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5話

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5話

散々ルピナがイジラレ、結局俺との関係や出来事等々をなかば無理矢理白状させられていた。

・・・女子トークって結構エグい事までしっかり伝えるんだな、と。
アニスとクリスはかなり真剣に聞いている様だが・・・。
とりあえず生暖かい目で眺めておいた。

そんな感じで話を聞き流しながら酒場にいる連中のステータスを覗いてみる事にした。
・・・ものの見事にショボい連中しかいなかった。
ステータスこそ彼女(ルピナは除く)達より高いが、自分達の適正をまるで理解していない奴や伸び代がまるで無い様な奴・・・。
よくここまで生き延びて来れたな、と思わせる奴らだらけだった。
こんなにファンタジーな世界ならステータスを確認する魔法でもありそうなもんだけどな?
自分達の適正ガン無視してもたかが知れているというのにな。

ルピナ達の方が異常なほど自分自身の適正の方向性、伸び代や才能がよっぽどある。
とても元・村娘達とは思えない。
・・・一体どうなっているんだ?
これもルピナの豪運の加護が影響しているんだろうか?
結構な人数のステータスを覗いたが誰も加護を持っている奴が居なかったのは事実だ。
それくらいにこの世界では加護ってのは貴重みたいだな、おそらくは。
ステータスも適正もデタラメな俺でさえ特に祝福はされていないみたいだしな。

そんな感じで女子トークが終わるまで時間を潰した。

女子トーク後からアニスとクリスが俺のことを舐める様なねっとりとした視線で見つめるので、とりあえず「止めろ」と釘をさしておいた。

ったく何を勘違いしているのか知らないが俺はお前らの慰みモノではない。
同じパーティーに居る限り俺の所有物の様なものだ。
少し分らせる為に少しルピナ悪いが残りの二人も一度抱いてやらないとなと思ってしまう。
・・・この自分でも気付くレベルの異常な独占欲はどうやっても抑えられそうにない。
呼吸をするくらい当たり前だと思っている様な感じだ。
この場で押し倒さないのは俺が他の連中に俺の所有物達おんなたちの肢体を見せびらかす趣味が無いだけだ。
不思議と男特有の滾りはいくらでも制御出来る。
・・・だが、解放したときが少し怖いかもしれない。

こういう事で違和感を感じている時点でやはり俺は元ニンゲンだったのだろうか?
考察は尽きないが、ルピナ達がギルドへ今回の報告と報酬を取りに行くことにしたらしい。

どうやら俺が居る場所を調査依頼が出されていたらしい。
報酬は破格らしいので精々期待しておこう。

ーーーーーーーーーーーー

・・・で、いつまで待たされるんだ俺達は?

ギルド内の様子と受付嬢の顔は確かに引き攣っていた所を見ると、報酬をすんなり貰って、はい終わりって訳にはいかないとは思ったが。

とりあえず俺はルピナに膝枕をしてもらいながらソファーでグダグダ待っている。
俺は別にわざわざ別室に案内しなくても良かったんだがなぁ・・・。
ニンゲン観察は時間も潰せるし、この世界の事を知る事ができるし、面白いくためになる事がよく分かっていただけに残念だ。
今はルピナの太ももの感触と腹の感触を楽しんだ。
流石に胸を揉んだら「(今は)だめっ!」と怒られたから仕方が無い。
ルピナもパスの使い方が上手くなって来ているようで何よりだ。
しかし、少し腹がふっくらしていたのはまだ俺の体液が胎内に残っているからだよな?
いや・・・まさかな。

暫く待っているとやけに態度がでかいだけのフルアーマー雑魚戦士が依頼の件でお偉いさんに直接説明しろと、有無を言わさず俺達をボロい馬車に詰め込んできやがった。

俺は紳士だからな、
1秒もかからず鎧ごと八つ裂きに出来る相手にマジになる必要もない。

だが、ルピナ達は随分と辛気臭い顔をしていたのには少し気になった。

・・・案の定、その懸念はすぐに現実のものとなった。

俺達はボロ馬車で暫く運ばれた後、
装飾品だけは無駄に豪華な下品な素敵な建物へ案内され、下品なでっぷり太った脂っこい感じのおっさんと謁見させられた。
俺達の周り遠巻きに無駄に豪華な鎧を装備したフルアーマー雑魚戦士が沢山取り囲んでいるのが滑稽さに拍車をかけてくれた。

見てくれだけで全く中身の無いフルアーマー雑魚戦士共は脅威どころか、滑稽さしか感じない。


脂っこいおっさんは長い中身の無い無駄話と、形だけの語彙の少ない称賛と、ルピナ達をなめ回す様な視線に俺のイライラがひたすらにつのっていく。

ちなみにこのパーティーでは、アニスはコミュ障で駄目、クリスは思った事をすぐに言ってしまうらしく、消去法でルピナがメインでやり取りをするらしい。

報奨金を受け取る時もルピナの手をベタベタ触りやがって・・・。

(・・・キモッ!!)
ってルピナの強い強い思考がパス越しに伝わってきた。

挙句の果てに俺を譲渡しないか、なんてほざきやがった。

流石のルピナも突然の無茶振りに沈黙してしまう。
「俺はどっちでもいいんだが?」

「・・・っ!?」

「どうする?」

「・・・め」

「ん?」

「だ、駄目!(ずっと、ずっと一緒に居て!)」

「って訳だ、おっさん、諦めてくれよ?」
顔を赤くしてうつむいているルピナの頭を優しく撫でてやった。

「ゴチャゴチャとうるさいのぉ…
お前の意見など聞いてないぞい、下等なドラゴンモドキ風情がワシに意見するな!」

流石の俺も我慢の限界を迎えた。

「おい、おっさん・・・キモイおっさんごときが調子に乗るなよ?俺の主はルピナだけだ!」

ブチギレた俺は威圧と死のオーラをたっぷりと全身に纏いながらあえて一歩づつ近づいてやった。

「ヒ、ヒィッ!?」
周りのフルアーマー雑魚戦士共はおろか、キモデブおっさんも威圧のオーラの影響で一歩も動けず、死のオーラによって絶望的な恐怖を味わっている事だろう。
例えるなら金縛りにあったうえで死神に鎌で首筋を優しく撫でられている位の感触だろうか?
もしかしたら何度も刈り取られているかもしれないが、俺の知ったことではないな。

当然ルピナ達は除外しているので何が起こっているのかよく分かっていない様子だ。

だがカンが良いのかパスを通じて
(・・・殺しちゃ駄目、だよ?)
と伝えてくる所がルピナらしい。

仕方が無いので殺す事“だけ“はやめておいてやった。
ただ、毎晩数多の壮絶な悪夢に苦しみ、死んだほうがマシと思える解呪不可の強力な呪いをプレゼントしてやった。
邪竜の呪い(弱)っていうちょうどいいスキルがあったので、俺達を除くこの建物に居る全員に使っておいた。

「なんてな?殺すわけないだろ?さっさと旨い飯でも食いに行こうぜ?それじゃあなおっさん精々長生きしろよ?じゃあな」

そう言うと俺達はおっさんの返事も聞かずに、
さっさと不快な屋敷を後にした。
勿論ルピナの手はホーリーブレスで浄化しておくのを忘れなかった。
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