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93 別離
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トリスを数回絶頂へと導いて、少し休憩させている。
行為の最中のトリスの表情や髪のゆらめきも美しいが、まだ他の女性たちのように何度も連続で限界までイケるほど肉体が成熟していない。女性の開発というのは気遣いが大変過ぎてあまりスキではないのだが、トリスが相手だとそれほど苦にもならないな。
「アラヒト様のお帰りはいつになるのでしょうか?」
会話がまだ成立する。言葉も話せないケダモノのような声を聞いてしまったら、俺が興奮してトリスを壊してしまうかもしれない。
「ちょっと分からないな。サーシャの話では長くなるかもしれないから、出かける前に君を抱いている」
トリスのさらなる開発を含めやりたい事が無いわけではないが、国内情勢の安定に俺が必要とされているのならばラドヴィッツの領土まで行かなくてはいけないだろう。
俺の胸にトリスは顔をうずめて来た。アルピノ特有の白く透明な髪の毛が俺の身体をこする。
「寂しくなります。私はアラヒト様に女性にされたばかりだというのに・・・」
天然でこういう甘え方ができるタイプなんだな。
「よく顔を見せてくれ」
トリスの灰色の瞳は涙で潤んでこぼれ落ちそうになっていた。頭を包み込むように抱いて顔を近づけキスをすると、トリスも上手にキスを返してくる。床の技術全般に対して筋がいいな。そのままゆっくりとトリスの身体を支えながら押し倒す。もう一度、前戯からだ。
トリスの口角を下唇ですくい上げるように刺激し、アゴから首のラインへと舌を進めてゆく。トリスに掴まれたシーツがしわを作っているのが見えた。力が入った腕にはうっすらと筋が入っているのが視界に入る。
首筋から鎖骨へと舌を動かしてゆく。ゆっくりと感度を上げたい時は、神経節が集中している場所に拘らず、あえて他人が触れることの無い場所をゆっくりと攻めてゆく。鎖骨や腰骨、肋骨やくるぶしといった骨のかたちが分かる部分を攻めてゆくのが俺の好みだ。
トリスの悩ましい吐息が聞こえてくる。
体質なのだろうな。トリスは毛穴が少なく、体毛自体もそれほど濃くは無い。体毛に覆われていないことでアルピノ特有の透明な肌の艶はより引き立つ。触れるほどに男に精気が満ち溢れるような肌だ。
鎖骨から胸を軽く経由して、肋骨へ。指は筋繊維に対して直角に攻められるのがトリスの好みだ。
「もう一度私の中に入って来てください・・・」
「まだだ」
挿入して絶頂させることは容易い。だがこの肌をじっくりと楽しまないと、しばらくはお預けになる。
トリスの呼吸が不規則になり、より荒くなる。愛撫されながら吐息をかけられるうちに、早く中へ欲しくなるのだろう。
肋骨から脇腹を経由して、腰骨へしゃぶりつく。
「んっ・・・ふっ・・・そこっ!」
トリスの腰がくねりながら、愛撫から逃げてゆく。ここが感じやすいところなのだな。逃げる腰を追いかけて愛撫を続ける。
「ずっとそこを攻められ続けたら、おかしくなってしまいそうです・・・早く・・・私の中へ」
「まだだ」
「もう我慢できません・・・お逸物を迎えさせてくださいっ・・・んっ!」
トリスの灰色の目から涙が溢れ出てきている。これ以上の前戯は無理か。下半身まできちんと攻め続けるつもりだったけれど、女性の求めには応じてやらないとな。
ちんこをトリスの中へとゆっくり入れる。
「んっ!」
トリスは声を出さないな。前戯の時は息づかいが荒くなる上によく抱き付いて来るので、今は不規則に降りかかる生暖かい快楽の吐息が心地いい。トリスの手首を頭よりほんの少しだけあげて、俺の手でベッドに押さえつける。拘束されているかのような正常位がトリスの好みだ。
ゆーっくりと動いて、トリスのポイント周辺をカリで探る。
「求めたら与えていただけるのですね」
ん?ちんこの話か?
「ずっとお預けにして、君の肌をもっとたくさん楽しみたかったけれどね」
「お優しい・・・大切にしていただける殿方に貰われて嬉しいです」
色々と経験してくれば、たっぷりと焦らされるようなセックスもそのうちやりたくなってくるだろう。
「トリスはなんで腕を掴まれるような恰好がスキなの?」
「アラヒト様から与えられる絶頂から逃げられない感覚が好きなのです」
上から圧し掛かられ、腕は封じられ、そのまま何度も絶頂へと導かれる。仮に逃げようとしても逃げる手段は無い。トリスのこの恰好自体、俺が十分だと思うまで、好きなように何度もイカせ続けてくれとせがまれているようだ。そうこうしている間に再びトリスの肌が波打って来た。荒くなった呼吸で胸は上下に不規則に揺れ動き、硬直と弛緩を繰り返す全身の筋肉がトリスの絶頂を予感させる。
「イク・・・イキます・・・」
この体位は絶頂へと向かう女性の表情が映える。快楽で上げ続けられなくなったまぶたが閉じられてゆくと、瞳に溜まっていた涙が自然と一筋こぼれ落ちてゆく。どれほど汗まみれになっていても、絶頂とともにこぼれ落ちるその涙だけは一段と光り輝いて見える。
準備期間はもう終わりでいいか。
「このまま続けて何度もトリスを絶頂へと導く。身体が攣ったり痛みが出たら、すぐに知らせてくれ」
聞こえているかな?
「トリス?」
「はい・・・オカしくなったら伝えればよろしいのですね?」
まだ言葉が通じる状態のようだ。
「しばらく会えないかもしれないからね。トリスの中に出していくから」
「・・・嬉しいです・・・やっと・・・頂けるのですね」
・・・あれ?
そういえばトリスの中ではまだ射精したことが無いか。奥イキ自体が目的になると、射精みたいなどうでもいい事を忘れてしまう。きちんと女性の身体で男が果てるという行為が、女性にとっては大事なことなんだよな。
ちょっとした別れになるんだ。しっかりとトリスの中に出してから出かけるとするか。
行為の最中のトリスの表情や髪のゆらめきも美しいが、まだ他の女性たちのように何度も連続で限界までイケるほど肉体が成熟していない。女性の開発というのは気遣いが大変過ぎてあまりスキではないのだが、トリスが相手だとそれほど苦にもならないな。
「アラヒト様のお帰りはいつになるのでしょうか?」
会話がまだ成立する。言葉も話せないケダモノのような声を聞いてしまったら、俺が興奮してトリスを壊してしまうかもしれない。
「ちょっと分からないな。サーシャの話では長くなるかもしれないから、出かける前に君を抱いている」
トリスのさらなる開発を含めやりたい事が無いわけではないが、国内情勢の安定に俺が必要とされているのならばラドヴィッツの領土まで行かなくてはいけないだろう。
俺の胸にトリスは顔をうずめて来た。アルピノ特有の白く透明な髪の毛が俺の身体をこする。
「寂しくなります。私はアラヒト様に女性にされたばかりだというのに・・・」
天然でこういう甘え方ができるタイプなんだな。
「よく顔を見せてくれ」
トリスの灰色の瞳は涙で潤んでこぼれ落ちそうになっていた。頭を包み込むように抱いて顔を近づけキスをすると、トリスも上手にキスを返してくる。床の技術全般に対して筋がいいな。そのままゆっくりとトリスの身体を支えながら押し倒す。もう一度、前戯からだ。
トリスの口角を下唇ですくい上げるように刺激し、アゴから首のラインへと舌を進めてゆく。トリスに掴まれたシーツがしわを作っているのが見えた。力が入った腕にはうっすらと筋が入っているのが視界に入る。
首筋から鎖骨へと舌を動かしてゆく。ゆっくりと感度を上げたい時は、神経節が集中している場所に拘らず、あえて他人が触れることの無い場所をゆっくりと攻めてゆく。鎖骨や腰骨、肋骨やくるぶしといった骨のかたちが分かる部分を攻めてゆくのが俺の好みだ。
トリスの悩ましい吐息が聞こえてくる。
体質なのだろうな。トリスは毛穴が少なく、体毛自体もそれほど濃くは無い。体毛に覆われていないことでアルピノ特有の透明な肌の艶はより引き立つ。触れるほどに男に精気が満ち溢れるような肌だ。
鎖骨から胸を軽く経由して、肋骨へ。指は筋繊維に対して直角に攻められるのがトリスの好みだ。
「もう一度私の中に入って来てください・・・」
「まだだ」
挿入して絶頂させることは容易い。だがこの肌をじっくりと楽しまないと、しばらくはお預けになる。
トリスの呼吸が不規則になり、より荒くなる。愛撫されながら吐息をかけられるうちに、早く中へ欲しくなるのだろう。
肋骨から脇腹を経由して、腰骨へしゃぶりつく。
「んっ・・・ふっ・・・そこっ!」
トリスの腰がくねりながら、愛撫から逃げてゆく。ここが感じやすいところなのだな。逃げる腰を追いかけて愛撫を続ける。
「ずっとそこを攻められ続けたら、おかしくなってしまいそうです・・・早く・・・私の中へ」
「まだだ」
「もう我慢できません・・・お逸物を迎えさせてくださいっ・・・んっ!」
トリスの灰色の目から涙が溢れ出てきている。これ以上の前戯は無理か。下半身まできちんと攻め続けるつもりだったけれど、女性の求めには応じてやらないとな。
ちんこをトリスの中へとゆっくり入れる。
「んっ!」
トリスは声を出さないな。前戯の時は息づかいが荒くなる上によく抱き付いて来るので、今は不規則に降りかかる生暖かい快楽の吐息が心地いい。トリスの手首を頭よりほんの少しだけあげて、俺の手でベッドに押さえつける。拘束されているかのような正常位がトリスの好みだ。
ゆーっくりと動いて、トリスのポイント周辺をカリで探る。
「求めたら与えていただけるのですね」
ん?ちんこの話か?
「ずっとお預けにして、君の肌をもっとたくさん楽しみたかったけれどね」
「お優しい・・・大切にしていただける殿方に貰われて嬉しいです」
色々と経験してくれば、たっぷりと焦らされるようなセックスもそのうちやりたくなってくるだろう。
「トリスはなんで腕を掴まれるような恰好がスキなの?」
「アラヒト様から与えられる絶頂から逃げられない感覚が好きなのです」
上から圧し掛かられ、腕は封じられ、そのまま何度も絶頂へと導かれる。仮に逃げようとしても逃げる手段は無い。トリスのこの恰好自体、俺が十分だと思うまで、好きなように何度もイカせ続けてくれとせがまれているようだ。そうこうしている間に再びトリスの肌が波打って来た。荒くなった呼吸で胸は上下に不規則に揺れ動き、硬直と弛緩を繰り返す全身の筋肉がトリスの絶頂を予感させる。
「イク・・・イキます・・・」
この体位は絶頂へと向かう女性の表情が映える。快楽で上げ続けられなくなったまぶたが閉じられてゆくと、瞳に溜まっていた涙が自然と一筋こぼれ落ちてゆく。どれほど汗まみれになっていても、絶頂とともにこぼれ落ちるその涙だけは一段と光り輝いて見える。
準備期間はもう終わりでいいか。
「このまま続けて何度もトリスを絶頂へと導く。身体が攣ったり痛みが出たら、すぐに知らせてくれ」
聞こえているかな?
「トリス?」
「はい・・・オカしくなったら伝えればよろしいのですね?」
まだ言葉が通じる状態のようだ。
「しばらく会えないかもしれないからね。トリスの中に出していくから」
「・・・嬉しいです・・・やっと・・・頂けるのですね」
・・・あれ?
そういえばトリスの中ではまだ射精したことが無いか。奥イキ自体が目的になると、射精みたいなどうでもいい事を忘れてしまう。きちんと女性の身体で男が果てるという行為が、女性にとっては大事なことなんだよな。
ちょっとした別れになるんだ。しっかりとトリスの中に出してから出かけるとするか。
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