天冥聖戦 伝説への軌跡

くらまゆうき

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シーズン

第9ー13話 忘れていた記憶

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王都に辿り着いた虎白と数万の白王隊。


そして冥王ハデスと数万の冥府軍。


食い止めるのは天王ゼウスとオリュンポス軍。


これは天上史、冥府史に残る世紀の大事件だ。




「はあ・・・はあ・・・ここまで来たんだ。 ゼウスを殺らねえと何も意味がねえ・・・」



感電してもなおも立ち上がる虎白はハデスや染夜風と共に懸命に戦っていた。


ゼウスの表情には余裕すらあった。


天王たる所以はその強さだ。


空中ですっと一回転すると姿を雷に変えて次の瞬間にはハデスの顔を掴んでいた。


雷鳴が響くとハデスは白目を向けて口から煙を出してその場に倒れた。


虎白が刀で斬りかかると体は雷となって感電している。


紛れもない最強の神族だ。




「ハデス起きろ・・・」
「ぐ・・・い、今のは効いたぞ・・・」
「何か方法はないのかよ・・・」




どれだけ武技を極めた虎白であっても雷を斬る事はできなかった。


せめて第八感で時間を停止させてゼウスが姿を雷に変える前に斬る事ができれば勝機はあったのかもしれない。


だがそれも強力な神通力の前に時間は止まらなかった。


雷の剣を手に持って不敵に笑うゼウスを虎白は歪んだ表情で見ている。




「よく戦ってくれたな鞍馬よ。 汝を救おうとする軍隊を汝の手で葬り続けたのだ。」
「なんだと?」




ハデスを見ると下を向いて黙り込んでいた。


首をかしげる虎白を見てゼウスは満足げに笑っていた。


自分を救いにきた者を葬っていたとはあまりに不可解な言動だった。


黙り込むハデスを見ながら「何言ってんだこいつ?」と尋ねた。




「愚弟の言うことは本当だ・・・メテオ海戦からずっと。 我はそなたを救おうとしていた。 いいや・・・そなたが下界にいて霊界で戦っている時からだ。」




虎白は理解できずにいた。


自分が経験した死戦は全てハデスが自分を助けるため。


では何故、アルテミシアもウィッチも自分を狙っていたのか。


すると「冷静に思い出せ」とハデスが口にした。




「そなたは率先して冥府軍の撃退に乗り出していたはずだ。」
「はっ!?」




友人の敵討ちや西の難民を救いたい。


やがて自分の兵士が死んでいく事への償いの意味を込めて戦いを終わらせるためには冥府を倒すしかないと結論づけた。


全てが虎白が決めて動いた結果であり、ゼウスもハデスも何も虎白には言っていなかった。


アルテミシアもウィッチも目的は天上界の制圧であり、目指す先は王都だった。


それを白陸が邪魔したとハデスは言っている。




「で、でも俺が止めなかったら天上界は・・・」
「鞍馬よ・・・それこそが愚弟の狙いだ。 我とそなたが潰し合う事が。」




虎白はゼウスを睨みつけた。


気がつけば階段も登りきろうとしていた。


登った先には大広間があり、オリュンポス兵が弓を構えていた。


勝ち誇った余裕の表情のまま、ゼウスは衝撃的な言葉を放った。



「第九感」
































その頃、到達点への門を開こうか悩む兵士は先に逝った仲間の声を聞いていた。


果たしてこの門を開けるべきなのか。


仲間達は「正しい事をしろ」と話している。


だが何が正しいのかわからなかった。




「門を開けたらみんなは帰ってくるのか?」
「さあ。 皇国軍が慌ただしく動いている。 それに・・・」
「それになんだ!?」




到達点にいる仲間は「未来が教えてくれる」と話すと黙り込んでいた。


鍵を握りしめて座り込む兵士は必死に考えていた。


自分の行動一つで何か大きな事が起きてしまうと。


だが正確な事はわからなかった。




「さすがに怖いぞ・・・」
「竹子様ならきっと開けるさ。」
「そ、そうだよな・・・」




虎白は一兵卒の自分に「頼んだ」と言った。


どうして自分だったのか。


部下の白王隊ではいけなかったのか。


困惑する兵士は美しい青空を見ていた。


遠くでは爆発音が聞こえている。




