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03_掃除
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先生の部屋は相変わらず汚かった。タバコで淀んだ空気をまずどうにかしたい。俺は入ってすぐ窓を全開にした。
「先生、タバコ吸い過ぎ」
そう言っているのに先生は新たにタバコに火をつける。
「うるせぇ。ほらよ」
先生が投げてよこしたものを俺は慌てて受け取る。よくやった!俺の反射神経!
受け取ったものは木箱だった。
「何、これ?」
「さぁな、先輩からだ」
「フィルさんから…」
良い予感がしない…。フィルさんとは親のいない俺の保護者だ。お金やらなんやらお世話になってる。でも、実はすごい人で、この国にいる光属性の中で一番強いと言われている。光属性の代表者だ。
でも、フィルさんは時々常識から外れたことをする。俺が寮に入るからとSPを10人つけようとしたり、生活費に困らないようにと毎月100万口座に入れたり。俺は必死にそれらを阻止した。どうせならもっと自分のことに使ってほしい。
「なんか仕掛けられてないよな…?」
「知らねぇ」
俺はそっと木箱を開ける。
ボフッ
「うわぁ!」
ほら…ほら!!なんか仕掛けられてた!俺の予感は当たるんだ!
思わず投げた木箱を先生がキャッチして。
「こりゃ、びっくり箱だな」
「…心臓止まる」
俺は改めて木箱の中身を確認した。そこには手紙とアクセサリーが入っていた。天使を象ったフィルさんらしいセンスの良いアクセサリーだ。
俺はまず手紙を開いた。
「げっ…」
「…毎回のことながらすげえな…」
手紙にはぎっしりと文字が書かれていた。まぁ、いつもの事だ…。俺も後で、手紙書こう…。書かないとうるさいし。
「んじゃ、部屋の掃除よろしく」
「やっぱり…」
俺はしぶしぶ部屋の掃除を始める。まぁ、先生にはなんやかんやでお世話になってるからな。恩返しだ。
それにしても…
「先生、どうやったらこんなに散らかるの?足の踏み場ないじゃん…」
「…どうも昔から片付けは苦手でな」
いや、もうそういう問題じゃない気がする。先生の部屋はプリントや本で溢れかえってる。つまり、物が多いんだ。それでも、この広い部屋なら十分収納できるはずなのに出したら出しっぱなしにする。
「せっかくの良い部屋なのにもったいないよ」
準備室には豪華で、この部屋はきれいにすれば応接室のようになる。
「1人で使ってるからいんだよ。時々、お前に掃除してもらうしな」
「親衛隊の人にやってもらったら良いのに。きっと毎日してくれるよ」
ちょっと嫌味を言ってやる。ちょっとした仕返しだ。ほら、先生は顔をしかめた。
「もれなく俺の物が無くなっていくな。そして、俺はそれに気づかねぇ」
「はは…」
あり得ないと言えないのがこの学園の悲しいところだ…。
「それに俺は自分のテリトリーに人を入れるのは嫌いだ」
「俺は?」
「あ?お前は平凡すぎて空気だろ」
地味だと言いたいのか!失礼するな!もう!!
少し乱暴に本棚に本を入れていく。先生は優雅にコーヒーを飲んでいる。手伝えよ。
先生の部屋の掃除は1時間ほどで終わった。
「終わった~~!」
「おー、サンキュ。ほら」
「シュークリーム!ありがとう、先生!」
先生はジュースとシュークリームを俺に渡す。甘いものが好きな俺はこれだけで掃除した甲斐がある。
「いただきま~す」
パクッ
「うっまー!」
口に広がる甘さが最高だ!先生も俺が食べてるから欲しくなったのか。俺の手を掴み自分の口元の持っていく。
パクッ
「あめえ」
先生は顔をしかめる。おいおい!なんかすっごく恥ずかしいぞ!
