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第一章 士草澪
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薄暗い玄関で、士草澪はじりじりと迫ってくる母と対峙していた。
母は台所から届く照明の明かりを背負い、逆光になっていて顔がよく見えない。
ただ、母が握る、澪の血がついた包丁が鈍く光っている。
「ふ、へへへぇ」
かすれた声で嬉しそうに、母が笑っている。澪の怯えた息づかいを楽しんでいる。
澪は、深く切りつけられた左腕を抱えながら、母の後ろを見やった。
物陰に隠れている幼い弟と妹が、母の背をじっとにらんでいた。いまにも飛びかかりそうな二人は、ずいぶん前から静かに泣いている。
と、弟と目が合った。澪は彼がなにをしようとしているのか分かり、首を横に振る。
──だめ、来ちゃだめ⋯!!
弟はまた母を見て、そして強く歯を食いしばり、何も持たない手で母に飛びかかった。
「ああっ! なにするんだ!!」
思いもよらない邪魔が入り、母が声を荒らげる。
弟が包丁を叩き落とし、さらに妹も母に飛びつく。
「お姉ちゃんにげてぇ!!」
ちいさな体から懸命に出される声に、澪の強ばった脚がびくっと反応する。
「はやく! 姉ちゃんはやくにげて!」
弟は母に引き剥がされそうになるが、必死に首にしがみつき抵抗する。
「オレたちのことはいいから! 姉ちゃんここにいたら殺されちゃうよ!!」
「そうだよ! お姉ちゃんはここにいちゃだめぇ!」
──ここにいてはいけない。二人の叫びに、澪は嗚咽をもらしながら外へ飛び出した。
振り返らずに走る。まだ母の声が聞こえる。
夜の闇に澪の息切れがまじり、道路に点々と血が落ちる。一歩進むたびに深い傷に響き、いまも全身が切り裂かれているようだ。
それでも一度も休むことなく、澪は走った。
もうどれほど走ったのか分からなくなった時には、森のなかにいた。
靴下を貫き、足裏に小枝が刺さる。枝に髪がからまり、音を立てて数本抜けた。
「──たすけて⋯⋯」
薄れていく意識のなか、澪は虚空に願った。ぼんやりする視界に、木々の間からの月明かりだけが眩しくうつる。
ついに澪は足を止め、受け身もとれずに倒れた。
「⋯⋯ぁすけ⋯⋯て」
声はかすかで、澪は目を見開いたままゆっくりと意識を失った。
森に、静かに足音が鳴る。
一人分のその音は、土に横たわる少女のそばで止まる。
そしておもむろに少女を抱き上げ、森の奥へと消えていった。
* * *
澪は薄明かりを感じ、目覚めた。
「ここ、は⋯⋯」
見慣れない天井に、照明。そよ風が鼻先をかすめ、草いきれの豊かな香りがする。
布団の中の体がだるいので、首だけを動かし、日射しのほうを確認すると、そこにはやはり見慣れない縁側があった。
ちらほらと小花の咲く、手入れがなってない庭もある。林から小鳥が鳴きながら飛び立った。
「朝⋯⋯かな」
時間の感覚も分からなくなっている。
そもそもなぜ自分はここにいるのか、ここはどこなのか。
澪は暗がりの室内へ目を移す。そこには──布団の脇に、黒い着物姿の見知らぬ男性が正座をし、自分を見下ろしていた。
中性的な細い輪郭で色の白い肌、きらきらと輝くような真っ白の短髪、そして不思議な目の色をしている。まだ夢を見ているのかと思ってしまうほど、この男性は現実離れした美しさだ。
「おはよう」
男性が微笑み、おだやかな低い声で言った。
その声にドキッとして、澪は我に返る。
「ぁ、あの⋯⋯っ、ここは──わたし、どうして」
起き上がろうと手を床に着いたら、にぶい痛みが走る。見るとあちこちに包帯が巻かれていた。
「すぐに動いては、傷が開いてしまう。話なら横になったまましよう」
男性にうながされ、澪は再び頭を枕に乗せ、長く息をついた。
この痛みは、母に切られたから⋯⋯あの絶望は夢なんかではなかったのだ。あんなに血が出ていたのに、助かることが出来たなんて。
「⋯⋯あなたが、わたしを助けてくれたんですか?」
「そうだ。助けてと、声が聞こえたから」
