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目を覚ますと、自室のベッドで寝ていた。
「う……っ…。」
「セスアっ!目が覚めたのか?!」
「良かった……。」
「ジェヌア…殿下……。お父……様…?っ…!」
「無理をしなくていい!」
私は体を起こそうとしたのだが、顔の痛みで力が抜けてしまった。
頭から左目の辺りまでを包帯で覆われていた。
右目のみで見ているので、視界が狭い。
「……。」
まさかこのようなことになるとは思わなかった…。
傷を想像したくなどなかったが、私はそっと左目に手を添える。
その様子に、ジェヌア殿下が申し訳なさそうな表情をした。
「すまない……我々主催のパーティーだというのに、君を守れなくて…。」
「いえ…悪いのはルーシアです……。殿下はお気になさらずに。」
「セスア…。君はいつもそう言ってくれる。普通はもっと私を責めるだろう……。…ティール侯爵殿、婚約者を…セスアをこのような目に遭わせてしまった。改めてお詫びしたい。 本当に申し訳ない…。」
ジェヌア殿下は頭を深々と下げた。
私なら慌てたところだけれど、流石はお父様。
落ち着いて話している。
「殿下、どうか頭をお上げください。セスアも申し上げた通り、殿下に非はありません。それにこの件は、ルーシア伯爵令嬢のことを聞いていながら防げなかった私にも責任があります。」
「しかし……。」
「ジェヌア殿下、それにあなたも。ご自分達の責め合いをしている場合ではないでしょう。一番辛い思いをしているのは、セスアなのですよ?」
「……侯爵夫人…。」
部屋に入ってきたのは、お母様だった。
「自分のことを考える前に、まずは相手を思いやれないと。これは貴族であろうと平民であろうと、同じことです。」
「「……はい。」」
「セスア、目が覚めて良かったわ。本当に心配したのですよ?」
「お母様……。」
私をぎゅっと優しく抱きしめるお母様。
何歳になっても、この温かさはとても落ち着く。
そして私を離したお母様は、真面目な表情に変わった。
「セスア。これから話す内容を、しっかりと聞きなさい。」
「…はい。」
私は怪我に対しての説明を受けた。
お母様によると、私は3日ほど高熱を出していたらしい。
そして熱が落ち着いた後、さらに2日間は意識が戻らずにいたとのこと。
つまり5日もの間、ずっと眠っていたことになる。
道理で体の至る所が痛いわけね。
ジェヌア殿下とお父様の2人がここに居たのは、私の様子を見に来ていたから。
目覚めた時にいたのは偶然だった。
「そしてここからが重要よ…。」
「はい。」
「セスアの左目なのだけれど……一生見えることはないそうなの…。」
「……。」
「眼球が傷付けられてしまって……。」
「…出来る限りのことはしてくださったのだと、触れれば分かります。左目は開かないよう、処置しているのですね。」
「その通りよ。命の危険さえもあったの…。」
本当に心配そうな顔で私を見るお母様。
ジェヌア殿下は泣きそうな表情をしている。
しかし気になったのは……
「あの……婚約はどうなるのですか?今の私では、殿下の面目が潰れかねません。私のせいでそのようなことになっては…。」
元々この婚約に乗り気だったわけではない。
寧ろ一度断ったほど。
このような見た目で王妃となれば、ジェヌア殿下の面目が潰れる可能性もある。
そうなるくらいなら、婚約破棄をしても構わないと思った。
しかし、殿下は優しく包み込むような笑顔で私を見てきた。
「婚約破棄はしない。」
「あの…責任を感じているからと、無理に婚約を続けなくても……。」
「そ………ゃ……。」
「?」
「そうじゃなくてっ…。……私は君を愛している。たとえどのような姿になっても、それは変わらない。君が傷のせいで悪く言われるようなら、私がその者から君を守る。だから……婚約破棄なんて…言わないでくれ……。」
「え……。」
「あらあら、うふふっ。」
その場で、お母様だけが笑っていた。
それは楽しそうに、嬉しそうに。
子供の成長を喜ぶように…。
「えぇっ…と……?」
「つまりね。殿下はセスアのことを愛しているから、婚約破棄はしないとおっしゃっているのよ。」
「ですが…私は……」
「セスア。一度誰かを心から愛せば、たとえ何があったとしても気持ちが変わることはないものよ。それは殿下もきっと同じ。心の底から想っていなければ、今のようなお言葉は言えないわ。」
「お母様…。……ジェヌア殿下。ありがとう…ございます。」
「私の気持ちがようやく伝わったみたいだね。」
ジェヌア殿下は嬉しそうな顔をしていた。
そして今度はお父様が殿下の方を向き、お母様も同じく見つめている。
その眼差しは真剣だ。
「殿下、一つお聞きしたい。」
「何でしょう?」
「先の言葉に、嘘偽りはないと誓っていただけますか?」
