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閑話 男爵令嬢視点
しおりを挟むお母さんはもともと貴族の家のメイドだった。
あたしは平民街で暮らしてるのに毎日勉強をさせられた。他の子はしてないのにって文句を言うと、『貴方はいつか貴族になるんだから』と言われた。
お母さんが病気であっさりと死んだあと、引き出しから手紙を見つけた。あたしの本当のお父さんは男爵様だから、そこに行くようにと書いてあった。
手紙のとおりに男爵家に行くと、男爵様のお嫁さんと半分血のつながった弟と妹がいた。みんな冷たい目で見てきて、ここではあたしは幸せになれないんだと思った。
でも男爵様と珍しい髪と瞳の色が同じだったから、男爵令嬢になれた。貴族はあたしの歳になったら王立学園に通わなくちゃいけないらしい。ある日、部屋に弟の家庭教師がきて試験をさせられた。お母さんの教えてくれてたことは間違ってなかったみたいで結構いい点がとれた。
すぐに王立学園に入ることになった。教室で教えてもらったばかりの貴族の挨拶をしてみたけど、うまくできたかわからなかった。
びっくりしたのは、学園に通う貴族の人たちが平民街では見たこともないくらいキレイな顔をしていることだった。一番かっこいいと思った男の子に話しかけたら、何とこの国の第三王子だった。
私は平民育ちだから貴族ばかりの学園でうまくやれるか不安だと言ってみたら、王族である自分の側にいていいと言ってくれた。嬉しくてギュッと抱きついてしまったけど、王子様は怒ったりしなかった。
女の子たちは意地悪な人が多かった。けど意地悪されても男の子たちが守ってくれるから安心だった。生徒会長もしてる王子様は、意地悪されるといけないから休み時間は生徒会室にきてもいいよって言ってくれた。お礼に、お母さんが教えてくれたクッキーを作って持っていった。
ある日、授業に飽きちゃったから学園を探検していたら、バラ園ですごいキレイな男の人に会った。キラキラの金髪にキレイな青い目。絵本に出てきた天使様みたいだった。
名前を知りたいときは自分から名乗るんだということを思い出して、貴族の挨拶をする。男の人は笑って名前を教えてくれた。けど、
「男爵……」
貴族としては下の方の男爵家だった。すごいキレイなのに……。ちょっとガッカリした。
今日は休みなのに誰も遊べなかったから、ひとりで街に出かけた。お義母様たちはわたしが王子様と仲良くしてるから、このごろ何も言わないのよね。ふふん。
最近気になってたかわいいお店に行くと、店には前に会ったことのあるキレイな男の人がいた。挨拶すると笑いかけてくれた。何してるか聞いたら、なんと男の人の家のお店だった。すごい!
家に帰ってからメイドに聞いたら、ネオルト男爵はいっぱいお店とかやってて、すごいお金持ちなんだって教えてくれた。すごい!!
王子様なんかよりお金持ちの男爵様の方がめんどくさくないし幸せになれるかも。
またバラ園に行けば会えるかな。
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