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65_探し物2
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体育祭当日。
俺たちは体操着を着てそれぞれの属性のシンボルが書かれたハチマキをする。ちなみに色はピンク。1年はピンク、2年は黄緑、3年は水色だ。この学校は学年制で行う。ずるいよな…。
「憂鬱だ…」
「おい、そんな辛気臭い顔するな。やる気がでねぇだろ」
「もともとヒルエにやる気なんてない癖に…」
「そんなことはない。お前、この体育祭で優勝したら何がもらえると思ってんだ?」
「何がもらえるんだ?」
「休日だ…!しかも、1週間」
体育祭に優勝すると休日がもらえるのか!やる気が出てきた!
「優勝するぞーー!!」
まってろよ!俺の休日!しかも、今日は7つの大罪メンバーがなぜかいないんだよ。心配だか安心だ。
開会式。
「あい。今年も体育祭の日がやって来んした。お互いを高め、仲間との結束を深めておくんなまし。体育祭の始まりでありんす。」
理事長は魔法を展開し、花火を上げた。あいかわらず、派手だ。
「今回は来賓として白の王に来ていただいています。怪我などをした方はあちらにお願いします。」
フィルさん来てんの!?
俺は来賓席を見るとフィルさんがいた。俺の視線に気づいてウィンクをする。来るんだったら言ってくれればいいのに…。バカ。
「では、第1競技に参加する方は正門に集まってください」
「第1競技にヒルエ出るんでしょ?」
「ああ、それで俺の出番は終わりだ」
なんて楽な出番だ。羨ましい。
「ヒルエらしいね」
穏やかに笑うセルトがすごい。俺はヒルエを蹴りたいもん。
「じゃあ、行ってくる」
ヒルエは早々に行ってしまった。すごくやる気がなさそうに。
「あれ、首席だぞ。セルト」
「見えないね」
苦笑いのセルトはやっぱりすごい。
ヒルエは結局走る姿もだるそうだったが、二位というなかなかな成績を残した。
「平凡の皮を被った非凡め」
「犯すぞ」
「すいません」
どんどん競技は進んでいく。優勢なのはやはり三年生だ。
「リトル!次僕の番だから!僕のことしっかり見ててね!」
「おう。頑張れ!」
セルトはやる気十分で競技に向かって行った。
「ヒルエ、俺トイレ行ってくる!セルトが出るまでには帰るから!」
俺は急いでトイレに行く。しかし、そういう時に限って見てしまうものだ。見なくて良いものを。
「…色欲、あなたまた探しているんですか?」
「ない…ない…」
近道をしようと裏庭を通ったのが悪かった。そこにいたのは、アワリティアさんと姐さん。
「…私たちは任務に行きます。あなたは体育祭に出てください」
「ないのよ…」
「…」
アワリティアさんは最後に何かを呟いたと思ったら、その場から消えた。無視するわけにもいかず俺は声をかける。
「姐さん?」
「リトちゃん…ないの。姉さんの髪飾りがないの。アレがないと、私は姉さんになれないのよ」
姐さんが探していたのはお姉さんの髪飾り。
「憎い、愛しい、ああ、姉さん。姉さん。姉さんになりたい」
姐さんから黒い霧のようなものが出てきた。俺は慌てて姐さんに近づく。
「姐さん!?」
「私の姉さん…」
黒い霧は次第に黒くなる。その霧は俺を包み込む。そして、俺の意識はなくなった。
俺たちは体操着を着てそれぞれの属性のシンボルが書かれたハチマキをする。ちなみに色はピンク。1年はピンク、2年は黄緑、3年は水色だ。この学校は学年制で行う。ずるいよな…。
「憂鬱だ…」
「おい、そんな辛気臭い顔するな。やる気がでねぇだろ」
「もともとヒルエにやる気なんてない癖に…」
「そんなことはない。お前、この体育祭で優勝したら何がもらえると思ってんだ?」
「何がもらえるんだ?」
「休日だ…!しかも、1週間」
体育祭に優勝すると休日がもらえるのか!やる気が出てきた!
「優勝するぞーー!!」
まってろよ!俺の休日!しかも、今日は7つの大罪メンバーがなぜかいないんだよ。心配だか安心だ。
開会式。
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理事長は魔法を展開し、花火を上げた。あいかわらず、派手だ。
「今回は来賓として白の王に来ていただいています。怪我などをした方はあちらにお願いします。」
フィルさん来てんの!?
俺は来賓席を見るとフィルさんがいた。俺の視線に気づいてウィンクをする。来るんだったら言ってくれればいいのに…。バカ。
「では、第1競技に参加する方は正門に集まってください」
「第1競技にヒルエ出るんでしょ?」
「ああ、それで俺の出番は終わりだ」
なんて楽な出番だ。羨ましい。
「ヒルエらしいね」
穏やかに笑うセルトがすごい。俺はヒルエを蹴りたいもん。
「じゃあ、行ってくる」
ヒルエは早々に行ってしまった。すごくやる気がなさそうに。
「あれ、首席だぞ。セルト」
「見えないね」
苦笑いのセルトはやっぱりすごい。
ヒルエは結局走る姿もだるそうだったが、二位というなかなかな成績を残した。
「平凡の皮を被った非凡め」
「犯すぞ」
「すいません」
どんどん競技は進んでいく。優勢なのはやはり三年生だ。
「リトル!次僕の番だから!僕のことしっかり見ててね!」
「おう。頑張れ!」
セルトはやる気十分で競技に向かって行った。
「ヒルエ、俺トイレ行ってくる!セルトが出るまでには帰るから!」
俺は急いでトイレに行く。しかし、そういう時に限って見てしまうものだ。見なくて良いものを。
「…色欲、あなたまた探しているんですか?」
「ない…ない…」
近道をしようと裏庭を通ったのが悪かった。そこにいたのは、アワリティアさんと姐さん。
「…私たちは任務に行きます。あなたは体育祭に出てください」
「ないのよ…」
「…」
アワリティアさんは最後に何かを呟いたと思ったら、その場から消えた。無視するわけにもいかず俺は声をかける。
「姐さん?」
「リトちゃん…ないの。姉さんの髪飾りがないの。アレがないと、私は姉さんになれないのよ」
姐さんが探していたのはお姉さんの髪飾り。
「憎い、愛しい、ああ、姉さん。姉さん。姉さんになりたい」
姐さんから黒い霧のようなものが出てきた。俺は慌てて姐さんに近づく。
「姐さん!?」
「私の姉さん…」
黒い霧は次第に黒くなる。その霧は俺を包み込む。そして、俺の意識はなくなった。
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