「無論です。二言はありません。」
「…っ。……1人の父として、感謝申し上げます。」
お父様に続き、お母様も頭を下げた。
ジェヌア殿下は微笑み、その場は良い雰囲気となった。
しかし、私にはもう一つ気になることがあった。
「あの……ルーシアは今、どうしているのですか?」
「あぁ。彼女は今、牢に入れられている。暴れないよう、四肢を固定された状態でな。王太子であらせられる、ジェヌア殿下の婚約者を殺害しようとしたんだ。重罰に処せられるだろう。」
「重罪を犯し、その理由が私利私欲だったとなれば、罪はより大きくなる。どのような処罰が下るかは、2週間後に決まる。このまま行けば、彼女は死ぬまで牢の中で過ごすことになる。」
「死ぬまで……。」
「セスアが目覚めるのを待つことになったんだ。ルーシアへの処罰は、君の意思を聞いてからにしようという意見が出てね。あまり長く待つことは出来ないから、最大で20日となった。」
私の問いに、お父様とジェヌア殿下が答えてくれた。
死ぬまで牢の中ということは、終身刑である。
牢に入れられているとは思っていたけれど、まだ完全に処罰が決定したわけではない様子。
この国では、殺人は確実に死罪だが、未遂ならば終身刑にとどまる。
しかし王族の殺人未遂であれば死罪となる。
まだ私は王族という訳ではないので、終身刑となるのでしょう。
ならば、私は彼女と少し話がしたかった。
私の意思を尊重してくれるのであれば、ルーシアと会うことは何も問題ないはず。
「とはいえ、今回は王族の『婚約者』が被害者。セスアの意思によっては、死罪とすることも可能となる。そしてそれは逆も然りで、罰を軽くすることも可能だ。
私としては、罰を軽くする必要はないと思うけどね…。」
「殿下、ご説明感謝致します。……お父様、この件についてお願いがあります。」
「何だ?」
「私を、彼女…ルーシアと会わせてはいただけませんか?」
「それは危険だ!また万が一があれば……。」
「心配には及びません。彼女は牢に入れられ、四肢を固定されているのでしょう?でしたら、危険はないはずです。」
「しかし……」
「お父様、お願いします。」
「……分かった。ただし、私も同伴させてもらう。それでいいか?」
「はい。」
私の怪我の具合を見て、5日後に会うこととなった。
そして──
「久しぶりね、ルーシア。」
「……お前は…っ!」
「う……っ…。」
「セスアっ!目が覚めたのか?!」
「良かった……。」
「ジェヌア…殿下……。お父……様…?っ…!」
「無理をしなくていい!」
私は体を起こそうとしたのだが、顔の痛みで力が抜けてしまった。
頭から左目の辺りまでを包帯で覆われていた。
右目のみで見ているので、視界が狭い。
「……。」
まさかこのようなことになるとは思わなかった…。
傷を想像したくなどなかったが、私はそっと左目に手を添える。
その様子に、ジェヌア殿下が申し訳なさそうな表情をした。
「すまない……我々主催のパーティーだというのに、君を守れなくて…。」
「いえ…悪いのはルーシアです……。殿下はお気になさらずに。」
「セスア…。君はいつもそう言ってくれる。普通はもっと私を責めるだろう……。…ティール侯爵殿、婚約者を…セスアをこのような目に遭わせてしまった。改めてお詫びしたい。 本当に申し訳ない…。」
ジェヌア殿下は頭を深々と下げた。
私なら慌てたところだけれど、流石はお父様。
落ち着いて話している。
「殿下、どうか頭をお上げください。セスアも申し上げた通り、殿下に非はありません。それにこの件は、ルーシア伯爵令嬢のことを聞いていながら防げなかった私にも責任があります。」
「しかし……。」
「ジェヌア殿下、それにあなたも。ご自分達の責め合いをしている場合ではないでしょう。一番辛い思いをしているのは、セスアなのですよ?」
「……侯爵夫人…。」
部屋に入ってきたのは、お母様だった。
「自分のことを考える前に、まずは相手を思いやれないと。これは貴族であろうと平民であろうと、同じことです。」
「「……はい。」」
「セスア、目が覚めて良かったわ。本当に心配したのですよ?」
「お母様……。」
私をぎゅっと優しく抱きしめるお母様。
何歳になっても、この温かさはとても落ち着く。
そして私を離したお母様は、真面目な表情に変わった。
「セスア。これから話す内容を、しっかりと聞きなさい。」
「…はい。」
私は怪我に対しての説明を受けた。
お母様によると、私は3日ほど高熱を出していたらしい。
そして熱が落ち着いた後、さらに2日間は意識が戻らずにいたとのこと。
つまり5日もの間、ずっと眠っていたことになる。
道理で体の至る所が痛いわけね。
ジェヌア殿下とお父様の2人がここに居たのは、私の様子を見に来ていたから。
目覚めた時にいたのは偶然だった。