「俺はどうして兵士になった・・・」



手柄をあげる兵士がカッコいいからか。


街で見かける白陸軍のポスターを見たからか。


演習の映像を見て入りたくなったからか。


竹子や宰相が美人で兵士になれば近づけると考えたからか。


実に人間らしい安易な考え方をしてしまったのか。


兵士はその場に座り込んで大きな門をじっと見ていた。




「俺が兵士になったのは・・・守りたいから・・・いつか天上界に来る家族を・・・」




若くして天上界へ来た彼は家族を下界に残していた。


戦争が続く天上界に家族が来る前に平和な世界を作りたかった。


数多くある天上界の軍隊から白陸軍を選んだのは皇帝が自分と同じ夢を語っていたからだ。


虎白はテレビの放送でも宰相サラのライブ配信でもいつでも言っていた。


「戦争のない天上界を創る」と。


彼はメテオ海戦の後に白陸軍に入ったが、既に虎白は夢を語っていた。


虎白の決断はいつだって正しくてどんな戦いにも勝ってきた。


宰相達は優秀で彼女らもまた強かった。


そんな白陸の皇帝がちっぽけな自分なんかに「頼む」と言った事には必ず意味があるはずだ。




「俺を選んでくれたんだ陛下は・・・一度家族を守りたいって決めたのに家族がいつか来るから死にたくないなんて不思議なもんだな・・・鞍馬様、竹子様・・・一度は裏切ってすいませんでした・・・開けます!!」





兵士は立ち上がり門にある鍵穴に鍵を突き刺した。






























「第九感」



そんな言葉は今日まで聞いた事がなかった。


第八感ですら人間達のおとぎ話だ。


更にその上を行く第九感とは一体。


ゼウスの衝撃的な言葉を耳にした虎白は一瞬驚いた表情でハデスを見たが次の瞬間には大絶叫した。




『うわああああああああー!!!!!!!!!!!!!』




ハデスが周囲を見ると、染夜風や他の白王隊も全てが頭を抑えて倒れ込んでいた。


しかしハデスに驚く表情はなかった。


「何故だ?」と愚弟に尋ねると得意げな表情で「最後に思い出させてやろうと思ってな」と笑い始めた。




「どこまでもひねくれた弟だ・・・」
「どうせ到達点へ行くのだ。 あえて鞍馬虎白と僅かな者だけを生き残らせてやったが実に面白かったぞ。 完全に消えた記憶からここまで這い上がって来るとはな。」




ハデスの邪気は鋭さを増している。


大広間を囲む様に咲き乱れる白い花が黒く染まって枯れていく。


頭を抑えて悶え苦しむ虎白と染夜風を守る様にハデスは立ちはだかった。


ゼウスは「頭痛と共に思い出しながら死ね」と宙に舞うと体を雷に変えて虎白へ飛びかかった。





「第八感!!」




ハデスは周囲に立っていたオリュンポス兵を「万物に触れる能力」で触り、ゼウスの前に盾の様にして引き寄せると一瞬で感電死した。


だがその僅かな時間で虎白と染夜風を階段から蹴り落とした。


転げ落ちる2柱の狐を見ると安堵した表情で愚弟と対峙した。




「邪魔するな兄上。 これで終わるのだ。 大陸大戦は。」
「いいや。 まだわからんぞ。 我ら兄弟ではできない事を鞍馬はやったのだ。」
「なんだと?」




ハデスは鎌を持ったまま下を向いて笑っていた。


全身を雷に変えてハデスの言葉の意味を吐かせようとしているが万物を操っては大広間の天井を破壊しようとしていた。


「止めろ」と静止する愚弟の言葉に耳も貸さずひたすら天井に向かって手を伸ばしている。




「鞍馬は何をしたのだ言え!!」
「だから。 我ら兄弟には思いもつかない事だ。」
「あの狐は甘くないとわかっているだろ!!」
「ああ、わかっている。 貴様よりも遥かにわかっているぞ。 だから賭けたのだ。」




やがて天井にはヒビが入りメキメキと音を立てて今にも崩れそうになっていた。


実態を雷に変えられるゼウスはともかく、ハデスはこのままでは下敷きになってしまう。


するとハデスは愚弟の腕を掴んだ。




「我らの時代は終わるのだ愚弟よ。 後は鞍馬に任せて到達点へ行くぞ!!」
「黙れ!! 兄上は昔から鞍馬に肩入れをしやがって!!」
「新時代を築くのは彼らだ!!」
『あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!』