「せ、先生甘いのそんなに得意じゃないじゃん!//」
「まぁな。食べたくなったんだよ」
甘いのが苦手なくせにちょくちょく俺からシュークリームを食べる先生を疑問に思いながら、俺はシュークリームを美味しく頂いた。
「先生、タバコ吸い過ぎ」
そう言っているのに先生は新たにタバコに火をつける。
「うるせぇ。ほらよ」
先生が投げてよこしたものを俺は慌てて受け取る。よくやった!俺の反射神経!
受け取ったものは木箱だった。
「何、これ?」
「さぁな、先輩からだ」
「フィルさんから…」
良い予感がしない…。フィルさんとは親のいない俺の保護者だ。お金やらなんやらお世話になってる。でも、実はすごい人で、この国にいる光属性の中で一番強いと言われている。光属性の代表者だ。
でも、フィルさんは時々常識から外れたことをする。俺が寮に入るからとSPを10人つけようとしたり、生活費に困らないようにと毎月100万口座に入れたり。俺は必死にそれらを阻止した。どうせならもっと自分のことに使ってほしい。
「なんか仕掛けられてないよな…?」
「知らねぇ」
俺はそっと木箱を開ける。
ボフッ
「うわぁ!」
ほら…ほら!!なんか仕掛けられてた!俺の予感は当たるんだ!
思わず投げた木箱を先生がキャッチして。
「こりゃ、びっくり箱だな」
「…心臓止まる」
俺は改めて木箱の中身を確認した。そこには手紙とアクセサリーが入っていた。天使を象ったフィルさんらしいセンスの良いアクセサリーだ。
俺はまず手紙を開いた。
「げっ…」
「…毎回のことながらすげえな…」
手紙にはぎっしりと文字が書かれていた。まぁ、いつもの事だ…。俺も後で、手紙書こう…。書かないとうるさいし。
「んじゃ、部屋の掃除よろしく」
「やっぱり…」
俺はしぶしぶ部屋の掃除を始める。まぁ、先生にはなんやかんやでお世話になってるからな。恩返しだ。
それにしても…
「先生、どうやったらこんなに散らかるの?足の踏み場ないじゃん…」
「…どうも昔から片付けは苦手でな」
いや、もうそういう問題じゃない気がする。先生の部屋はプリントや本で溢れかえってる。つまり、物が多いんだ。それでも、この広い部屋なら十分収納できるはずなのに出したら出しっぱなしにする。
「せっかくの良い部屋なのにもったいないよ」
準備室には豪華で、この部屋はきれいにすれば応接室のようになる。
「1人で使ってるからいんだよ。時々、お前に掃除してもらうしな」
「親衛隊の人にやってもらったら良いのに。きっと毎日してくれるよ」
ちょっと嫌味を言ってやる。ちょっとした仕返しだ。ほら、先生は顔をしかめた。
「もれなく俺の物が無くなっていくな。そして、俺はそれに気づかねぇ」
「はは…」
あり得ないと言えないのがこの学園の悲しいところだ…。
「それに俺は自分のテリトリーに人を入れるのは嫌いだ」
「俺は?」
「あ?お前は平凡すぎて空気だろ」
地味だと言いたいのか!失礼するな!もう!!
少し乱暴に本棚に本を入れていく。先生は優雅にコーヒーを飲んでいる。手伝えよ。
先生の部屋の掃除は1時間ほどで終わった。
「終わった~~!」
「おー、サンキュ。ほら」
「シュークリーム!ありがとう、先生!」
先生はジュースとシュークリームを俺に渡す。甘いものが好きな俺はこれだけで掃除した甲斐がある。
「いただきま~す」
パクッ
「うっまー!」
口に広がる甘さが最高だ!先生も俺が食べてるから欲しくなったのか。俺の手を掴み自分の口元の持っていく。
パクッ
「あめえ」
先生は顔をしかめる。おいおい!なんかすっごく恥ずかしいぞ!
「せ、先生甘いのそんなに得意じゃないじゃん!//」
「まぁな。食べたくなったんだよ」
甘いのが苦手なくせにちょくちょく俺からシュークリームを食べる先生を疑問に思いながら、俺はシュークリームを美味しく頂いた。
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