「そしてここからが重要よ…。」
「はい。」
「セスアの左目なのだけれど……一生見えることはないそうなの…。」
「……。」
「眼球が傷付けられてしまって……。」
「…出来る限りのことはしてくださったのだと、触れれば分かります。左目は開かないよう、処置しているのですね。」
「その通りよ。命の危険さえもあったの…。」
本当に心配そうな顔で私を見るお母様。
ジェヌア殿下は泣きそうな表情をしている。
しかし気になったのは……
「あの……婚約はどうなるのですか?今の私では、殿下の面目が潰れかねません。私のせいでそのようなことになっては…。」
元々この婚約に乗り気だったわけではない。
寧ろ一度断ったほど。
このような見た目で王妃となれば、ジェヌア殿下の面目が潰れる可能性もある。
そうなるくらいなら、婚約破棄をしても構わないと思った。
しかし、殿下は優しく包み込むような笑顔で私を見てきた。
「婚約破棄はしない。」
「あの…責任を感じているからと、無理に婚約を続けなくても……。」
「そ………ゃ……。」
「?」
「そうじゃなくてっ…。……私は君を愛している。たとえどのような姿になっても、それは変わらない。君が傷のせいで悪く言われるようなら、私がその者から君を守る。だから……婚約破棄なんて…言わないでくれ……。」
「え……。」
「あらあら、うふふっ。」
その場で、お母様だけが笑っていた。
それは楽しそうに、嬉しそうに。
子供の成長を喜ぶように…。
「えぇっ…と……?」
「つまりね。殿下はセスアのことを愛しているから、婚約破棄はしないとおっしゃっているのよ。」
「ですが…私は……」
「セスア。一度誰かを心から愛せば、たとえ何があったとしても気持ちが変わることはないものよ。それは殿下もきっと同じ。心の底から想っていなければ、今のようなお言葉は言えないわ。」
「お母様…。……ジェヌア殿下。ありがとう…ございます。」
「私の気持ちがようやく伝わったみたいだね。」
ジェヌア殿下は嬉しそうな顔をしていた。
そして今度はお父様が殿下の方を向き、お母様も同じく見つめている。
その眼差しは真剣だ。
「殿下、一つお聞きしたい。」
「何でしょう?」
「先の言葉に、嘘偽りはないと誓っていただけますか?」
「無論です。二言はありません。」
「…っ。……1人の父として、感謝申し上げます。」
お父様に続き、お母様も頭を下げた。
ジェヌア殿下は微笑み、その場は良い雰囲気となった。
しかし、私にはもう一つ気になることがあった。
「あの……ルーシアは今、どうしているのですか?」
「あぁ。彼女は今、牢に入れられている。暴れないよう、四肢を固定された状態でな。王太子であらせられる、ジェヌア殿下の婚約者を殺害しようとしたんだ。重罰に処せられるだろう。」
「重罪を犯し、その理由が私利私欲だったとなれば、罪はより大きくなる。どのような処罰が下るかは、2週間後に決まる。このまま行けば、彼女は死ぬまで牢の中で過ごすことになる。」
「死ぬまで……。」
「セスアが目覚めるのを待つことになったんだ。ルーシアへの処罰は、君の意思を聞いてからにしようという意見が出てね。あまり長く待つことは出来ないから、最大で20日となった。」
私の問いに、お父様とジェヌア殿下が答えてくれた。
死ぬまで牢の中ということは、終身刑である。
牢に入れられているとは思っていたけれど、まだ完全に処罰が決定したわけではない様子。
この国では、殺人は確実に死罪だが、未遂ならば終身刑にとどまる。
しかし王族の殺人未遂であれば死罪となる。
まだ私は王族という訳ではないので、終身刑となるのでしょう。
ならば、私は彼女と少し話がしたかった。
私の意思を尊重してくれるのであれば、ルーシアと会うことは何も問題ないはず。
「とはいえ、今回は王族の『婚約者』が被害者。セスアの意思によっては、死罪とすることも可能となる。そしてそれは逆も然りで、罰を軽くすることも可能だ。
私としては、罰を軽くする必要はないと思うけどね…。」
「殿下、ご説明感謝致します。……お父様、この件についてお願いがあります。」
「何だ?」
「私を、彼女…ルーシアと会わせてはいただけませんか?」
「それは危険だ!また万が一があれば……。」
「心配には及びません。彼女は牢に入れられ、四肢を固定されているのでしょう?でしたら、危険はないはずです。」
「しかし……」
「お父様、お願いします。」
「……分かった。ただし、私も同伴させてもらう。それでいいか?」
「はい。」
私の怪我の具合を見て、5日後に会うこととなった。
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「久しぶりね、ルーシア。」
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