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シーズン
第6ー2話 神々の戦い
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優越感とは人に言いづらいが、感じていて爽快な感情であろう。
他人より物事が良くできて、誰もが羨んでいる光景を眺める事も優越感だ。
恋愛においても同じ事があるだろう。
片思いを続けている者を承知の上で、異性を獲得する様はどれほどか。
嫉妬と屈辱に悶える者の姿は、この上ない快楽になるのだろう。
なんと醜い事なのかと、表情を歪めたくなるが優越感とはとてつもない中毒性を持っている事も否めない。
竹子が愛した神族を我が物にしている恋華は、優越感に浸っているのだろうか。
晩酌を始めている虎白の部屋へと、薄手の着物姿で現れた恋華は隣に座るとお猪口ちょこを手に取り酒を飲み始めた。
虎白は口を開く事なく無言で、酒を飲み続けている。
対して恋華は喉を鳴らしながら、ふうっと酒の味に満足した様子の息遣いをしていた。
夫婦の空気感はなんとも言えない奇妙な、状態だ。
すると恋華がお猪口ちょこを床に置くと、夫の肩に手を置いた。
「大陸大戦を覚えているの?」
「ああ、思い出した。 俺がどうして天上界へ来たのかもな」
アーム戦役において、恋華と皇国軍の参戦は虎白の眠っている記憶の断片を回復させた。
天上界へ虎白と莉久だけが迷い込んでいた理由を思い出したのだ。
そして恋華が話した、「大陸大戦たいりくたいせん」という言葉は何を意味しているのか。
竹子の気持ちを整理するための、会話を始めようと思っていた虎白は面食らった様子で酒を豪快に飲んだ。
「あれは神々による戦いよ」
「だが思い出せねえのは俺達はどこから来たんだろうな・・・」
久しぶりに再会した夫婦の会話は、常軌を逸しているではないか。
円満な会話や、体を密着させて愛を育むわけでもなく淡々と話している二柱の男神と女神は、神々による戦いが行われていたと話した。
それが「大陸大戦」なのだと言う。
では虎白の話したどこから来たとは何を言っているのだろうか。
腕を組んで険しい表情をしている虎白の前に置かれているお猪口に酒を注いだ恋華は、彼女自身の記憶から会話を続けた。
「船があったね。 それも神々や人間が乗れる大きな大きな船」
「そうだったかな・・・俺が思い出したのはシュメール神族だ」
今日まで人々の中で語られているシュメール神話とは、世界最古の神話として知られている。
虎白の話した「シュメール神族」とは。
変わらず険しい表情をしている虎白は、注がれた酒を再び豪快に飲むと恋華も可愛らしい細い喉を鳴らしている。
僅かに沈黙が保たれると、その昔に起きた大陸大戦という戦いを必死に思い出そうとしていた。
だが虎白はここである疑問が浮かんだ。
「待てよ・・・どうしてお前が戻ってきたらこんな話になったんだ? 莉久も天王もそんな話を俺に一度もしてねえぞ」
恋華は「神々の戦い」だと言った。
ではギリシア神族であるゼウスは、なぜ虎白にかの話をしなかったのか。
それ以上に疑問なのは莉久は同じ日本神族にして、虎白の一番の家臣だと言うのに言わなかったのだ。
不信感をあわらにする虎白は莉久を呼び出した。
待つ事数分すると、莉久が扉を開けて顔だけを覗かせている。
「ちょっと来い」
「失礼致します・・・察しております虎白様。 結論から申し上げます・・・僕も恋華様を拝見した途端に思い出しました・・・」
その言葉を聞いた虎白は、さらに不信感をあらわにした。
つまる所、莉久まで記憶が消えていたという事になるのだ。
当人はその事実に気がつかずに、虎白の帰りを天上界で待ち続けていた。
そうとなれば、尋ねる相手はもはや決まっている。
天守閣てんしゅかくへ出ると、天空へ向かって怒号を放った。
するとお決まりの雷鳴と共に、稲妻が天守閣へ落ちるとゼウスが現れた。
「俺が何を言いたいのか、わかりますか天王!!」
「す、すまん鞍馬!! わしはお前を放したくなかったのだ・・・」
「では全て知っていたんですね?」
天王は虎白が天上界へ戻った時には、何も知らないと話していた。
だが大陸大戦の事を知っていたゼウスは、それを虎白に話さずにいたのだ。
怒りをあらわにする虎白は拳を握り、今にも殴りかかりそうではないか。
両手を広げて上下に動かす天王は、待て待てと落ち着かせている。
「これが落ち着いていられるか!!!! 全て話せ!!!!」
「おお、怖いなあ・・・頼むから落ち着いてくれ。 わしはお前を息子の様に可愛がっていたのだ、お前は出来が悪かったであろう?」
白い髪の毛を逆立てている虎白は、鋭い牙を口から覗かせている。
