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第13章
愛ってのは
しおりを挟む"愛ってのは求めているうちは手に入らない"。
少なくとも俺はそう思っている。
だって理想はいつだって高くなるものだ。
こんなものじゃない。
たぶんこうじゃない。
きっと本物はもっと凄いはずだ。
形がない故に言語化することが難しく、明確たる目標が存在しない。
だからいつまで経っても愛にたどり着けない─────────と、思っている。
だがそんなの当たり前。
"愛"なんてその人の解釈でどうとでもなる。
千差万別、十人十色の"愛"があるのだ。
一概にこうとは言えない。
大袈裟だが、もしかしたら今この瞬間に抱いている感情すら愛の可能性を秘めている。
「土蜘蛛も、形はどうであれ男達から沢山の愛を受けていたはずだよ。それに気が付かなかっただけで」
おそらく、ついて行った動機は下心満載だろう。
しかし土蜘蛛の美しさに魅了され、憧れを抱いた彼らは果敢にアピールを繰り返したはずだ。
それこそ文字通り愛を囁いた者も居るだろう。
……………まぁ、その返答は乾ききった悲しいものだったろうが。
結局聞いた限りでは、土蜘蛛は男達を従えたまま召使いのように使うに留まった。
シュカの話によると若干そっち系の気配がしないでもなかったのは、俺の気のせいだろうか。
「……………マシロは、愛を感じたことがあるのでしょう?」
「もちろん」
即答だ。
断言できる。
幸せなことに、俺はずっと愛を感じている。
もちろん同じように俺も皆を愛しているつもりだ。
"つもり"ってのは結局のところ、先程も言ったが愛なんてその人がどう感じるかどうかだからだ。
自分は必死に愛を伝えているつもりが、相手には全く響いていなかったなんてのは悲しいことにたまにある。
もし俺が言うほど感じられなかったのなら申し訳ない。
お詫びにもっと愛を伝えようじゃないか。
「愛なんて人それぞれ。別に難しく考える必要はないと思うぞ」
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