「あ、ありがとうございます⋯⋯」
この男性はあんなひと気のない夜の森にいたのか。
「──名前を、教えてほしい」
そういえばまだ名乗っていなかった。
「士草澪です」
「歳はいくつ?」
「十三です」
「⋯⋯なぜ、こんなに傷だらけで森にいたんだ?」
「⋯⋯わたしは、時々母から暴力を受けていました。でもあの夜はいつもよりひどくて、死んじゃうかと思ったんです。それで、弟と妹を家に残したまま⋯⋯逃げていたんです」
母は澪にだけ暴力を振るっていた。自分がいなくなった後、その矛先が弟と妹に向かっていないだろうか⋯⋯。
「君は、家に帰りたいかい?」
訊かれてはじめて、澪は考える。
──答えはすぐに出た。
「帰りたくないです。まだ、怖い⋯⋯」
「警察には、連絡する?」
澪は首を振る。
「もしも母が弟たちを傷つけないなら、このままがいいです。二人にはまだ母が必要なんです。母しか、いないんです。⋯⋯わたしのことは、誰にも言わないでください。母に知られたら連れ戻されてしまう」
いずれ男性の元にも母が来るかもしれない。そして澪を助けた人物なのだと知ったら、この男性にも危害を加えるかもしれないのだ。
具体的にここがどこなのか分からないが、もし士草家から近い場所ならまずい。
助けてくれただけでも奇跡のようなのだから、これ以上男性に迷惑は掛けられない──澪は早々にここを立とうと心に決めた。
──しかし。
「それなら、これからはここで暮らすといい」
男性がそんなことを言い出すので、「え?」と思わず聞き返す。こんな素性の知れない家出少女を、簡単に迎え入れるなんて。
「ここは私しかいない、森の奥深い戸建てだ。知っている者は滅多にいない。言うなれば陸の孤島のようなところだから、外部の者も迷ってここまでは来れないよ」
だから安心するといい、と男性はまた微笑んだ。
澪は驚きのあまり放心してしまい、「え、え」としか言えないでいる。
「ここら一帯は私の敷地だから、家のなかもふくめて好きに使っていいからね」
「ぇ、お⋯⋯ほ、ほんとうに?」
男性はうなずく。
──これは⋯⋯まだ夢を見ているの?
不思議と男性のことを怖いと思わない。なにかのキャラのコスプレをしているような見た目で、年齢も分からないのに、澪の心には一切の不安も疑いもない。なぜか、とても安心できる。
この人は、いったい──。
「あ、そういえばまだ、あなたのお名前をきいてません」
自分のことばかり考えていて、大切なことを忘れていた。
だが男性はすぐに答えず、なぜかうーんと悩み出す。明後日の方向を見やり、首を傾げる仕草がなんだか可愛らしい。
「⋯⋯すまないが、私には名乗るほどの名前がない。君の好きなように呼んでくれると助かる」
名乗るほどの名前がない? ──どうしてだろうと思ったが、男性がこう言ったのならなにかワケがあるんだろう、詮索するのはやめておく。
まだこの家で暮らすと返事をしていないのに、澪は真剣に男性の名前を考える。これから何度も呼ぶことになるであろう、彼の名を──。
「ん~⋯⋯」
澪はけっこうな時間をかけた。男性はその間もじっとし、澪を急かすことも小言を言うこもせず、静かに待っていた。
(──あ、そうだ)
初めて男性の目を見たとき、不思議な色に心臓がギュッとなった。
青紫色の、花のような色。
「リンドウは、どうでしょうか」
「リンドウ⋯⋯うん、いいね。澪が呼んでくれると、特別な感じがする」
「あ、ありがとうございます」
みお、と彼に言われて、澪は顔が熱くなるのを自覚した。
母は台所から届く照明の明かりを背負い、逆光になっていて顔がよく見えない。
ただ、母が握る、澪の血がついた包丁が鈍く光っている。
「ふ、へへへぇ」
かすれた声で嬉しそうに、母が笑っている。澪の怯えた息づかいを楽しんでいる。
澪は、深く切りつけられた左腕を抱えながら、母の後ろを見やった。
物陰に隠れている幼い弟と妹が、母の背をじっとにらんでいた。いまにも飛びかかりそうな二人は、ずいぶん前から静かに泣いている。
と、弟と目が合った。澪は彼がなにをしようとしているのか分かり、首を横に振る。
──だめ、来ちゃだめ⋯!!
