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第2章
第41話 ではご主人様、お手本をお願いします
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「じゃあ、ソーニャ。目の前の枝に魔法で火を付けてね」
「あ、はい。着火《イグニッション》」
「お、着火は詠唱破棄が出来るんだね」
「さすがに着火は初歩の初歩ですから出来ますよー」
つまり火を付けるという原理を知っているから、詠唱をしなくてもイメージが出来るということだ。一つでも詠唱破棄が出来るのなら、詠唱破棄が出来ない魔法との違いを見直してもらえば理解は早いかもしれない。
「ご主人様、私はどうすれば良いですか?」
「ああ、ごめんごめん。リナも火を付けて良いよ」
「はい」
リナは枝に指を振るって魔法名すら言わずに火を付けた。リナの場合はむしろ魔法名を知らないからこそじゃないかと思い始めた。
「リナさんは凄いですね・・・」
「ソーニャもいずれ出来るよ」
「はい、頑張ります! それで次はどうしたら良いですか?」
リナの凄さに呆然としていたけど、ソーニャは気合いを入れ直して続きを促してきた。
「じゃあ次はソーニャ、たき火の勢いを強めてくれる?」
「はい!・・・あれ?えっと・・・魔法で・・・?炎の矢《ファイアーアロー》を打てば良いんですか?」
「いやいや、それだと枝が吹き飛んじゃうよ」
焚き火を強くしたいなら扇ぐなりすればいいだけなんだけどなぁ。
「んん~~?魔法の効果は終わって自然現状になってるから増幅《ブースト》は使えないですよね・・・」
「難しく考えすぎだよ、野営するときに焚き火を強めるときどうしてる?」
「え?それは扇いだりしてますが…え?そういうことですか?」
それで良いと僕はソーニャに頷く。
「それじゃあ、…微風《ゼファー》」
焚き火にソーニャが魔法で出したそよ風が当たり揺らめきながら、パチパチと心地良い木が爆ぜる音が鳴り、火の勢いが増してきた。
リナはその様子を見ながらふむふむと頷いていた。
「確かに火の勢いは強くなりましたけど、これは普通の人なら知っていることでは?」
ソーニャは少し不満顔で僕に意見してきたが、まだまだ説明してないことがまだまだある。
そうソーニャに説明する。何故微風を当てたら火が強くなったか。それは火に酸素が供給されたから、酸素とは何か。空気に存在する物を燃やしやすくする物質であるなどを説明した。
「そして僕たち人間が呼吸を止めると生きていけないのも、この酸素がないと生きていけないからなんだよ。だからといって酸素だけ吸ったら、条件次第では問題があったりするんだけど」
理科の授業のような話をツラツラと続け、そして最初の詠唱破棄、せめて詠唱省略の話に戻す。
「さて、火が酸素を得て燃えている事が分かったところで、空気・・・酸素を取込んでるイメージをしながらもう一度枝に火を付けてみて」
「は、はい。えーと…着火《イグニッション》。わっ!」
ソーニャが先程と同じように着火《イグニッション》で枝に火を付けようとすると、先程より大きな火種が発生し見る見る間に枝が炎に包まれた。
「・・・これ火種どころか、ちょっとした攻撃魔法になってませんか?」
「魔力を込めすぎたのと、着火後のイメージももう少し具体的にしたら今までよりは楽に焚き火しやすくなるし、逆に攻撃に適したイメージと魔力操作をしたらもっと威力が出るよ。それじゃリナもやってみてくれる?」
リナは頷き、手のひらを上向きにし火を発生させる。
小さな灯火を発生させたあと、徐々に炎の勢いを強めていった。
―――――ゴオォォォォ!
「・・・マサトさん、あれは一体・・・?」
「あれは・・・着火《イグニッション》というよりは、灯火《ランプファイア》かな」
なるほど。元々灯火《ランプファイア》は松明のように明かりのための魔法だから持続性がある。そこに風を扇いでるイメージで強めていっているようだ。
着火《イグニッション》より灯火《ランプファイア》の方が、説明や練習に向いていることに気がついた。そのことをソーニャに伝え、再度リナと同じように練習をしてもらう。
「灯火《ランプファイア》。・・・そして、空気を送るイメージ・・・」
ソーニャの手のひらに発生した灯火がボッ、ボッと大きくなったり小さくなったりと繰り返しながらも徐々に大きくなってきた。
「ま、マサトさん。何となくですがコツが掴めてきました!」
手のひらの上の炎に集中していたソーニャがそう言いながら、僕の方を見てそう言った直後、引き攣った顔をした。気になったので僕の後ろに居るリナに目を向けると、どこまで延びるのか挑戦しているのか、リナ自身の身長何人分か分からない長さの炎が発生していた。
「・・・あれを見るとコツを掴んだというのもおこがましいですね」
「・・・いやぁ、リナはまぁ普通じゃないから」
呆然と呟く僕らの声が聞こえたのか、リナは炎を止めてこちらを向いた。
「ではご主人様、お手本をお願いします」
む、そうきたか。そういえば禊ぎが終わってこの地に降りてから、無属性以外の魔法って使ったことがないことに気がついた。練習をするべきなのは自分の方だったかも知れない。これは良い機会だから無属性だけでなく、今の職業で扱える属性を試そうと思い至った。
僕はリナに頷き、2人から距離を空け手のひらを上にし、魔法名を唱えた。
「灯火《ランプファイア》」
ボワッ!という音とともに手のひらにバスケットボールくらいの魔法の炎が発生した。
「マサトさんがリナさんのことを普通じゃないというのは間違ってますね」
