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第105話 次なる天下
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千野達の引退から1週間。
チームは新体制となり、2年生を中心としたチームが結成されたがここで問題があった。
2年生は5人しかいなかった。
つまり主力は大熊やけんせーなど1年生となる。
野球は9人が試合に出るのだが2年生5人とすると4人は1年生が出なくてはならなかった。
だが更に驚く事に2年生は皆が下手だった。
ピッチャーの菊田だけがそれなりだったが、全盛期の祐輝に比べれば大した事はなかった。
主力は1年生となりエースの菊田だけが孤独にマウンドに立つ。
祐輝はその時悔しさで気が狂いそうだった。
肩さえ怪我していなければ2年生を全員ベンチへ下げる事ができたのにと。
祐輝は2年生が嫌いだった。
不良としても半端で選手としても半端な先輩に払う敬意などなかった。
先輩とは千野の様な漢の事を言うのであってこんな半端者はただ年が上だけの他人としか思っていなかった。
主将の座にも菊田が就いた。
エースでキャプテンとなった菊田と1年生達による新体制が始まった。
だが祐輝としては特に関係のない事だった。
まるで熱が冷めた恋人の様に無気力となった。
中学生の段階で祐輝の野球人生は終わったはずだったが、千野というカリスマのおかげで少しだけ熱が冷めるまでに時間がかかっただけ。
千野が引退した今では野球部の練習を真面目にやる理由はなかった。
「はあ。 めんどくせえ。」
練習には基本的に補佐として参加して球拾いや道具運びをしていた。
トレーニングだけは仲間と共に参加したが鍛える事に意味を感じていなかった。
何よりも気に入らなかったのは2年生だった。
肩が痛くて投げられない祐輝の目の前で練習をサボる2年生に殺意すら感じていた。
「どこも怪我してねえのに。」
彼らは真面目に練習をしなかったが、部活だけは続けた。
理由は簡単だった。
練馬商業の生徒はほとんどが高校卒業と共に社会人となる。
就職面接で3年間真面目に野球部にいたというだけで面接時に有利だった。
2年生はそれだけの理由で野球部にいた。
怪我をしている祐輝に得意げに助言をしてきた2年生から聞いた事だった。
「お前も適当に続ければいいんだよ」と。
2年生の考え方も間違ってはいなかった。
だが祐輝が野球部にいる理由は野球が大好きだったからだ。
別れた恋人に連絡をしては何かを期待してしまう様な未練タラタラの男の様に祐輝も野球に対して投げられないのにチームにいたいという気持ちが働いていた。
だからこそ怪我もしていないのに真面目に練習をやらない2年生が許せなかった。
見た目ばかり調子に乗って眉毛を細く沿ったり、千野の真似事の様に金色のネックレスをしたりとしているが後輩である祐輝に睨まれれば逃げていく。
「マジでこいつら。」
暗雲が漂う新体制の始まりだった。
チームは新体制となり、2年生を中心としたチームが結成されたがここで問題があった。
2年生は5人しかいなかった。
つまり主力は大熊やけんせーなど1年生となる。
野球は9人が試合に出るのだが2年生5人とすると4人は1年生が出なくてはならなかった。
だが更に驚く事に2年生は皆が下手だった。
ピッチャーの菊田だけがそれなりだったが、全盛期の祐輝に比べれば大した事はなかった。
主力は1年生となりエースの菊田だけが孤独にマウンドに立つ。
祐輝はその時悔しさで気が狂いそうだった。
肩さえ怪我していなければ2年生を全員ベンチへ下げる事ができたのにと。
祐輝は2年生が嫌いだった。
不良としても半端で選手としても半端な先輩に払う敬意などなかった。
先輩とは千野の様な漢の事を言うのであってこんな半端者はただ年が上だけの他人としか思っていなかった。
主将の座にも菊田が就いた。
エースでキャプテンとなった菊田と1年生達による新体制が始まった。
だが祐輝としては特に関係のない事だった。
まるで熱が冷めた恋人の様に無気力となった。
中学生の段階で祐輝の野球人生は終わったはずだったが、千野というカリスマのおかげで少しだけ熱が冷めるまでに時間がかかっただけ。
千野が引退した今では野球部の練習を真面目にやる理由はなかった。
「はあ。 めんどくせえ。」
練習には基本的に補佐として参加して球拾いや道具運びをしていた。
トレーニングだけは仲間と共に参加したが鍛える事に意味を感じていなかった。
何よりも気に入らなかったのは2年生だった。
肩が痛くて投げられない祐輝の目の前で練習をサボる2年生に殺意すら感じていた。
「どこも怪我してねえのに。」
彼らは真面目に練習をしなかったが、部活だけは続けた。
理由は簡単だった。
練馬商業の生徒はほとんどが高校卒業と共に社会人となる。
就職面接で3年間真面目に野球部にいたというだけで面接時に有利だった。
2年生はそれだけの理由で野球部にいた。
怪我をしている祐輝に得意げに助言をしてきた2年生から聞いた事だった。
「お前も適当に続ければいいんだよ」と。
2年生の考え方も間違ってはいなかった。
だが祐輝が野球部にいる理由は野球が大好きだったからだ。
別れた恋人に連絡をしては何かを期待してしまう様な未練タラタラの男の様に祐輝も野球に対して投げられないのにチームにいたいという気持ちが働いていた。
だからこそ怪我もしていないのに真面目に練習をやらない2年生が許せなかった。
見た目ばかり調子に乗って眉毛を細く沿ったり、千野の真似事の様に金色のネックレスをしたりとしているが後輩である祐輝に睨まれれば逃げていく。
「マジでこいつら。」
暗雲が漂う新体制の始まりだった。
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