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7.踏み出した一歩
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…?
ゆっくりと瞼を開けると視界には黒く塗りつぶされた世界と、僕を間近に覗き込んでいる大人の女性がいた。何もかもを包んでくれそうなそんな雰囲気に思わず思考が停止する。
唯一感じられるこの柔らかい感触でとても寝心地のいい枕はなんだろうか。それにとてもいい匂いがする。
「あともう少しだけ…寝ていたい…」
「是非♪」
ん…?
そしてここで理解する。
この寝心地のいい枕は彼女の太ももであり僕は今、膝枕の上に寝ている。という状況であったことに。
「わぁぁぁぁっ!」
僕は思わず膝枕から落ち、その勢いで1回回って直立した。
「ど…どうされました?」
その美人な女性はこちらを向き、首をかしげていた。
「どうしたもなにも…!って……まさか…リリィ?」
リリィはピシッと手を勢いよくあげた。
「はい、リリィです♪」
「そ、その姿は…」
リリィはよいしょと立ち上がり人差し指を立てた。
「これは私の本来の姿です。私は生まれた時からこの姿なのですがこの仕事をする関係上、身体の成長のコントロールが可能です。先程貴方様は泣き疲れたのか、寝てしまったので起きるまで私がなにか出来ないか考えた結果この身体に戻り、膝枕という選択に辿り着きました!」
僕は思わず赤面してしまった顔を両手で隠し精神統一を図る。
やっと落ち着いてきた頃、僕の中に何か暖かい物が流れてくるような気がした。
きっと…彼女のおかげだろう。僕の後悔や気持ちを吐き出せたから、こんなにもスッキリしていた。
「その…ありがとう。だいぶ楽になった。」
僕は本心でそう言えた。嘘で作り上げた今までの自分なんか忘れて。
「それなら良かったです!」
リリィはなお、笑ってそう言ってくれた。
その時、逢の笑顔が重なる。
「リリィ。さっきの話を整理しよう。この場所は『現世と冥界の狭間』。それともう1つ、僕はこのままだと間違いなく死ぬ。リリィはそう言ったよね?だけど、僕は自分自身の答えが自殺だったんだ。僕にはもう生きる価値が見い出せない。」
僕は俯き、記憶をプレイバックさせた。
また泣いてしまいそうで、精一杯堪えた。
「それがもし…逢さんを助ける事が可能で、貴方様自身も助かる道があったとしたらどうでしょう?」
ゆっくりと瞼を開けると視界には黒く塗りつぶされた世界と、僕を間近に覗き込んでいる大人の女性がいた。何もかもを包んでくれそうなそんな雰囲気に思わず思考が停止する。
唯一感じられるこの柔らかい感触でとても寝心地のいい枕はなんだろうか。それにとてもいい匂いがする。
「あともう少しだけ…寝ていたい…」
「是非♪」
ん…?
そしてここで理解する。
この寝心地のいい枕は彼女の太ももであり僕は今、膝枕の上に寝ている。という状況であったことに。
「わぁぁぁぁっ!」
僕は思わず膝枕から落ち、その勢いで1回回って直立した。
「ど…どうされました?」
その美人な女性はこちらを向き、首をかしげていた。
「どうしたもなにも…!って……まさか…リリィ?」
リリィはピシッと手を勢いよくあげた。
「はい、リリィです♪」
「そ、その姿は…」
リリィはよいしょと立ち上がり人差し指を立てた。
「これは私の本来の姿です。私は生まれた時からこの姿なのですがこの仕事をする関係上、身体の成長のコントロールが可能です。先程貴方様は泣き疲れたのか、寝てしまったので起きるまで私がなにか出来ないか考えた結果この身体に戻り、膝枕という選択に辿り着きました!」
僕は思わず赤面してしまった顔を両手で隠し精神統一を図る。
やっと落ち着いてきた頃、僕の中に何か暖かい物が流れてくるような気がした。
きっと…彼女のおかげだろう。僕の後悔や気持ちを吐き出せたから、こんなにもスッキリしていた。
「その…ありがとう。だいぶ楽になった。」
僕は本心でそう言えた。嘘で作り上げた今までの自分なんか忘れて。
「それなら良かったです!」
リリィはなお、笑ってそう言ってくれた。
その時、逢の笑顔が重なる。
「リリィ。さっきの話を整理しよう。この場所は『現世と冥界の狭間』。それともう1つ、僕はこのままだと間違いなく死ぬ。リリィはそう言ったよね?だけど、僕は自分自身の答えが自殺だったんだ。僕にはもう生きる価値が見い出せない。」
僕は俯き、記憶をプレイバックさせた。
また泣いてしまいそうで、精一杯堪えた。
「それがもし…逢さんを助ける事が可能で、貴方様自身も助かる道があったとしたらどうでしょう?」
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