生徒会補佐様は平凡を望む

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南条家との出会い編

─── 本能のままに…。


─── 執事セツside

私の言葉のとおりに南くんは目を閉じ構えを取った。正直、簡単な説明しかしていないのに、その隙のない構えに…

さすが、あの一族の人間だと思った。

それでも、子供だからと無意識に甘く見ていたのかもしれない。構えを取り、彼が一歩足を踏み出した途端、その刹那… 纏う雰囲気が変わった。

「───ッ!」

ダンッ!と強く地を蹴り、本能のままに前に出る彼は… それでもまだ目を閉じていて、本当に私に言われるままに直感の赴くままに動いていた。

ヒュッと飛んで来た蹴りは思っていた以上に速い。頬に当たる擦れ擦れに足が振り下ろされる。だが、外れたその足は休む間も無く、今度は向きを変え、連続で蹴り出される。

「く…、ッ」

《速い…!まさか、ここまでとは…っ》

まるで、こちらの様子が目に見えているように、休む暇を与えず繰り出される蹴りは結構堪えた。

─ズザッッ!!─

顔面に向かってきた蹴りを避け、後ろに滑るように後退すると、今度は片足を軸に、素早く体を回転させると、もう片方の足を急所へと叩き込む…

「!」

まともに受けたらまずいと思い、身体を捻って難を逃れる。そして南くんの行き場を失った足が振り下ろされたのは丸いテーブルで…

──ガシャァンンッ!!!

その上に飾られていた花を生けた花瓶が派手に割れた音に、ようやく南くんの動きが止まった。
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