青春聖戦 24年の思い出

くらまゆうき

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第119話 一緒に回る?

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文化祭当日。


クラスの出し物のたこ焼きは大繁盛していた。


時間制でクラスに戻って仕事を行っていたが、それ以外の時間は自由に歩き回れていた。


祐輝はたこ焼きを席に運んでいると野球部の増田監督がフラっと入ってきた。




「おう祐輝!! 頑張ってるな!!」
「お疲れ様です。」
「たこ焼き頼むよ。」
「はい。」




増田監督は8個入りのたこ焼き3つも頼んでは嬉しそうに食べていた。


「食べすぎですよ」と祐輝が笑うと増田監督は「ビールもほしいなあ」と笑っていた。


16個のたこ焼きをあっという間に食べ終えると満足げに教室を出ていった。


そして祐輝の仕事の時間が終わると校舎内を歩き回ろうとしていた。


相棒のけんせーとは時間が合わずに仕事が入れ違いとなっていた。



「マジかあ。 けんせーいないなら大熊やヒロミでも探すかあ。」



校舎内をウロウロと歩いていると女子トイレから偶然アヤノが出てきた。


「おお」っと驚いた顔をするとアヤノが微笑んでいた。


祐輝は一緒に回るべきなのかと考え込んでいた。


思春期の少年ともなると言葉に詰まるものだ。




「1人?」
「あ、そうなんだよ。」
「一緒に回る?」




祐輝は恥ずかしさと嬉しさで返答に困っていた。


するとアヤノは「嫌だった?」と首をかしげていた。


賑やかな校舎内を見渡すとカップルで手を繋ぎながら歩いている生徒が多く見られた。


祐輝はその光景を見ても恥ずかしかった。




「ごめんね。 いきなり誘って。」
「い、いや行こうぜ!!」
「無理しなくていいよ?」




2人でラーメンだって食べた。


今更恥ずかしがる事があるのか。


しかしここは町中ではなく学校の中だ。


野球部の仲間や友人だって大勢いる。


増田監督にだって見られてしまう。


それを考えると恥ずかしくなっていた。


しかしせっかくアヤノが誘ってくれたのだ。



「ありがとう。 誘ってくれて。」



校舎内を歩く2人はクラスの出し物を満喫すると歩き疲れたのか、屋上へ繋がる階段に座り込んだ。


アヤノは焼きそばを食べながら満足げにしていた。


祐輝は外の景色を眺めていた。




「疲れた?」
「ちょっとねー。 でも焼きそば美味しいから満足。」
「この後はクラスで打ち上げあるんだってね。」



文化祭が終わるとクラスの皆で近くのファミレスで打ち上げをするのも楽しみだった。


しかし野球部の祐輝達は前回のイベントの体育祭では練習を行い、打ち上げには参加できなかった。


「どうせまた練習だ」と変わらず外を眺めているとアヤノが隣に来て外を一緒に眺め始めた。


顔の近さに驚くと階段に座り込んだ。



「祐輝君と一緒にいると楽しいよ。」
「そ、それってどういう?」
「そりゃ言葉のまんまだよ?」




祐輝は階段に座ったまま、恥ずかしそうに手に持っていたアメリカンドッグを食べた。


やがて文化祭が終わると片付けを始めた。


次は打ち上げだ。
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