元勇者のおっさんが異世界を利用して小遣い稼ぎをするそうです

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3話

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3話



「わゎ!」
時空を越えて勢い余ってすっ転びそうになったヴァイオレットを抱き止めてやる。

ここはヴァイオレットの自宅の客間か?
座標指定まで完璧だな。

「・・・~~~!」
俺の腕の中で離れたい気持ちと離れたくない気持ちが交錯しているようだ。
相変わらず反応が面白いな。
見ていても本当に飽きないな。

「・・・勇者さまのお部屋準備してきますっ!」
そう言うと、ダッシュで部屋を出て行ってしまった。

「相変わらずですね」

「うぉ!?」
全く気配を感じさせず、
いきなり背後から声をかけられたらこんな声も出てしまう。

「久しぶりだなツァイト」
こいつはヴァイオレットの専属メイドだ。
完璧にメイド服を着こなし、
褐色の肌に銀の髪の毛が眩しい。
種族はダークエルフだった筈だ。

「お久しぶりですね勇者様」
半眼無表情で感情の籠もって無い声で挨拶をしてくれた。
初対面の時はこんな事無かったんだがな。
気が付いたらこんなドライな対応になっていた。
まさかここにドライになるなんて当時は思ってもいなかったからな。
極力友好的に接していこう。

「ああ、8年振りだな?ツァイトは元気にしてたか?」
なるべく優しい口調、態度を心がけ、笑顔で話しかけた。

「・・・っ!」
一瞬の出来事過ぎて把握出来なかったが、
部屋の扉が閉まった音が聞こえたと思ったら
ツァイトの姿は無かった。

異世界こっちでの俺のステータスを持ってしても
ツァイトの動きを捕らえる事が出来なかった。
相変わらず底が知れないメイドさんだ。

・・・しかし、あの反応を見るに、
頭をぽんぽんするのはまずいっぽいなあまりやらない様にしよう。
昔は良くしていたと思うんだがなぁ?

気が付くと、テーブルの上に冷えている飲み物が用意してあったので、
有り難く飲む事にする。

人の家を勝手にウロウロするのは気が引ける。
のんびりと冷たいミントティーらしきものを
ちびちび飲みながら待つ事にする。

誰も居なくなった客間で取りあえず、
こっちでのステータスを確認してみることにした。

『ステータス』

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
七菱拓也

職業:元勇者 (サラリーマン)
Lv99 (Lv35)
HP:7784/7784 (77/77)
MP:9999/9999 (999/999)

力: 999(9)
体力:999(9)
速さ:999(9)
知力:999(9)
運 :100 (1)

特技:
剣術
鑑定

(封印)

魔法:
クリエイトマジック
治癒魔法Lv3

(封印)

加護:
森羅万象の加護
女神の加護+

(封印)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺の目の前に懐かしい数字の羅列が確認出来た。
どうやらあっち日本でのステータスも併記されているようだ。
あっちで魔法が使えないのは(封印)が関係してるんだろうな。
今は、気にしない様にしよう。
しかし、依然散々作った魔法が無くなっているのは
ショックだな・・・。
またヴァイオレットの魔法を模倣させてもらうとするか。

加護はこんな感じだっただろうか。
なんとなく違ったような気もするが、
気にしてもしょうがない、ここも今は放置しよう。

本当、こっちと比較してあっちでの俺は弱いなー
ただの凡人サラリーマンだからしょうがないけどな。

丁度ステータスをぼんやり眺めながら
飲み物を飲んでいたが、飲み物が丁度無くなった頃、
部屋の扉が開き、ヴァイオレットが何故か不機嫌そうに俺を睨むと、
部屋の用意が出来た事を告げ部屋に案内してくれた。
その後は、広い家のトイレや風呂、ヴァイオレットの部屋、ツァイトの部屋まで案内してくれたが、
後半2つは別に案内はいらないと思うんだがな?
それに「いつでもお気軽に来ててくださいね」って・・・。

わざわざ平静を装いながら案内してくれていたんだろうが、
耳は真っ赤だし、微妙に声が震えているくらい分かるっての。

こいつはいったい”何”を想像しているのやら・・・。

一通り案内が終わると、早口で明日の朝食の時間を伝え、足早に何処かへ行ってしまった。

やれやれ・・・。
早めにこっちへ長居するつもりは無い事を
告げなければな。
今から気が重いもんだな・・・。















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