だがゼウスはこの状況においても虎白を落ち着かせようとしているが、かつては出来が悪かったと話したではないか。
それは虎白がまるで無能な存在かの様にも聞こえる。
しかしその言葉に激昂する者は虎白を含めて、誰もいなかった。
黙り込んでうなずく虎白は自身が、かつては無能だったと認めた。
「出来の悪い子ほど可愛いものだ。 大陸大戦で未熟であったお前をわしが、責任もって一人前にしたつもりだぞ」
「た、確かに・・・俺は兄貴には到底及ばなかった・・・それどころか、恋華や莉久にも・・・」
虎白はどういうわけか、成長が遅い神族であった。
順調に武術や学問を会得していく、兄や許嫁いいなずけの恋華達に対して虎白は何を行っても酷いものだったのだ。
見かねたゼウスは親代わりとなって、虎白へ様々な事を教えた。
「わしらは地球という星へ降り立った。 だがそこにはシュメール神族なる先住神せんじゅうしんがおったな。 そしてわしらは奴らと戦ったのだ」
「途中で捕まえたシュメール神族が天上界と冥府の存在を俺達に話した」
それが今こうしている天上界で、襲いかかってくる冥府の存在があるというわけだ。
かつて地球に暮らしていたシュメール神族は、ゼウスや虎白達との戦いで敗北したと話している。
地球を巡って戦った神々の戦いが「大陸大戦」と呼ばれているのだ。
だがここで謎が深まるのは、ゼウスを含める神々はどこから降り立ったのかという問題だ。
虎白がそれを尋ねるとゼウスは白い髭をわしわしと触りながら答えた。
「それは火に包まれた星からだ」
「太陽か!?」
「違うわい。 人は火星と言っておるそうじゃ。 そこがわしら神々の生まれ故郷だ」
そう話したゼウスに対して、返す言葉すら見つからない虎白達はかつて起きた神々の戦いの実態を知った。
だが他にも気になる点は複数ある。
虎白と莉久だけが天上界にいた事や、到達点の存在。
冥府という邪悪なる世界を統治しているのが、ハデスという事も。
続け様に虎白が尋ねようとすると、ゼウスは恋華の体を舐め回す様に見ている。
「天王!!」
「おわあすまん!! あまりに可愛くてなあ・・・少しで構わん。 着物の下を見せてくれぬか?」
「変わりませんね天王。 気持ち悪いです」
虎白とゼウスは顔を見合わせて笑っている。
深まる謎はまだある。
だが今宵はここまでにして、晩酌の続きを始めるのだった。
「天王続きは明日聞きますからね!!」
「そうしようか。 今宵は恋華を眺めながら酒を飲むぞー!!!!」
「斬りますよ」
神々はこうしてかつての記憶の一部を思い出したのだった。
他人より物事が良くできて、誰もが羨んでいる光景を眺める事も優越感だ。
恋愛においても同じ事があるだろう。
片思いを続けている者を承知の上で、異性を獲得する様はどれほどか。
嫉妬と屈辱に悶える者の姿は、この上ない快楽になるのだろう。
なんと醜い事なのかと、表情を歪めたくなるが優越感とはとてつもない中毒性を持っている事も否めない。
竹子が愛した神族を我が物にしている恋華は、優越感に浸っているのだろうか。
晩酌を始めている虎白の部屋へと、薄手の着物姿で現れた恋華は隣に座るとお猪口ちょこを手に取り酒を飲み始めた。
虎白は口を開く事なく無言で、酒を飲み続けている。
対して恋華は喉を鳴らしながら、ふうっと酒の味に満足した様子の息遣いをしていた。
夫婦の空気感はなんとも言えない奇妙な、状態だ。
すると恋華がお猪口ちょこを床に置くと、夫の肩に手を置いた。
「大陸大戦を覚えているの?」
「ああ、思い出した。 俺がどうして天上界へ来たのかもな」
アーム戦役において、恋華と皇国軍の参戦は虎白の眠っている記憶の断片を回復させた。
天上界へ虎白と莉久だけが迷い込んでいた理由を思い出したのだ。
そして恋華が話した、「大陸大戦たいりくたいせん」という言葉は何を意味しているのか。
竹子の気持ちを整理するための、会話を始めようと思っていた虎白は面食らった様子で酒を豪快に飲んだ。
「あれは神々による戦いよ」
「だが思い出せねえのは俺達はどこから来たんだろうな・・・」
久しぶりに再会した夫婦の会話は、常軌を逸しているではないか。
円満な会話や、体を密着させて愛を育むわけでもなく淡々と話している二柱の男神と女神は、神々による戦いが行われていたと話した。
それが「大陸大戦」なのだと言う。
では虎白の話したどこから来たとは何を言っているのだろうか。
腕を組んで険しい表情をしている虎白の前に置かれているお猪口に酒を注いだ恋華は、彼女自身の記憶から会話を続けた。
「船があったね。 それも神々や人間が乗れる大きな大きな船」
「そうだったかな・・・俺が思い出したのはシュメール神族だ」