「そう思いますよね?」
まだハナに貰ったブーストの感が掴めてないだけだって。そう思うが確かに普通の人の出す灯火《ランプファイア》ではないかなと同意した。
「あ、はい。着火《イグニッション》」
「お、着火は詠唱破棄が出来るんだね」
「さすがに着火は初歩の初歩ですから出来ますよー」
つまり火を付けるという原理を知っているから、詠唱をしなくてもイメージが出来るということだ。一つでも詠唱破棄が出来るのなら、詠唱破棄が出来ない魔法との違いを見直してもらえば理解は早いかもしれない。
「ご主人様、私はどうすれば良いですか?」
「ああ、ごめんごめん。リナも火を付けて良いよ」
「はい」
リナは枝に指を振るって魔法名すら言わずに火を付けた。リナの場合はむしろ魔法名を知らないからこそじゃないかと思い始めた。
「リナさんは凄いですね・・・」
「ソーニャもいずれ出来るよ」
「はい、頑張ります! それで次はどうしたら良いですか?」
リナの凄さに呆然としていたけど、ソーニャは気合いを入れ直して続きを促してきた。
「じゃあ次はソーニャ、たき火の勢いを強めてくれる?」
「はい!・・・あれ?えっと・・・魔法で・・・?炎の矢《ファイアーアロー》を打てば良いんですか?」
「いやいや、それだと枝が吹き飛んじゃうよ」
焚き火を強くしたいなら扇ぐなりすればいいだけなんだけどなぁ。
「んん~~?魔法の効果は終わって自然現状になってるから増幅《ブースト》は使えないですよね・・・」
「難しく考えすぎだよ、野営するときに焚き火を強めるときどうしてる?」
「え?それは扇いだりしてますが…え?そういうことですか?」
それで良いと僕はソーニャに頷く。
「それじゃあ、…微風《ゼファー》」
焚き火にソーニャが魔法で出したそよ風が当たり揺らめきながら、パチパチと心地良い木が爆ぜる音が鳴り、火の勢いが増してきた。
リナはその様子を見ながらふむふむと頷いていた。
「確かに火の勢いは強くなりましたけど、これは普通の人なら知っていることでは?」
ソーニャは少し不満顔で僕に意見してきたが、まだまだ説明してないことがまだまだある。
そうソーニャに説明する。何故微風を当てたら火が強くなったか。それは火に酸素が供給されたから、酸素とは何か。空気に存在する物を燃やしやすくする物質であるなどを説明した。
「そして僕たち人間が呼吸を止めると生きていけないのも、この酸素がないと生きていけないからなんだよ。だからといって酸素だけ吸ったら、条件次第では問題があったりするんだけど」
理科の授業のような話をツラツラと続け、そして最初の詠唱破棄、せめて詠唱省略の話に戻す。
「さて、火が酸素を得て燃えている事が分かったところで、空気・・・酸素を取込んでるイメージをしながらもう一度枝に火を付けてみて」
「は、はい。えーと…着火《イグニッション》。わっ!」
ソーニャが先程と同じように着火《イグニッション》で枝に火を付けようとすると、先程より大きな火種が発生し見る見る間に枝が炎に包まれた。
「・・・これ火種どころか、ちょっとした攻撃魔法になってませんか?」
「魔力を込めすぎたのと、着火後のイメージももう少し具体的にしたら今までよりは楽に焚き火しやすくなるし、逆に攻撃に適したイメージと魔力操作をしたらもっと威力が出るよ。それじゃリナもやってみてくれる?」
リナは頷き、手のひらを上向きにし火を発生させる。
小さな灯火を発生させたあと、徐々に炎の勢いを強めていった。
―――――ゴオォォォォ!
「・・・マサトさん、あれは一体・・・?」
「あれは・・・着火《イグニッション》というよりは、灯火《ランプファイア》かな」
なるほど。元々灯火《ランプファイア》は松明のように明かりのための魔法だから持続性がある。そこに風を扇いでるイメージで強めていっているようだ。
着火《イグニッション》より灯火《ランプファイア》の方が、説明や練習に向いていることに気がついた。そのことをソーニャに伝え、再度リナと同じように練習をしてもらう。
「灯火《ランプファイア》。・・・そして、空気を送るイメージ・・・」
ソーニャの手のひらに発生した灯火がボッ、ボッと大きくなったり小さくなったりと繰り返しながらも徐々に大きくなってきた。
「ま、マサトさん。何となくですがコツが掴めてきました!」
手のひらの上の炎に集中していたソーニャがそう言いながら、僕の方を見てそう言った直後、引き攣った顔をした。気になったので僕の後ろに居るリナに目を向けると、どこまで延びるのか挑戦しているのか、リナ自身の身長何人分か分からない長さの炎が発生していた。
「・・・あれを見るとコツを掴んだというのもおこがましいですね」
「・・・いやぁ、リナはまぁ普通じゃないから」
呆然と呟く僕らの声が聞こえたのか、リナは炎を止めてこちらを向いた。
「ではご主人様、お手本をお願いします」
む、そうきたか。そういえば禊ぎが終わってこの地に降りてから、無属性以外の魔法って使ったことがないことに気がついた。練習をするべきなのは自分の方だったかも知れない。これは良い機会だから無属性だけでなく、今の職業で扱える属性を試そうと思い至った。
僕はリナに頷き、2人から距離を空け手のひらを上にし、魔法名を唱えた。
「灯火《ランプファイア》」
ボワッ!という音とともに手のひらにバスケットボールくらいの魔法の炎が発生した。
「マサトさんがリナさんのことを普通じゃないというのは間違ってますね」
「そう思いますよね?」
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