― 閻魔庁 琥珀の備忘録 ―

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プロローグ

あ、あのー… こ、琥珀サン!?

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「ばっか!!!!止めろって!!お前、ちょっ‥マジでなに考えてんの!?」

「……それはこちらのセリフです。なぜ、止めるんですか」


羽交い締めされ、強引に術を放とうとしたのを止められた琥珀は眉尻を吊り上げ、椿の腕を凪ぎ払う

「お前なぁ!!!!この光景を見てまだそれ言うか!?」


周りのことにも気を配れ、と呆れた声音で言ってくる椿を軽く無視し、琥珀はまた印を組む‥

「――これは仕事です。逃がしたら元も子もない‥ 邪魔するなら容赦しませんよ」

「おま…っ!ハァーっ‥」


後で俺もどやされンだけど!と溜め息つく椿を目の端に捉え、渋々琥珀は口を開く


「………わかりましたよ。ならば攻撃の仕方を変えれば良いのでしょう?」

短く呪を唱えると手を突き出す


―― すると、沢山の鋭利な剣が琥珀の上の宙に現れ、同時に鋭利な剣の先がくるりと回転し、標的の鬼へと移す‥


「……周りを巻き返むな、と言うならばいいでしょう。標的を串刺しにするまで」

只ならぬ琥珀の様子に隼人は気になっていたことを椿に訊いた


「あ、あのー… ひょっとして、琥珀サンって‥;」

短気なの?という隼人の質問に椿は、いや… と首を横に振る


「ただ単に仕事に生真面目なだけだ。……まぁただ優しいだけじゃ、閻魔大王の第一補佐官なんてなれねぇよ…。短気は否定しねぇけど」

アイツ、仕事に関わることに関しては誰に対しても人一倍容赦ねぇからな… 本気になると周りが見えなくなるから面倒なんだよ。と愚痴る椿に隼人の表情が引き攣った‥。
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