210 / 405
第11章
夏といえば③
しおりを挟む「…………疲れた……」
何だかんだ言って結構派手に動き回った俺は、べちゃっとまるで浜に打ち上げられた魚のように転がって深呼吸を繰り返す。
まだここに来てからそんなに経ってないってのに、もうこんなに体力が持っていかれた…………。
自分でも思うよ、いくらなんでも早すぎるって。
やっぱり泳ぐのって体力使うんだなと改めて実感した瞬間である。
「ノエル、あっちまで競走しよう!」
「望むところなのだ!」
ちなみにノエルとエルムは見ての通り、俺がぶっ倒れてからもずっと元気に遊び続けている。
競走やら素潜りやら。
あの底無しの体力が恐ろしい。
「本当に元気だな………」
子供と遊んでる時、だいたい大人の方が先にダウンして、子供の無邪気さと無尽蔵の体力に驚かされるんだよね。
今、まさにそんな感じ。
「ご主人様、お待たせしました!」
「お、皆も来たか」
声がして振り返ると、そこには色とりどりの水着に身を包んだ少女達が居た。
「ごめんシロ様、遅くなっちゃった」
「ん。残念キツネが恥ずかしがって中々出てこなかった」
「しょ、しょうがないじゃないですかぁ………」
「あんまりこの様なものは着ませんからね………新鮮な気分ですっ」
「私はあまり普段の服装と変わりませんけどね~」
シンプルだが、幼可愛さのある赤色のビキニに俺と同じくパーカーを羽織ったミリア。
どこで見つけたのか凄く気になる、胸元に"くろ"と書かれた本物のスク水姿のクロ。
胸元が大胆に開き、自慢の果実を零れんばかりにアピールしてくるイナリとアイリス。
そして、左右を紐で結んだ絶妙なラインを攻める際どい花柄ビキニのリーン。
ここは楽園か?
あまりにも最高すぎる目の前の光景に、俺は息をするのも忘れて釘付けになった。
いち早く瞼に焼き付け、永久保存するために脳がかつてないほどの全力稼働だ。
やっぱうちの嫁達は最高っすわ!
皆もう可愛いのなんのって。
こういう時、スマホがあればなぁ…………。
こっちの世界じゃカメラなんて便利なものは発展してないし、出来るとしたら魔法か?
何かそういう系の魔法がないか探しとけばよかった。
「皆、とっても似合ってるよ。死ぬほど可愛い」
「ふふっ。頑張って選んだかいがありましたね」
サムズアップにアイリスが笑顔で答える。
ひたすらに皆の水着姿を褒めちぎり脳裏に刻ませて頂いた後。
ノエル達を見て待ちきれなくなったミリアとクロは海へと駆けて行き、アイリスとリーンは机を組みたてたり椅子を出したりなど、お昼用のバーベキューの用意等のために荷物が詰まったテントの方へ。
最後に残ったのは、若干恥ずかしそうに頬を染めたイナリだ。
どうもまだ水着と言う格好が慣れないらしい。
「やっぱりと言うか、こっちの世界じゃあんまり馴染みがないんだね」
「ですねぇ」
どこかぎこちない。
返事はちゃんと返ってくるものの、時折ビキニやパンツの位置を気にしてはモゾモゾと動かしている。
収まりが悪いのだろうか。
…………いや、そんな感じじゃないな。
きっと落ち着かないのだろう。
その仕草が妙にエロいのは置いておいて、俺は首を傾げながらイナリに聞く。
「気になるなら俺のパーカー使う?」
「い、いえ、ご主人様を誘惑するチャンスですし………!うぅ、でも………恥ずかしいですぅ!こんなの下着と一緒じゃないですかぁ………!」
「何を言う。皆の肌を合法的に眺められる魔法のアイテムだぞ?」
「むしろご主人様はいつも裸を見てるじゃないですか…………」
「ばっか、水着には水着にしかないエロスがあるのよ」
もちろんベットやらお風呂で見る皆の裸体も素晴らしいことこの上ないのだが。
この照った太陽の元、海辺ではしゃぐ可愛らしい水着姿の美少女達。
そこからしか得られない栄養があるのだよ!
……………とか口に出したら普通にドン引きされそうなので、頭の中で叫ぶのに留めておいた。
結果、無言でじっと見つめてくる俺に耐えられなくなったイナリが頬を染める。
「だいたいさぁ………。初対面でいきなり太もも&パンツ見せてきたのに、これで恥ずかしがるって…………」
「あ、あれは忘れてくださいよぉ!」
ボッ!と茹で上がったタコのように顔を真っ赤にし、イナリがブンブン大振りに手を振る。
かつてイナリが初めて我が家を尋ねてきた時、自分が助けられた子キツネだと証明するために、イナリは服の裾をたくし上げてそのムッチリした太ももをさらけ出した。
ついでに上げすぎて純白のパンツもチラ見えした。
あれには中々びっくりしたよね………。
「うぅ………あの時は必死だったんですよぉ………」
32
あなたにおすすめの小説
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました
久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。
魔法が使えるようになった人類。
侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。
カクヨム公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる