ブラック企業「勇者パーティ」をクビになったら、魔王四天王が嫁になりました。~転職先はホワイト企業な魔王軍〜

歩く、歩く。

文字の大きさ
89 / 181

88話 フェイスの本気

しおりを挟む
 何が起こったのか分からなかった。気づいたら体に深い傷が付いていて、意識が薄れていくところだった。
 フェイスが変異した瞬間までは覚えている。一体あいつは、何をしたんだ?

『しっかりしてディック!』

 ラピスの呼びかけにハッとし、僕は踏みとどまった。
 体を世界樹の枝に支えられている。傷口には葉が被さり、治療してくれていた。

『危なかったぁ~……一歩遅かったら本当に死んでいたよ』
「ありがとう、助かりました」

 けどそれは、僕の敗北を意味していた。

『ちっ、やっぱ仕留めきれねぇか。どこまでも悪運の強い奴だ』

 フェイスはエンディミオンを担ぎ、ディアボロスを突きつける。また攻撃が来る、用意をしなければ。
 だけど、フェイスが動く瞬間を捉えきれない。

「っと、「シャッフル」!」

 咄嗟にワイルが僕と枝葉の位置を入れ替え助けてくれる。フェイスのディアボロスが横なぎに振られると、僕の居た空間に歪が生じた。
 直後に強震が起こる。大気が空間ごと切断され、その衝撃が伝播したんだ。

「なんて力だ……いや、それよりも」
『主よ、危機的状況だ。我が力が貫通された』

 これまで僕を守っていたハヌマーンの力を強引に突破された。あいつがあの姿になってから、魔導具の力が跳ね上がっている。
 ケイの言っていた事が現実になっている。あいつ、一体どこまで強さを隠しているんだよ。

『おいおい、お前まだそいつを覚醒させてねぇのか? つまらねぇな、この姿になった途端退屈な奴になりやがって』
「……どうかな」

 相手が奥の手を使った以上、僕も出し惜しみをしている場合じゃない。
 煌力、僕に力を貸してくれ!

「煌力モード……!」

 煌力をとりこみ、全身に曲線模様を刻み付ける。体の奥底にまで響く力の奔流が勇気をくれた。
 スパークが漂い始めると、フェイスは少しだけ驚いていた。

『ウィンディア人って奴が使ったあれか。てめぇも使えたのか』
「お前を倒すために身に着けた。ただそれだけだ」
『あっそ。んじゃ、俺も使ってやるかな』
「!?」

 フェイスが言った瞬間、奴の体にも曲線が浮かび上がる。僕よりも遥かに速い速度で取り込み、煌力モードを発動させていた。

『こんな感じだろ。忘れたか、エンディミオンのコピー能力を。お前が目の前で発動したおかげで俺も使えるようになったよ』
「まさか、ハヌマーンの力を無視して……」

 覚醒したエンディミオンは、アンチ魔導具の力すら貫くのか。

「ディックが時間をかけて習得したってのに、あの勇者……!」
『単純な話だろ、こいつより俺の方が上って事だ。さて、と』

 フェイスが身構える。煌力をとりこんだ今、明らかにあいつの方が強いだろう。
 ……それでも、僕は僕を信じるしかない。
 母さんから教わったんだ。剣は、己の魂で振るう物だと。僕とあいつの間に開いた、この巨大な差は……僕自身の心で埋めるしかない。
 シラヌイ、願わくば……君だけは、生き延びてくれ。

「うおおおおっ!」

 フェイスに切り込んでいくと、奴が右に避けようとする未来が見えた。けど駄目だ、見えてから反応するんじゃない、見える前に反応しろ。
 奴より早く動き、刀を振り下ろす。エンディミオンと刀がぶつかり合った瞬間、ハヌマーンの力でフェイスが大きく吹っ飛ばされた。

 防御は無理でも攻撃は通じる……まだ、戦える!
 行きつく間もなく攻め立てて、フェイスが行動に入るのを許さない。上から叩き続けると、一瞬体勢が崩れた。

「せやぁっ!」

 袈裟斬りで裂傷を与え、フェイスがうめき声を上げる。すぐに追撃するけど、双剣で受け止められ、弾き飛ばされた。
 一太刀浴びせたはいいけど、すぐに傷が癒えてしまう。ダメージはほぼ無いな。

 フェイスが攻勢に入る。膂力は相手が上、受け止められない。なら避けろ!

