生徒会補佐様は平凡を望む

文字の大きさ
33 / 40
南条家との出会い編

- 南条家との別れ -

しおりを挟む

   ああ、でも…

面倒なことに巻き込まれるのはイヤだ、そう考えると… 人と接するにあたって、無難な方法は… と、考えてふと義父さんを見つめる。

「?」

義父さんが不思議そうに首を傾げているのを見て閃いた。

「…そういうことか」

じっと見つめること数秒、義父さんが困ったように身動ぎする

「え、えーっと。南くん…?」

「──いえ、何でもないです」

ニッコリ。

まずは… 義父さんやセツさんみたいな人当たりが良さそうな敬語口調がいいかもしれない。だったら、いっそのこと、一人称も…

───変えてしまおうか。

ふと、そんな考えが浮かんだ。

「本当に大丈夫ですか?南くん… Σはっ!そうです、南くん!!!」

「?なんですか、義父さん??」


そう訊くと義父さんは一瞬、顔を強張らせたように見えた気がしたけれど、それはほんの一瞬のことですぐに元の表情へと戻った。

「いいですか、南くん…。南くんに持たせた薬は欠かさず飲んで下さいね。一つ目は毎日飲むものと、二つ目は発作時に飲むこと!無くなったら、ウィリアムズ… 理事長か、医務室に行けば貰えるよう手配はしておくから。だから、…それだけは絶対に守ってください」

あなたの為なんです、とまるで自身のことのように表情を曇らせる義父さんに首を傾げる

「?薬ですよね…?確か、先日 俺がいつのまにか気を失っていたのが栄養失調と医師に判断されたとかで、処方されたこのビタミン剤・・・・・のことですよね?義父さんは心配のし過ぎですよ」

薬ならちゃんと飲みますからそんな表情をしないでください、と俺は眉尻を寄せる。なぜ、義父さんがそこまで薬にこだわるのか。欠かさず飲むようにと、耳にタコができるほど口酸っぱく言われるのか甚だ疑問だけど…

きっと、義父さんは心配性なんだろう、とその一言で俺は片付けた。


───もし、このとき。

きちんと二人に聞いていたら、尋ねていたら…


未来は変わっていたのだろうか。

      否、

このときの俺はそんな先の話… 知るはずもなかった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

あの夏の日を忘れない ~風紀委員長×過去あり総長~

猫村やなぎ
BL
椎名由は、似てるという言葉が嫌いだった。 髪を金にして、ピアスを付けて。精一杯の虚勢を張る。 そんな彼は双子の兄の通う桜楠学園に編入する。 「なぁ由、お前の怖いものはなんなんだ?」 全寮制の学園で頑張り屋の主人公が救われるまでの話。

BLゲームの脇役に転生したはずなのに

れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。 しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。 転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。 恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。 脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。 これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。 ⸻ 脇役くん総受け作品。 地雷の方はご注意ください。 随時更新中。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

俺の婚約者は悪役令息ですか?

SEKISUI
BL
結婚まで後1年 女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン ウルフローレンをこよなく愛する婚約者 ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない

処理中です...