元勇者のおっさんが異世界を利用して小遣い稼ぎをするそうです

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21話

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21話

ツァイトの頬を摘まんでいた俺の手は手持ちぶさたになってしまった。
俺はツァイトの刺すような視線に耐える事が出来ず、
思わす当たり障りの無いことを聞いてしまった。
「・・・目は覚めたか?」

「ええ、最悪な形で(ぜっったいに責任は取ってもらいますからね)」
俺を刺す様な視線は変えずに、
何故か顔を赤くして何かとてつもない事を呟やかれた様な気がする。
残念ながらこっちの俺の能力ステータスでは聞き取る事はできなかった。

気まずくなった俺はツァイトの死角に入ると、
ササッと着替え、出掛ける準備を終えた。

俺はツァイトに今日も出掛ける事を伝えると、颯爽と部屋を出た。
ツァイトの着替えを終わるのを待つ間にスマホで下調べをしておく。

暫くすると、着替えが終わったツァイトが部屋から出てきた。
今日は昨日と大分イメージが変わって、
ダメージジーンズとTシャツというラフっぽい格好だった。
髪型も引き続き黒のウィッグをポニーテイルにしており、
褐色の肌と相まって非常に活発そうなイメージを受ける。

「そういう服装もなかなか似合っているな」
思わず自然に言葉が出てしまった。

「そうですか、ありがとうございます」
口調こそ平静を保っているようだが、
どこか嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。

俺は先程の気まずい雰囲気が解消されて、
とりあえず安堵した。

今更だが昨日の夜から俺達は何も食べて無かった。
俺は別に2食位抜いても問題ないが、
ツァイトがいるからそうもいかない。


ビジネスホテルの近くにあったファミレスに入ると、
メニューを広げてツァイトに食べたいものを選ばせようとした。

しかし、真剣な顔でメニューを見つめていたが、
申し訳なさそうに、
「すみませんご主人様・・・文字が読めないので教えてもらえませんか」
と俺を上目使いで見てくる。

なるほど、会話はできてもやはり文字は理解出来ないのか。
俺が異世界に行ったときも、何故か会話は出来たが文字は一切読むことが出来なかった。
何か法則でもあるのだろうか?

メニューなんて文字が読めた所で、こっちの食文化を知っていなければ、
いくら写真が載っていたとしても
どんな料理かなんてうまく想像も出来ないだろう。
案の定、俺がツァイトの気になった料理の名前を伝えても、よく分かっていなさそうだったので、
具体的に説明をしてやると、なんとなく理解しているようだった。
・・・追々日本語も教えてあげないとな。

ツァイトはオムライスが気になった様で、それを注文してあげた。
俺は適当に日替わり定食を頼むと、用事を済ませに一旦ファミレスを後にした。

捨てられた猫みたいな視線を俺に送り続けるツァイトの頭を優しく撫でると
素早く店を後にした。


今日だけは俺だけ朝飯前に済ませておきたい事がある。

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