今日まで人々の中で語られているシュメール神話とは、世界最古の神話として知られている。
虎白の話した「シュメール神族」とは。
変わらず険しい表情をしている虎白は、注がれた酒を再び豪快に飲むと恋華も可愛らしい細い喉を鳴らしている。
僅かに沈黙が保たれると、その昔に起きた大陸大戦という戦いを必死に思い出そうとしていた。
だが虎白はここである疑問が浮かんだ。
「待てよ・・・どうしてお前が戻ってきたらこんな話になったんだ? 莉久も天王もそんな話を俺に一度もしてねえぞ」
恋華は「神々の戦い」だと言った。
ではギリシア神族であるゼウスは、なぜ虎白にかの話をしなかったのか。
それ以上に疑問なのは莉久は同じ日本神族にして、虎白の一番の家臣だと言うのに言わなかったのだ。
不信感をあわらにする虎白は莉久を呼び出した。
待つ事数分すると、莉久が扉を開けて顔だけを覗かせている。
「ちょっと来い」
「失礼致します・・・察しております虎白様。 結論から申し上げます・・・僕も恋華様を拝見した途端に思い出しました・・・」
その言葉を聞いた虎白は、さらに不信感をあらわにした。
つまる所、莉久まで記憶が消えていたという事になるのだ。
当人はその事実に気がつかずに、虎白の帰りを天上界で待ち続けていた。
そうとなれば、尋ねる相手はもはや決まっている。
天守閣てんしゅかくへ出ると、天空へ向かって怒号を放った。
するとお決まりの雷鳴と共に、稲妻が天守閣へ落ちるとゼウスが現れた。
「俺が何を言いたいのか、わかりますか天王!!」
「す、すまん鞍馬!! わしはお前を放したくなかったのだ・・・」
「では全て知っていたんですね?」
天王は虎白が天上界へ戻った時には、何も知らないと話していた。
だが大陸大戦の事を知っていたゼウスは、それを虎白に話さずにいたのだ。
怒りをあらわにする虎白は拳を握り、今にも殴りかかりそうではないか。
両手を広げて上下に動かす天王は、待て待てと落ち着かせている。
「これが落ち着いていられるか!!!! 全て話せ!!!!」
「おお、怖いなあ・・・頼むから落ち着いてくれ。 わしはお前を息子の様に可愛がっていたのだ、お前は出来が悪かったであろう?」
白い髪の毛を逆立てている虎白は、鋭い牙を口から覗かせている。
だがゼウスはこの状況においても虎白を落ち着かせようとしているが、かつては出来が悪かったと話したではないか。
それは虎白がまるで無能な存在かの様にも聞こえる。
しかしその言葉に激昂する者は虎白を含めて、誰もいなかった。
黙り込んでうなずく虎白は自身が、かつては無能だったと認めた。
「出来の悪い子ほど可愛いものだ。 大陸大戦で未熟であったお前をわしが、責任もって一人前にしたつもりだぞ」
「た、確かに・・・俺は兄貴には到底及ばなかった・・・それどころか、恋華や莉久にも・・・」
虎白はどういうわけか、成長が遅い神族であった。
順調に武術や学問を会得していく、兄や許嫁いいなずけの恋華達に対して虎白は何を行っても酷いものだったのだ。
見かねたゼウスは親代わりとなって、虎白へ様々な事を教えた。
「わしらは地球という星へ降り立った。 だがそこにはシュメール神族なる先住神せんじゅうしんがおったな。 そしてわしらは奴らと戦ったのだ」
「途中で捕まえたシュメール神族が天上界と冥府の存在を俺達に話した」
それが今こうしている天上界で、襲いかかってくる冥府の存在があるというわけだ。
かつて地球に暮らしていたシュメール神族は、ゼウスや虎白達との戦いで敗北したと話している。
地球を巡って戦った神々の戦いが「大陸大戦」と呼ばれているのだ。
だがここで謎が深まるのは、ゼウスを含める神々はどこから降り立ったのかという問題だ。
虎白がそれを尋ねるとゼウスは白い髭をわしわしと触りながら答えた。
「それは火に包まれた星からだ」
「太陽か!?」
「違うわい。 人は火星と言っておるそうじゃ。 そこがわしら神々の生まれ故郷だ」
そう話したゼウスに対して、返す言葉すら見つからない虎白達はかつて起きた神々の戦いの実態を知った。
だが他にも気になる点は複数ある。
虎白と莉久だけが天上界にいた事や、到達点の存在。
冥府という邪悪なる世界を統治しているのが、ハデスという事も。
続け様に虎白が尋ねようとすると、ゼウスは恋華の体を舐め回す様に見ている。
「天王!!」
「おわあすまん!! あまりに可愛くてなあ・・・少しで構わん。 着物の下を見せてくれぬか?」
「変わりませんね天王。 気持ち悪いです」
虎白とゼウスは顔を見合わせて笑っている。
深まる謎はまだある。
だが今宵はここまでにして、晩酌の続きを始めるのだった。
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