅かに動揺が走る。しかし、それも一瞬のことですぐに無表情へと変わった。
「おう!この間まで天界にいたんだけどなっ!俺が天界にばかりいたら地獄にいるお前らが可哀想だと思ってな!!」
………可哀想?私たちが?彼はおかしなことを言いますね
「なぜ、可哀想なんですか?」
「だって!俺は神の愛し子なんだろ!だから勇者になれたんだって!!あいつらが言ってたから!!俺はみんなに愛されるって… 愛されるべき存分だからって!!」
「はぁ……。」
愛されて当然だという勇者様にどう答えたらいいのか分からず、なんとも気の抜けた相づちを返してしまいました。
「あいつらとは… 誰が言っていたのでしょうか」
「ん?天使の連中に… 此処の奴らも言ってたぞ!」
「…………そうですか」
彼らは何を根拠にそのようなことを言ったのでしょうか?
「なぁなぁ琥珀!!お前、仕事ばっかじゃん!そんなの、放っておいて一緒に遊ぼうぜ!!」
「………………はい?」
勇者様から放たれた言葉に驚いてしまった私は、目を何度か瞬きした
「え……、すみません。よく聞こえなかったのでもう一度言ってもらえますか?」
「仕方ないな!!もう一度言うからちゃんと聞くんだぞ!!そんなつまらない仕事なんか放っておいて遊ぼうって言ったんだ!!」
どこか上から目線で偉そうに見えなくもない勇者の言葉に琥珀は小さく溜め息ついて淡々と答える
「私には仕事があるので、遊びたいのなら手の空いている者を誘って下さい」
「な…っ なんでそんなこと言うんだよ!?」
「……そう言われましても、私は多忙を詰めているんです。寧ろ、こうして君と会話をしている時間が惜しいほどに‥。そもそも、私は大王に呼ばれたのであなたとは‥」
こちらに赴いた用事を思い出した琥珀はその旨を伝え、去ろうとしたが――
パシッ!
「…………あの、勇者様?この手は何でしょうか」
踵を反した途端、腕を掴まれた。
「だから!俺は今日1日だけ閻魔のヤツの代役なんだって!!だから、お前は俺の言うことを聞かないといけないんだ!!……ん?あ!エイ達だ!エーイっ!!こっち来てみんなで遊ぼうぜ!」
向こうに向かって手を振る勇者の言葉に一瞬、理解が遅れた。
「………ちょっと待って下さい。一体、どういうことですか?代役とは……… 私は何も聞いていませんが」
俄に眉間が寄る‥
「何も聞いてないって?そりゃそうだろ!さっき決まったんだから!!」
「大王はどこに?会って、直接理由を聞きますので手を離していただけませんか」
「…………んでだよ…ッ」
「はい…?」
よく聞き取れず聞き返すと、彼はキッと睨んでくる‥
「…んでだよッ なんで… なんでッ一緒に遊ばないんだよ!!!俺がこんなにも誘ってるのに!!閻魔のヤツに聞くって!そんなに俺の言葉が信じられないのかよ!!!?」
「はぁ‥‥」
なぜ、彼は怒ってるのでしょうか?そもそも…
「会ったばかりの、初対面に等しい人間の言葉を信じろ、というほうが私には理解できませんが」
「な…っ な………ッ!なんでだよ… 何でそんな意地悪するんだよ!!?俺達……… 友達だろ!!ヒック…ッ! 友達に… ふぇ…っ そ、そんなこと言っちゃ駄目な……… ぅ、ヒック!」
「…………」
ちょっと待って下さい。・・・なぜ、泣くんですか!?
「勇者さまーっ!こちらにいらっ……… 勇者様!?なぜ、泣かれているんです!?あぁ!こんなにも目を腫らして… お痛わしい」
「勇者様を泣かせたのはどいつだ!?俺が絞めてやるっ」
…………もしや、先ほど彼が言っていた愛される存在どうのこうの言った此処の連中というのは‥
「ヒック!…琥珀が…… 俺がどんなに誘っても仕事するって…… ふ…ぅ、ッ 俺の言葉は信用できないって… うわぁぁぁあんん!!!」
「!?勇者様泣かないでください… あなたは神の愛し子でしょう?あなたは愛されるべきなんです… 」
やはり、彼らでしたか。しかし、よりによって…… 私の部下の中でも有能であったはずの彼らが――
――… なぜ、こうも懐柔されているのでしょうか‥。正直、この異常な光景にドン引きです。
『………琥珀様?まさか、琥珀様が勇者様を泣かせたんですか!!!?』
エイが信じられない!といった表情で非難めいた目を向けてきます
『琥珀様…… 。アンタだけは信頼してたのに… 見損なった!』
エイと同期のライも侮蔑の目を向けてくる…
『………琥珀様はこんな時でも‥
――… その無表情を崩さないんですね』
「―― ッ!」
エイの… 自分の部下から発せられたその心無い言葉に‥ 少なからずショックを覚えた。
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