水音

ウルフメン

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104号室

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2020年7月12日これは、誰よりも自分自身想像もしなかった経験でした。

皆さんは水の音ってわかりますか?

お風呂を流したり、トイレを流したり、
顔を洗ったり、雨が降ったり。

そうです。今みなさんが想像したその音
その音は人それぞれいろんな音に聞こえる筈です。田舎のおばあちゃんの家の壁の模様が、人の顔に見えるような、そんな、状態。

これからここに記す事は信じなくても、
信じても、あとで、馬鹿にして、SNSで拡散しても、かまいません、それでは、
みなさんにお話しします。


あれは、私がはじめて、田舎の北海道からでて、埼玉のとある大学に入る為に借りたアパートで起きたお話し。

その、アパートは立地もよく、近くにスーパー、コンビニ、病院、役所、駅と、とても住みやすい場所なので、即決で決めた場所です。

ついに、始まる新生活、私は浮き足だち、喜びを隠せなかったのです。
理由は一つ私の実家はルールが厳しくまともに自分の意思で、遊んだ事もありません、箱入り娘というわけでもなく、何故か昔から妙に厳しく、まるで、何かに怯えるかのように、厳しくされました。そんな生活をしていたので埼玉に行くといった時は反対されると思いましたが、
思いの外二つ返事でいいよ、でした。
仕送りも荷物も家具も全て準備してくれました。そして、父からは必ず何があっても開けるなと言われた、四角い箱を渡されました。その時に父は小さくつぶやいたのを覚えています、父はこう呟きました。

「これを持って、開けないのが埼玉に行く父さんからの唯一の条件だ、お前がここを出る以上コレはここに置いておけない、中身やこの箱が気になると思うが、開けるな、開けるな、開けるな」

父は途中から、何かに怯えるように

あけるな

と呟き続けていました。さっき二つ返事といいましたが、ここだけは私的には引っかかりました。それまで、そんな箱見たことを聞いたことも無く急にそんな事を言われたので、一応了承し、荷物に組み込みました。

私は荷物の荷解きをアパートでしている時にその箱をみて、思ったのです、
何故開けてはいけないのか、この箱は一体なんなのか、確かにアレだけ言われると気になるプラスほんとに開けてはいけないという二つの感情。

私はふとその箱に持ち上げ、開けなければ良いと、揺らしたり、上下左右に振ってみました、何も無いので最後に耳を押し付けてみました。

ぴちゃっ。ぴー、ひた

箱の中から水音がしました。

最初はどこからか水漏れかと思いましたがこの小さい2DKの部屋まだっていもしてない場所からは、そんな音する筈がありません。

私は思いました、この箱だと、この箱から自然の水音が聞こえていたのだ。

確かに開けたくなったし、捨てたくもなりましたが、コレは開けても捨ててもいけない。私は本能的にそんな気がしました。

荷解きが終わり私はシャワーを浴びに浴室に行きました、シャワーを出した時の水の音さっき聞いた音が頭に残り、水音をよく聞いてしまいました。

つづく

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