天井は崩れて2柱はその下敷きになった。





















階段の下まで転げ落ちた虎白は頭部から白い血を流しながら立ち上がると怒りに震えていた。


日頃は温厚な染夜風まで鬼の形相と言える。


周囲にいた白王隊も次々に集まってきていた。


その全ての兵士が今までに見た事がない様な表情で怒っていた。




「思い出したぞおおおおお!!!!!! ゆ、許せねえ・・・あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
「・・・我らは負けたのですね・・・」
「まだ終わってねえ・・・行くぞお前ら!!」




虎白は階段を駆け上がり大広間を目指して走った。


階段の上からは煙が上がっている。


ハデスが天井を崩した事をまだ知らない虎白は必死に孤独に戦う「友」のために走った。
























中間地点。


豪雨の中で戦う天使と悪魔にも異変が起きていた。


ミカエルは頭を抑えてその場に片膝をついていた。


ルシファーは攻撃を止めると見下ろして見ている。




「ま、まさか・・・る、ルシファーが・・・」
「どうしたんだあ? 急に思い出したとでも言うのかあ?」




青白い表情に目元にはくまができている。


瞳は黄色く不気味に光っている。


唇には血液が流れていないかの様に紫色に染まっている。


そんなルシファーが動きを止めたミカエルを見ていた。




「そ、そなたは・・・私が堕としたのか・・・天上界に謀反を起こした・・・」
「やっと思い出したのかあ・・・だがもう遅い・・・遅すぎる・・・大天使長・・・」




するとルシファーが近づいてくるとミカエルを立ち上がらせた。


そして。


力の限り。


抱きしめた。



「もう戻れない・・・天使が邪気に染まれば・・・もう天使には戻れない・・・これが終わったら殺してくれ・・・」




天上界最強の呼び声が高い大天使ミカエル。


冥府に存在して、卑しい魔族の軍団の総帥にしてサタンという別の名を持つルシファー。


その昔、天上界に反乱を起こしたルシファーはミカエルに討伐されて堕天使となり冥府に堕とされた。


3割もの天使がルシファーと共に冥府に堕ちたとされている。


サタンと名乗り最初に行った事は人間に怒りや嫉妬という感情を植え付けたとされていた。




「す、すまなかったな・・・親友よ・・・」
「もう・・・殺してくれ・・・今日までずっと苦しんできたんだ・・・俺を・・・解放してくれ・・・」




かつて親友だった。


大天使の主軸として天上界を守っていたミカエルとルシファーはどういうわけか敵対した。


ミカエルが剣を握りしめてルシファーの腹部に突き刺した。


大天使ともあろうものが。


天上界最強ともあろうものが。


剣を持つ手が震えていた。


腹部に刺さった剣からは光が広がっている。


ルシファーの表情は歪むどころか笑っていた。




「ありがとう・・・鞍馬によろしく言っておいてくれ・・・さらばだ親友・・・」




最期に見せた表情は光に満ちていた。


ルシファーは光となって旅立った。


ミカエルはその場で剣を見つめていた。


そして振り返ると天上界へ向かって歩き始めた。


ミカエル兵団は投降した魔族を浄化させた。


だが一部の魔族は冥府へと帰還した。




















魔族の浄化と撤退は中間地点で戦う白陸軍に動揺が走った。


宰相莉久と莉久隊の兵士が突如中央突破を敢行してアテナ軍団の防衛戦を突破した。


しかし莉久達はそのまま、戦線を離脱してしまった。


怒りの怒号を轟かせながら離脱する莉久隊の光景に困惑する白陸軍だったが、動揺はそれだけではなかった。


白陸軍の両翼を固めていた魔族が一斉に消えていった。


左右に隙きが生まれると戦略の神であるアテナは直ぐに挟撃を命令した。


竹子や甲斐に優子とお初といった宰相を4人も相手にしながらも的確にオリュンポス軍を指揮していた。




「ま、魔族が消えた・・・」
「あーもうこいつ強えなー!!」
「戦略の神でもやはり・・・」





アテナと対峙する4人は囲む様にして全方向から攻撃するが平然と防いではかわして反撃してくる。


そしてアテナが振り抜く剣の重さに何度も吹き飛ばされていた。