 ギリギリで猛攻を回避し、煌力を全力で乗せて攻撃する。息する暇もないほどの、スリリングな戦いが展開された。
 集中しろ、気を抜けば一瞬で殺される。僕は絶対に、絶対に死ねない。シラヌイと約束したんだ、絶対、君と添い遂げるって。
 やっと、添い遂げるスタートラインに立ったばかりなのに……君を悲しませるわけにはいかない。
 振り絞れ、心を削り、尖らせろ。この化け物を退ける一手を、探し続けるんだ!

  ◇◇◇
<シラヌイ視点>

「……レベルが、違いすぎる……」

 ディックとフェイスの戦いを見ている事しかできなかった。
 もはや、剣を振っている事しか分からない。二人が剣を打ち合う度に激震が起き、空が割れる。これは戦闘ではない、戦争だ。
 フェイスの方がずっと強いのに、ディックは頑張っている。埋めようのない差を心の力で縮めて、互角以上に戦っていた。
 けど、そんなの長く持つはずがないよ。
 ディックの煌力モードは三分しか持たない、煌力が切れたら、ディックに打つ手はない。

「うああっ!?」

 上空から悲鳴が上がって、ラズリが落ちてきた。彼女はボロボロになっていて、体から煙が上がっている。ディアボロスの炎にやられたんだ。

『ばっはっは! どうした、ここまでか? 世界樹の巫女よ。もっと来い、貴様との殺し合いは血肉が沸騰するからな!』
「ぐ……う……! 姉様、すみません……! 世界樹の力を受けても、奴は……強すぎる!」

 ラズリがディアボロスに押されている。眼下のドラゴン達もエルフを圧し続けて、戦線が突破されかけていた。

「おいおいマジかよ……予想が外れちまったぜ、まさかこれほどまでの差があったとはな……!」

 ワイルですら動揺を隠せていない。状況は、絶望的だ。このままじゃ、皆ドラゴンに殺される……!

「ダメ……そんなの、ダメ……!」

 こんな所で諦めてたまるもんか。私は、あいつとずっと一緒に居るって約束したんだ。
 躊躇ってなんかいられない……! あの力を使うしか、打開策はないわ。

「ミストルティン、ケーリュネイオン……私に力を貸しなさい」

 この身がどうなろうと関係ない。神と鬼の力を解禁するしか、方法はないもの。
 お願い、どうかディックだけは、あいつだけは、助けて!

『そのまま力を使えば、滅びるのは貴様だぞ?』

 頭の中に声が聞こえた。

『ふふ、どうやら、ここが一番の大見せ場みたいだな。約束を果たす時が来たようだ、淫魔シラヌイよ』
「……誰?」
『おっと、記憶を消したままだったか。待っていろ、今すぐ思い出させてやる』

 脳裏に沢山の記憶がよみがえる。そうか、思い出した。私はこの力を使う手段を、もう持っていたんだ。

『今こそ歴史が変わる時。貴様の一手がいかなる未来を示すのか、自身の力で証明せよ』
「ええ、望むところよ!」

 杖を掲げ、ディックとフェイスに向ける。大丈夫、あいつには当たらない。私が大好きな人に、炎を当てたりなんかするもんか!

「幻魔シルフィに命ずる! 魔王四天王シラヌイの名の下に、使い魔として契りを交わせ!」
『よかろう!』

 瞬間、私の頭上にシルフィが現れた。
 突如として現れた幻魔に、全員の動きが止まる。その一瞬に私はフェイスに向けて、神と鬼の力を解放した。
 シルフィを介して魔石が力を発動する。幻魔は力の奔流を受け流し、魔石の力を限界まで引き出す。

「ファイアボール……!」

 呟いた途端、フェイスの体がはじけ飛んだ。数秒遅れて、爆発的な熱波が吹きすさび、世界樹の葉をチリチリと燃やしてしまう。
 火球が見えない程の速度で飛んだ。そう理解するのに時間がかかった。余波でディアボロスをも弾き飛ばしている。

『止まるな、追撃しろ!』
「分かってる!」

 フェイスは再生してしまうけど、それなら再生が間に合わない速度で攻撃すればいい!

「縺九?陦?縺ッ繝槭げ繝槭?∫n縺輔∴辟シ縺榊ース縺上☆辟斐?∫┌髯舌↓霑ス縺?カ壹¢繧狗?エ貊?シ! 隱ー繧ュサ縺九i騾?l繧倶コ九?蜃コ譚・縺ェ縺??∫オカ譛帙○繧茨シ!
 鬲皮・櫁オ、鬮ェ縲∝・エ繧堤ク帙l!」

 フェイスの足元からマグマの糸がまとわりつく。これは呪いよ、一度受ければ、相手が消えるまでマグマの糸が焼き続ける古代魔法!

