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2話
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2話
ある日僕はクレアさんに放課後呼び出された。
これはもしかして・・・と期待半分不安半分で呼び出された空き教室に向かった。
するとそこにはうちの学校の制服は着てはいたが、
見たことが無い生徒が佇んでいた。
「お前が・・・なるほど」
そう呟いた瞬間、衝撃と共に僕の腹部が焼け付く様に熱くなった。
思わずそこに触れるとありえない所に穴が空いており、ねっとりとした液体が溢れ出ていた。
ゴホッ・・・
咳と共に床にぶちまけられた大量の鮮血・・・。
僕は立っていられなくなり、血溜まりに膝から崩れ落ちた。
「な、なんで・・・」
誰に向ける訳でもなくそう呟いた。
ーーーああ、やっぱりこの世界はどこまでいっても理不尽で不条理だったんだなぁ・・・。
薄れいく意識のなか、誰かが駆けつけて必死に僕へ声をかけてくれた。
「絶対に・・・絶対に助けるから!」
この世界の理不尽に立ち向かおうとしているその言葉を聞けてどこか安心して意識を失った。
次に目を覚ました時はびっくりした。
まさか助かるとは全く思っていなかった。
・・・転生とかしている訳じゃないよな?
見たことが無い天井からの部屋を見回して、若干の不安がよぎった。
病院でも無さそうだし、なんなら日本の様式では無いような・・・。
だがそんな不安も、クレアさんが現れた事によって解消された。
「良かった!よかったよぅ・・・」
僕に抱きつくとクレアさんが泣き崩れてしまった。
僕は落ち着くまで優しく抱きしめた。
「ぐすっ・・・ごめんね取り乱しちゃって」
「あ、ああ。大丈夫?」
「はぁ~・・・自分が殺されかけたのによくそんな呑気な事が言えるわね・・・」
ため息と共に呆れられてしまったようだ。
「あれは夢じゃ無かったのか・・・」
思わず穴があいていた腹部を確認するが、ちゃんとあった。
特に痛みも無い。
確認して無意識に腹部をはだけてしまった僕を肉食獣の様に見つめるクレアさんが怖かったのでそそくさと着直した。
「・・・ちゃんと治したんだから大丈夫よ」
「治した・・・?」
「そ。魔法でね?」
「魔法って・・・そんな訳・・・」
「はぁ・・・」
ため息と共にクレアさんが光に包まれて浮き上がった。
天井付近まで浮き上がったのは分かるんだけど、
スカートを履いている事を忘れているのか下着が完全に見えてしまい思わず視線を逸らす。
「・・・見えてるって」
ぼそっと呟くとハッと気づいたのか降りてきて僕のほっぺをつねってきた。
「痛い!いふぁい!」
「忘れなさい!」
「ふぁい!」
「・・・どうせ見られるならもっとしっかりとした履いとけばよかった」
そんな事呟かれてもどう返答すれば良いんだよ
!
なんだか学校にいる時より全体的に怖いんだけど・・・。
「じゃあ意識も戻ったし、帰りたい?」
「そうだね・・・ただ、僕を殺そうとした人がいるし、直ぐには戻りたく無いかなぁ・・・。
そういえばここはどこ?」
「アレならもう処理したから大丈夫よ。そしてここはうちの実家だけど」
「ええっと・・・(処理ってなんですかなんて聞けないよな)
魔法が当たり前に使える君の実家って、一体・・・?」
「あはは!そんなのエルフの国に決まっているじゃない!」
「決まっているじゃないって、クレアさんエルフなの!?」
「あっ・・・幻術掛けてたままだったわね、はい」
確かに人間のそれとは明らかに違う耳の形状をしていた。
触ってみたけど、確かに作り物なんかじゃない。
僕の疑問にすべて答えてくれるのは大変ありがたいけれど、ここまで知ってしまって大丈夫なのかと一般的な不安は感じる。
不安そうな風を装いクレアさんをじぃっと見つめると何を勘違いしたのか熱烈なキスをしてくれた。
「んっ・・・元気でた?」
「・・・(コクコク)」
ある意味正解だったのが悔しい。
しかし、ここでのクレアさんは積極的過ぎやしないだろうか?
実家だからなのか?