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「ああっ! なにするんだ!!」
思いもよらない邪魔が入り、母が声を荒らげる。
弟が包丁を叩き落とし、さらに妹も母に飛びつく。
「お姉ちゃんにげてぇ!!」
ちいさな体から懸命に出される声に、澪の強ばった脚がびくっと反応する。
「はやく! 姉ちゃんはやくにげて!」
弟は母に引き剥がされそうになるが、必死に首にしがみつき抵抗する。
「オレたちのことはいいから! 姉ちゃんここにいたら殺されちゃうよ!!」
「そうだよ! お姉ちゃんはここにいちゃだめぇ!」
──ここにいてはいけない。二人の叫びに、澪は嗚咽をもらしながら外へ飛び出した。
振り返らずに走る。まだ母の声が聞こえる。
夜の闇に澪の息切れがまじり、道路に点々と血が落ちる。一歩進むたびに深い傷に響き、いまも全身が切り裂かれているようだ。
それでも一度も休むことなく、澪は走った。
もうどれほど走ったのか分からなくなった時には、森のなかにいた。
靴下を貫き、足裏に小枝が刺さる。枝に髪がからまり、音を立てて数本抜けた。
「──たすけて⋯⋯」
薄れていく意識のなか、澪は虚空に願った。ぼんやりする視界に、木々の間からの月明かりだけが眩しくうつる。
ついに澪は足を止め、受け身もとれずに倒れた。
「⋯⋯ぁすけ⋯⋯て」
声はかすかで、澪は目を見開いたままゆっくりと意識を失った。
森に、静かに足音が鳴る。
一人分のその音は、土に横たわる少女のそばで止まる。
そしておもむろに少女を抱き上げ、森の奥へと消えていった。
* * *
澪は薄明かりを感じ、目覚めた。
「ここ、は⋯⋯」
見慣れない天井に、照明。そよ風が鼻先をかすめ、草いきれの豊かな香りがする。
布団の中の体がだるいので、首だけを動かし、日射しのほうを確認すると、そこにはやはり見慣れない縁側があった。
ちらほらと小花の咲く、手入れがなってない庭もある。林から小鳥が鳴きながら飛び立った。
「朝⋯⋯かな」
時間の感覚も分からなくなっている。
そもそもなぜ自分はここにいるのか、ここはどこなのか。
澪は暗がりの室内へ目を移す。そこには──布団の脇に、黒い着物姿の見知らぬ男性が正座をし、自分を見下ろしていた。
中性的な細い輪郭で色の白い肌、きらきらと輝くような真っ白の短髪、そして不思議な目の色をしている。まだ夢を見ているのかと思ってしまうほど、この男性は現実離れした美しさだ。
「おはよう」
男性が微笑み、おだやかな低い声で言った。
その声にドキッとして、澪は我に返る。
「ぁ、あの⋯⋯っ、ここは──わたし、どうして」
起き上がろうと手を床に着いたら、にぶい痛みが走る。見るとあちこちに包帯が巻かれていた。
「すぐに動いては、傷が開いてしまう。話なら横になったまましよう」
男性にうながされ、澪は再び頭を枕に乗せ、長く息をついた。
この痛みは、母に切られたから⋯⋯あの絶望は夢なんかではなかったのだ。あんなに血が出ていたのに、助かることが出来たなんて。
「⋯⋯あなたが、わたしを助けてくれたんですか?」
「そうだ。助けてと、声が聞こえたから」
「あ、ありがとうございます⋯⋯」
この男性はあんなひと気のない夜の森にいたのか。
「──名前を、教えてほしい」