『ぐっ! なんだこの魔力、振り切れねぇ!? くそっ!』

 フェイスは首を引きちぎって放り捨てた。その首から体が再生し、残った体はマグマに溶かされる。
 でも再生した瞬間にまたマグマの糸が出現する。言ったでしょ、あんたが消えるまでそいつはどこまでも追いかけてくるわよ。

『その力、ミストルティンとケーリュネイオンか。ばっはっは! まさか魔石の力を使いこなしているのか、サキュバスめ!』

 ディアボロスが私にブレスを放ってくる。ラズリをも跳ね除ける炎だけど、私だって炎の使い手。龍王の力に負けてなるものか!

「打ち砕け、ブラストキャノン!」

 高圧縮した火球をぶち込み、ディアボロスの炎を打ち砕く。顔面に直撃し、ディアボロスが墜落した。

「シラヌイ、君は、まさか……」
「魔石の力を使っただけよ、後で説明してあげる。今は勇者と龍王を倒さないと」

 フェイスのマグマの糸は解呪されたみたい。同時に、ディックの煌力も解除された。

「ぐぐ……あの四天王、勇者様と龍王を一人で退けた?」
「で、でもまだ! ドラゴン達の軍勢がいる! この戦闘で勝てればエルフの国を制圧できるわ!」
「そいつはどうかなぁ?」

 勇者パーティの女どもが喚いた時、ワイルが眼下を見下ろしながら笑った。
 ドラゴンと人間達が、急に発狂し始めたのだ。狂ったように同士討ちをして、次々に墜落していく。
 この光景、よく見た事がある。感情を操られているんだ。

「すまんなシラヌイ、ディック。援軍が遅れた」
「来てくれたのね、頼もしい助っ人だわ」

 こんな事が出来る助っ人はただ一人しかいない。魔王四天王のリーダー、リージョンよ!
 ペガサスに乗ってリージョンがやってくる。あいつの感情を操る能力で、ドラゴンと人間達を恐慌状態にしたんだわ。
 同時に、魔王軍の兵士達がエルフ達を援護する。ドラゴン達は瞬く間に後退して、戦線が退いた。

「ミハエル女王が魔王様に緊急連絡をしてくれてな、急遽俺が派遣される事になったのさ」
「助かったよ、リージョン……!」

 痛む体に鞭打って、ディックが立ち上がる。フェイスは舌打ちすると、背を向けた。

『興覚めだ、帰るぞ』
「え、でも!」
『ばっはっは! まぁ今は従え娘ども、我らドラゴン軍が削られるのも困るのでな、大局を見るのもまた戦略よ、ばっはっは!』

 フェイスがディアボロスに乗り、勇者パーティも急いで続いていく。どうやら、威力偵察が目的だったみたいね。

「ヘイヘイ! 散々っぱら荒らして「はいさようなら」、ってのは都合が良すぎやしないか、勇者フェイス。賠償金は払っていきな!」

 ワイルはにやりとすると、女剣士が持つ剣に「スナッチ」を使った。
 オベリスクを奪い、誇らしげに掲げる。盗まれた女剣士は狼狽えた。

「そんな、龍王様に貰った剣が!?」
『おい何してんだこら!』

 フェイスが動くけど、その前にファイアボールで黙らせる。私の威嚇に舌打ちして、フェイスは引き下がった。

『ばっはっは! その程度くれてやれ。相手が強ければ強いほど戦は燃える物だからな! 全軍撤退! 下がれ下がれぇ! ばっはっはっはっは!』

 ディアボロスは上機嫌に去っていく。ドラゴン軍も撤退して、エルフの国はどうにか危機を超えたみたい。

「ふーぅ、綱渡りだったがどうにか凌げたな。いやぁ、危なかったぜ……ってか、重っ、この剣……!」

 ワイルはオベリスクを落っことした。その間の抜けた姿に緊張感がほぐれる。

「ぎりぎりだった……本当に、助かったよシラヌイ……」
「ええ、本当にそうよ」

 ディックを守れた、それだけで今は十分だわ。なんだか、凄く疲れちゃった……。
 二人で座り込み、ため息を吐く。今は少しだけ、休ませて頂戴。
しおりを挟む
感想 177

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。 「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。 ----- 感想送っていただいている皆様へ たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。 成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生調理令嬢は諦めることを知らない!

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...