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シーズン
第7−9話 枯れかけの薔薇の国
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人間とは敵と見なした者を激しく嫌悪する生き物だ。
一度嫌悪してしまえば、表情の一つ、言動の一つが気に入らなくなる。
そうなれば、もはや相手が何を言っても無駄というもの。
だが時間が経ち、相手への嫌悪も静まってみると意外にも相手の良い所が見えてくる。
ここで勘違いしてはならない事が一つある。
傲慢なる者はお前変わったなと偉そうに接する事があるが、実際はそうではなく両者の怒りの炎が鎮火して冷静になっただけだ。
年月が経てば雰囲気や考え方も多少変わるだろうが、人間という生き物は本質はそう簡単に変わるものではない。
ただ冷静になって相手の良い所を発見して、評価できる様になっただけなのだ。
敵だからといって何もかも否定してはならないという事だ。
それを心優しきアニャは知っていた。
国家情勢的には白陸は敵国スタシアに協力する国だ。
そうなれば白陸とて敵国だと誰もが思う。
レミテリシア将軍を保護したアニャと騎士団は、彼女の宮殿へと南の将軍を連れ帰った。
宮殿から見渡せる色とりどりの花畑が壮大に広がる、素晴らしい宮殿の中へ入ったレミテリシアは案内されるがまま、椅子に腰掛けた。
「傷は痛むか?」
「大丈夫よ、それより南の英雄様の将軍が何をしに来たの?」
「こうなってしまったからには仕方ない・・・ローズベリーはルーシーに味方するか調べに来たんだ」
そんな事だろうと親友のハミルと顔を見合わせる赤髪の姫君は、傷口の腹部を触りながら小さく笑った。
レミテリシアは複雑な状況下にあるローズベリーをその目で見た事で、ある可能性を見出していた。
それは虎白と話していたルーシーへの反乱だ。
戦いを終わらせたいローズベリーの民は、戦争を続ける現在の状態を嫌っていた。
だがこの戦いの命運を握るのはローズベリーという小国が突如、ルーシーの大きな背中を突き刺す事で一気に好転すると南の将軍は静かに考えていた。
ハミルが運んできた水を飲んで、横たわるアニャは再び小さく微笑むと口を開いた。
「お父様に話してみようか?」
「だが私の存在が知られると不味いのでは?」
「特別に南の将軍に教えてあげるけど、お父様と兄上の意見は分かれているの」
ローズベリーの内情は杜撰ずさんなものだった。
現皇帝のアニャの父と後継者である兄は対立していた。
内容はまさにレミテリシアの付け入りたい内容である。
引き続きルーシーに協力するか、遠い血縁に当たるヒステリカ家のスタシアに協力するかだ。
そしてスタシアに協力したいと考えているのは、現皇帝の父の方であったのだ。
細い腕を組んだまま、何度かうなずいたレミテリシアはルーシー派の兄を抑えれば状況は変わると考えた。
「ではアニャを撃ったのは兄の手の者か?」
「そう考えるのが、妥当だけど・・・」
「兄からすれば、得する事はないな」
つまる所、兄はルーシー派を主張するからには民からの理解も必要というわけだ。
それを民からの信頼もあるアニャを公衆の面前で銃撃する事は、返って民からの怒りを買うだけだ。
では誰がどういった理由でアニャを銃撃したのだろうか。
しばらくの沈黙がアニャの一室で保たれる中で、外から騒がしい声が響き始めた。
「おいアニャいるか!!」
「あ、兄上だ・・・レミテリシア将軍を隠すんだ」
「お前白陸の将軍を匿っているだろ!?」
その言葉を聞いた一同は驚いたまま、顔を見合わせていた。
レミテリシア将軍が潜入していた事を知っているのは、アニャと彼女の騎士団だけのはずだ。
兄は女騎士らを強引にどかして、アニャの居室へと入るとレミテリシアの顔を見て自慢気に高笑いをしているではないか。
「やはりいたか!! 俺はこの国の事ならなんだってわかるのだ!! おい将軍よ、お前が飲んだ酒の名前までわかるぞ」
やむなくレミテリシアはアニャの兄と対面すると、沈黙を保った。
変わらず自慢げに笑っている兄は南の将軍の細いが、筋肉質である腕を力強く掴むと今にもどこかへ連れ去ろうとしている。
慌ててアニャの親友、ハミルが皇太子殿の前に出るとレミテリシアを放す様に頼んだ。
「おお、ハミルか。 安心しろ何も今からこの女を裸にして楽しむわけではないぞ」
「で、では殿下・・・彼女をどうなさるおつもりで?」
「父上に会わせてやる。 あの馬鹿親父はこんなネズミ共に味方しろと言っているんだ」
表向きはスタシアの王都近郊でルーシーと激しい激戦を展開している一方で、ローズベリーに潜入している白陸の動きを激しく嫌悪する皇太子は、この汚い手口を皇帝に報告しようとしていた。
汚い手口を使う白陸と同盟国であるスタシアもまた、信用ならない国だと主張している。
アニャの兄は茶髪を激しく乱して、宮殿を出ようとしていた。
するとレミテリシアは皇太子の手を振り払うと、鋭い視線を向けているではないか。
「銃撃の犯人は誰だ?」
「なんだって?」
「知っているんだろ? 実の妹を撃ってまでお前はルーシーに賭けるのか?」