既に満身創痍となっている4人はこの終わりのない戦いをどうするのか考えていた。


アテナが部隊を動かして挟撃してくる中で白陸軍の指揮官も竹子に指示を求めていた。


だが、アテナで手一杯だった竹子は周囲の味方の配置すら把握できていなかった。




「え、えっとお・・・」
「あたいらこいつで忙しいんだ!! 自分らで考えな!!」
「で、ですが宰相様・・・」




私兵白神隊などの指揮官が指示を出して応戦しているが丞相と宰相の一声がない白陸軍の士気は低かった。


ただでさえ目の前で戦っているのは天王の軍隊だ。


反逆者とされた困惑とオリュンポス軍の兵士単体の強さに圧倒されていた。


次々に倒れていく白陸軍は次第にアテナの部隊にすり潰され始めていた。




「このままでは総崩れに・・・」
「竹子!! あんたは全軍の指揮に戻りな!!」
「で、でも・・・」
「あ、姉上・・・」




既に優子とお初は戦闘不能に等しかった。


何度もアテナに吹き飛ばされては果敢に挑んだが神通力も限界に達していた。


甲斐ですら槍の速度が落ちていた。


優子はフラフラと立ち上がり刀を握るが少し歩くと刀を落としてしまう。


お初に関しては既に立つ事すらできずにいた。


吹き飛ばされた際に白陸軍の盾に背中を強打して背骨が折れていた。



「こ、こんな状況で指揮を執っていたら甲斐も優子もお初も・・・」
「竹子様!! 我ら白神にお任せくだされ!!」
「で、でも兵士の士気が上がらないのでしょう・・・かと言ってこのアテナさんを放っておくわけには・・・」




竹子の私兵である白神隊の指揮官である椎名又三郎と副官のルーナが近づいてくると驚く言葉を放った。


すると優子の美楽隊や甲斐の進覇隊まで集まってきたではないか。


周囲の白陸軍は劣勢のままだ。


私兵の隊長達は顔を見合わせて互いにうなずいた。




「我ら私兵がアテナを食い止めまする!! その間に全軍の士気を上げ、打開策を打ち出してくだされ!!」
「又三郎殿の申す通りでござる!! 我ら私兵元より主のために討ち死に覚悟でござる!!」





彼らは勝てないとわかっているアテナを食い止めると言い放った。


私兵がアテナを止めれば竹子達は白陸軍の立て直しや優子とお初を手当てする事もできる。


だがその間に私兵はアテナに討ち取られていく。


この挟撃を受けている劣勢の中でも奮闘して戦死者すら出ていない百戦錬磨の私兵。


そんな彼らでもアテナを相手にするのは討ち死にを意味する。


だが彼らに迷いはなかった。




「早く行かれよ!! 我ら私兵を疑っておられるのか!?」
「と、とんでもない・・・誰よりも信じていますよ・・・で、でも・・・」
「大将なら覚悟をお決めなされ!!」
「わかりました・・・全私兵に命令です。 アテナを食い止めなさい!!」
『御意っ!!!!』




アテナに対して数千もの私兵が殺到した。


その事で白陸軍の防衛線は更に崩れ始めたが、ここからは竹子が直接指揮を執れる。


優子とお初は衛生兵に手当てをされている。


甲斐は竹子と逆方向の戦線へと走った。


挟撃を打開するには敵軍以上の破壊力が必要になる。


竹子は右翼防衛線の最前列に出るとオリュンポス兵を一刀で斬り捨てた。




「諦めないでください!! 必ず。 明日が訪れます。 必ず。 新時代の夜明けが来ます!!」




その光景を見た白陸軍の指揮官が反撃を始めた。


盾兵で攻撃を防いでは銃撃を繰り返している。


竹子から離れすぎず、近づきすぎて邪魔にならない距離を保ち確実に進んだ。


「怯むな!!」と叫ぶ白陸軍の指揮官の声に兵士達が徐々に応え始めた。




「反逆者・・・勝てばそうは呼ばれませんよ。 勝てば我ら白陸軍こそが天上界で一番の軍隊になりますよ!! 全兵胸を張りなさい!!」




竹子が前線に戻って僅か数分。


右翼戦線は士気が回復して反撃を始めた。


時を同じくして甲斐が向かった左翼戦線では騎馬突撃が始まっていた。


白陸軍の騎兵をかき集めては甲斐を先頭に猛反撃に出ていた。


優子の第2軍の兵士達が中心となっている左翼戦線では「チェスト!!」という声が響き始めていた。


だが依然として劣勢。


戦いはまだ終わらない。
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