どこかであったすれ違い

量産型774

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それから彼女からは何も連絡が来ないことに少し不安を感じたが、彼女の言葉が忘れられなくて、
今のボクがどうやったら少しでも彼女を助けられるのかを必死で考えていた。

時は戻せないし、ボクの決断を覆すのは困難を極めるし、どうしたものかなと思って日々過ごしていた。

そして数日して知らない番号から着信が入った。
知らない番号ならいつも無視するけれど、何故か気が付けば本能的に電話に出ていた。

・・・電話は彼女のお母さんからだった。

あまり面識は無かったけれども、彼女が頻繁にボクの事を話題にしており知っていたようだった。

話の内容はもう彼女がこの世に居ないことを涙ながらに伝えてくれた。

頭が真っ白になって言葉が出てこなかった。
事実と受け入れる事が出来なかった。
だが会話の中で冷静になっていた。
事実とは受け入れたく無いが、覆す事が出来ない事実なんだと自分に言い聞かせた。

彼女のお母さんが、「あなたに捕まえて貰いたかった、例えあなたとあの子が遠くに行ってしまっても生きていてほしかった」と、涙ながらに言われ、ボクは今まで何をやっていたんだろうなと途轍もない罪悪感に苛まれた。
涙と鼻水が止まらず、身体の震えが酷くココロを抉られたとうな衝撃をなんとか乗り越え、
ボクが彼女の為に出来る事を思い出した。

だけどこの連絡で、彼女と最後の通話で頑なに「またね」ではなく「バイバイ」と言った意味が分かった。
最後に会ったときも最後のピースを求めて、たまたま邂逅したにすぎず、後は実際に行動に移すだけの状況にしていたようだ。

そして・・・一番最後に彼女は電話で心の底からボクに助けを求めていたのだと理解してしまった。
あの言葉は嘘偽り無く、彼女の本心だった。
今となっては彼女の命が掛かっていると分かっていたのならもっと他の選択肢があっただろうし、
もっと出来る事があっただろうと感じてならない。
自分の無能さに苦悩し、言葉ではとても言い表せない荒れ狂う感情の渦に葛藤するハメになった。

しかしどうやっても、もう時は戻せない。
だけど、まだ叶えていない彼女との最期の約束を果たす為、出掛ける準備を始めた。


end
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