「黙れこの女が!!」
激昂する皇太子はレミテリシアの美しい頬に強烈な平手打ちをするのだった。
一度嫌悪してしまえば、表情の一つ、言動の一つが気に入らなくなる。
そうなれば、もはや相手が何を言っても無駄というもの。
だが時間が経ち、相手への嫌悪も静まってみると意外にも相手の良い所が見えてくる。
ここで勘違いしてはならない事が一つある。
傲慢なる者はお前変わったなと偉そうに接する事があるが、実際はそうではなく両者の怒りの炎が鎮火して冷静になっただけだ。
年月が経てば雰囲気や考え方も多少変わるだろうが、人間という生き物は本質はそう簡単に変わるものではない。
ただ冷静になって相手の良い所を発見して、評価できる様になっただけなのだ。
敵だからといって何もかも否定してはならないという事だ。
それを心優しきアニャは知っていた。
国家情勢的には白陸は敵国スタシアに協力する国だ。
そうなれば白陸とて敵国だと誰もが思う。
レミテリシア将軍を保護したアニャと騎士団は、彼女の宮殿へと南の将軍を連れ帰った。
宮殿から見渡せる色とりどりの花畑が壮大に広がる、素晴らしい宮殿の中へ入ったレミテリシアは案内されるがまま、椅子に腰掛けた。
「傷は痛むか?」
「大丈夫よ、それより南の英雄様の将軍が何をしに来たの?」
「こうなってしまったからには仕方ない・・・ローズベリーはルーシーに味方するか調べに来たんだ」
そんな事だろうと親友のハミルと顔を見合わせる赤髪の姫君は、傷口の腹部を触りながら小さく笑った。
レミテリシアは複雑な状況下にあるローズベリーをその目で見た事で、ある可能性を見出していた。
それは虎白と話していたルーシーへの反乱だ。
戦いを終わらせたいローズベリーの民は、戦争を続ける現在の状態を嫌っていた。
だがこの戦いの命運を握るのはローズベリーという小国が突如、ルーシーの大きな背中を突き刺す事で一気に好転すると南の将軍は静かに考えていた。
ハミルが運んできた水を飲んで、横たわるアニャは再び小さく微笑むと口を開いた。
「お父様に話してみようか?」
「だが私の存在が知られると不味いのでは?」
「特別に南の将軍に教えてあげるけど、お父様と兄上の意見は分かれているの」
ローズベリーの内情は杜撰ずさんなものだった。
現皇帝のアニャの父と後継者である兄は対立していた。
内容はまさにレミテリシアの付け入りたい内容である。
引き続きルーシーに協力するか、遠い血縁に当たるヒステリカ家のスタシアに協力するかだ。
そしてスタシアに協力したいと考えているのは、現皇帝の父の方であったのだ。
細い腕を組んだまま、何度かうなずいたレミテリシアはルーシー派の兄を抑えれば状況は変わると考えた。
「ではアニャを撃ったのは兄の手の者か?」
「そう考えるのが、妥当だけど・・・」
「兄からすれば、得する事はないな」
つまる所、兄はルーシー派を主張するからには民からの理解も必要というわけだ。
それを民からの信頼もあるアニャを公衆の面前で銃撃する事は、返って民からの怒りを買うだけだ。
では誰がどういった理由でアニャを銃撃したのだろうか。
しばらくの沈黙がアニャの一室で保たれる中で、外から騒がしい声が響き始めた。
「おいアニャいるか!!」
「あ、兄上だ・・・レミテリシア将軍を隠すんだ」
「お前白陸の将軍を匿っているだろ!?」
その言葉を聞いた一同は驚いたまま、顔を見合わせていた。
レミテリシア将軍が潜入していた事を知っているのは、アニャと彼女の騎士団だけのはずだ。
兄は女騎士らを強引にどかして、アニャの居室へと入るとレミテリシアの顔を見て自慢気に高笑いをしているではないか。
「やはりいたか!! 俺はこの国の事ならなんだってわかるのだ!! おい将軍よ、お前が飲んだ酒の名前までわかるぞ」
やむなくレミテリシアはアニャの兄と対面すると、沈黙を保った。
変わらず自慢げに笑っている兄は南の将軍の細いが、筋肉質である腕を力強く掴むと今にもどこかへ連れ去ろうとしている。
慌ててアニャの親友、ハミルが皇太子殿の前に出るとレミテリシアを放す様に頼んだ。
「おお、ハミルか。 安心しろ何も今からこの女を裸にして楽しむわけではないぞ」
「で、では殿下・・・彼女をどうなさるおつもりで?」
「父上に会わせてやる。 あの馬鹿親父はこんなネズミ共に味方しろと言っているんだ」
表向きはスタシアの王都近郊でルーシーと激しい激戦を展開している一方で、ローズベリーに潜入している白陸の動きを激しく嫌悪する皇太子は、この汚い手口を皇帝に報告しようとしていた。
汚い手口を使う白陸と同盟国であるスタシアもまた、信用ならない国だと主張している。
アニャの兄は茶髪を激しく乱して、宮殿を出ようとしていた。
するとレミテリシアは皇太子の手を振り払うと、鋭い視線を向けているではないか。
「銃撃の犯人は誰だ?」
「なんだって?」
「知っているんだろ? 実の妹を撃ってまでお前はルーシーに賭けるのか?」
「黙れこの女が!!」
激昂する皇太子はレミテリシアの美しい頬に強烈な平手打ちをするのだった。
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