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はぁ…今日も一日始まる。
月曜日はなんでこんなにもだるいのか。
特に変化も無い日々をだらだらと過ごすプランをいつも通り適当に構築する。

だが、そんな平々凡々な何もない平和な日々が唐突に終わるなんてその時は思ってもいなかった。


「今日から一緒に勉強する転校生を紹介するぞ~」
担任の先生からの一言で教室が湧いた。

男?女?
どっからきたのかな?

教室内がザワザワしてるが適当に聞き流し
今日のダラダラプランを再構築する。

担任の先生が何か言っているがうわの空で聞いている雰囲気を醸し出す。

颯爽と教室に入ってくると、端的に

「クレア・A・ウイングです。
よろしく。」
と最低限の挨拶だけをした。

転校生の子が言い終わっても教室はシンと静まり返っていたままだった。

たぶん人間離れした美貌に圧倒されて、誰も何も言い出せなかったような気がする。
プラチナブロンドで碧眼にそのへんのアイドルより何倍も整った顔。
更に身長も恐らく160cm以上は有りそう。
色白で手足もモデルの様にすらっと長かった。

そして彼女は当たり前の様に僕の席の隣に座る。
さっき担任の先生がなんとなくそう言っていた様な気がする。

「よろしくね、君の名前は?」
ニコリと微笑んだ。

「あぁ…僕は阿方 風太あがた ふうたよろしく」
そんなに微笑まられたら誰だって惚れてしまうだろう!
妙に高鳴る鼓動を無理矢理無視する事にする。
こうして僕の平穏な学生生活は終わりの始まりを迎えた。

クラスの連中もビビッているのか誰も転校生の所に来なかった。
彼女も特に何も感じていないようだったが…。

今日一日過ごしたが、妙に彼女の視線を感じて振り向くと視線が合い、合うたびにニコリと微笑まれる。

…何故だろうか。
まさか僕に一目惚れ…なんて有るはずが無い。
それだけはありえない。
モブっぽい何の特徴も無い奴に好意を持つ方がおかしい!!

だけど、気が付くと大体彼女は僕の傍にいる事が多かった。
男女別々になる授業以外は基本的に彼女は僕の隣か後ろに居た。
特に会話らしい会話は無かったが、
彼女の近くにいると、とても癒やされる様な気がした。

彼女…クレアとは当たり前の様に僕とのスキンシップを増やしていった。
細見のクセにたわわな胸の柔らかいモノをグイグイ押し付けてくるし…。
クレアって呼び捨てにしないと不機嫌になるし…。
当然のように僕のことは下の名前で呼んでくるし…。

でも不思議とクラスメイトからイジラレたりする事は無かった。
この距離感がもしかして普通…なのか?
いつの間にかクラスメイトとも打ち解けてるっぽいし…。

いつの頃かクレアからよくお菓子や飲み物を貰う事が多くなった。
ただその頃からかよく記憶が飛んで気が付くと家のベッドで寝ていたり、学校だと保健室で寝ていたりする事が多くなった。
最近彼女と無事に打ち解けていると確信が持てて気が抜けて来たのかもしれない。

でも意識失うって相当だよな。
決まって若干の倦怠感も伴っていたので、少し心配になって病院で検査してもらったけど、異常なしだった。
知らず知らずの内に凄まじいストレスを抱えていたのかもしれないな…。

いや、現在進行系で抱えている最中かな…。
僕と彼女とのこの関係は一体何なんだろう…。
今更聞けないし、聞いてこの関係がギクシャクしたくはないし…。
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