「あ、そうそう大切な話をするの忘れていたよ
このままだとあと数ヶ月で死んじゃうけど、どうする?」
「へっ!?」
ある日僕はクレアさんに放課後呼び出された。
これはもしかして・・・と期待半分不安半分で呼び出された空き教室に向かった。
するとそこにはうちの学校の制服は着てはいたが、
見たことが無い生徒が佇んでいた。
「お前が・・・なるほど」
そう呟いた瞬間、衝撃と共に僕の腹部が焼け付く様に熱くなった。
思わずそこに触れるとありえない所に穴が空いており、ねっとりとした液体が溢れ出ていた。
ゴホッ・・・
咳と共に床にぶちまけられた大量の鮮血・・・。
僕は立っていられなくなり、血溜まりに膝から崩れ落ちた。
「な、なんで・・・」
誰に向ける訳でもなくそう呟いた。
ーーーああ、やっぱりこの世界はどこまでいっても理不尽で不条理だったんだなぁ・・・。
薄れいく意識のなか、誰かが駆けつけて必死に僕へ声をかけてくれた。
「絶対に・・・絶対に助けるから!」
この世界の理不尽に立ち向かおうとしているその言葉を聞けてどこか安心して意識を失った。
次に目を覚ました時はびっくりした。
まさか助かるとは全く思っていなかった。
・・・転生とかしている訳じゃないよな?
見たことが無い天井からの部屋を見回して、若干の不安がよぎった。
病院でも無さそうだし、なんなら日本の様式では無いような・・・。
だがそんな不安も、クレアさんが現れた事によって解消された。
「良かった!よかったよぅ・・・」
僕に抱きつくとクレアさんが泣き崩れてしまった。
僕は落ち着くまで優しく抱きしめた。
「ぐすっ・・・ごめんね取り乱しちゃって」
「あ、ああ。大丈夫?」
「はぁ~・・・自分が殺されかけたのによくそんな呑気な事が言えるわね・・・」
ため息と共に呆れられてしまったようだ。
「あれは夢じゃ無かったのか・・・」
思わず穴があいていた腹部を確認するが、ちゃんとあった。
特に痛みも無い。
確認して無意識に腹部をはだけてしまった僕を肉食獣の様に見つめるクレアさんが怖かったのでそそくさと着直した。
「・・・ちゃんと治したんだから大丈夫よ」
「治した・・・?」
「そ。魔法でね?」
「魔法って・・・そんな訳・・・」
「はぁ・・・」
ため息と共にクレアさんが光に包まれて浮き上がった。
天井付近まで浮き上がったのは分かるんだけど、
スカートを履いている事を忘れているのか下着が完全に見えてしまい思わず視線を逸らす。
「・・・見えてるって」
ぼそっと呟くとハッと気づいたのか降りてきて僕のほっぺをつねってきた。
「痛い!いふぁい!」
「忘れなさい!」
「ふぁい!」
「・・・どうせ見られるならもっとしっかりとした履いとけばよかった」
そんな事呟かれてもどう返答すれば良いんだよ
!
なんだか学校にいる時より全体的に怖いんだけど・・・。
「じゃあ意識も戻ったし、帰りたい?」
「そうだね・・・ただ、僕を殺そうとした人がいるし、直ぐには戻りたく無いかなぁ・・・。
そういえばここはどこ?」
「アレならもう処理したから大丈夫よ。そしてここはうちの実家だけど」
「ええっと・・・(処理ってなんですかなんて聞けないよな)
魔法が当たり前に使える君の実家って、一体・・・?」
「あはは!そんなのエルフの国に決まっているじゃない!」
「決まっているじゃないって、クレアさんエルフなの!?」
「あっ・・・幻術掛けてたままだったわね、はい」
確かに人間のそれとは明らかに違う耳の形状をしていた。
触ってみたけど、確かに作り物なんかじゃない。
僕の疑問にすべて答えてくれるのは大変ありがたいけれど、ここまで知ってしまって大丈夫なのかと一般的な不安は感じる。
不安そうな風を装いクレアさんをじぃっと見つめると何を勘違いしたのか熱烈なキスをしてくれた。
「んっ・・・元気でた?」
「・・・(コクコク)」
ある意味正解だったのが悔しい。
しかし、ここでのクレアさんは積極的過ぎやしないだろうか?
実家だからなのか?
「あ、そうそう大切な話をするの忘れていたよ
このままだとあと数ヶ月で死んじゃうけど、どうする?」
「へっ!?」
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