そういえばまだ名乗っていなかった。
「士草澪です」
「歳はいくつ?」
「十三です」
「⋯⋯なぜ、こんなに傷だらけで森にいたんだ?」
「⋯⋯わたしは、時々母から暴力を受けていました。でもあの夜はいつもよりひどくて、死んじゃうかと思ったんです。それで、弟と妹を家に残したまま⋯⋯逃げていたんです」
母は澪にだけ暴力を振るっていた。自分がいなくなった後、その矛先が弟と妹に向かっていないだろうか⋯⋯。
「君は、家に帰りたいかい?」
訊かれてはじめて、澪は考える。
──答えはすぐに出た。
「帰りたくないです。まだ、怖い⋯⋯」
「警察には、連絡する?」
澪は首を振る。
「もしも母が弟たちを傷つけないなら、このままがいいです。二人にはまだ母が必要なんです。母しか、いないんです。⋯⋯わたしのことは、誰にも言わないでください。母に知られたら連れ戻されてしまう」
いずれ男性の元にも母が来るかもしれない。そして澪を助けた人物なのだと知ったら、この男性にも危害を加えるかもしれないのだ。
具体的にここがどこなのか分からないが、もし士草家から近い場所ならまずい。
助けてくれただけでも奇跡のようなのだから、これ以上男性に迷惑は掛けられない──澪は早々にここを立とうと心に決めた。
──しかし。
「それなら、これからはここで暮らすといい」
男性がそんなことを言い出すので、「え?」と思わず聞き返す。こんな素性の知れない家出少女を、簡単に迎え入れるなんて。
「ここは私しかいない、森の奥深い戸建てだ。知っている者は滅多にいない。言うなれば陸の孤島のようなところだから、外部の者も迷ってここまでは来れないよ」
だから安心するといい、と男性はまた微笑んだ。
澪は驚きのあまり放心してしまい、「え、え」としか言えないでいる。
「ここら一帯は私の敷地だから、家のなかもふくめて好きに使っていいからね」
「ぇ、お⋯⋯ほ、ほんとうに?」
男性はうなずく。
──これは⋯⋯まだ夢を見ているの?
不思議と男性のことを怖いと思わない。なにかのキャラのコスプレをしているような見た目で、年齢も分からないのに、澪の心には一切の不安も疑いもない。なぜか、とても安心できる。
この人は、いったい──。
「あ、そういえばまだ、あなたのお名前をきいてません」
自分のことばかり考えていて、大切なことを忘れていた。
だが男性はすぐに答えず、なぜかうーんと悩み出す。明後日の方向を見やり、首を傾げる仕草がなんだか可愛らしい。
「⋯⋯すまないが、私には名乗るほどの名前がない。君の好きなように呼んでくれると助かる」
名乗るほどの名前がない? ──どうしてだろうと思ったが、男性がこう言ったのならなにかワケがあるんだろう、詮索するのはやめておく。
まだこの家で暮らすと返事をしていないのに、澪は真剣に男性の名前を考える。これから何度も呼ぶことになるであろう、彼の名を──。
「ん~⋯⋯」
澪はけっこうな時間をかけた。男性はその間もじっとし、澪を急かすことも小言を言うこもせず、静かに待っていた。
(──あ、そうだ)
初めて男性の目を見たとき、不思議な色に心臓がギュッとなった。
青紫色の、花のような色。
「リンドウは、どうでしょうか」
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