14 / 19
14.
しおりを挟む
「さて。ここで本題へ移りましょう」
パンと手を合わせ、彼女の顔は真剣なものへと変わっていた。
「疾様がすべき事は姫神様の命を救う事、ですよね。」
「ああ。勿論だ。」
「その行いは本来、世界の理に背くということ。容易ではありません。」
「歴史の修正力だよな?」
「そうです。それでは先程の話をまとめましょう。
一度彼女を救えたとしても、世界は異変に気づき修正しようとします。彼女が死ぬという世界は確定していたのです。その逆、彼女が生存した未来は存在せず本来それを捻じ曲げる事は不可能。しかし!唯一ここだけは、私の元に招かれた特別な世界ということ。」
そう、彼女に教えられた通りだ。
なら一体、俺が今いる世界線は何万分の1の奇跡なのだろうか。
「すまん。一つだけ気になってる事があるんだが、選択によって枝分かれした世界・世界線の中のここはどれくらいの確率でこれたんだ?」
「少々お待ちください」
と言うと彼女は目を瞑りしばらく考えていた。
……
「45兆3165億8843万45分の1。ですね。」
そのあまりにも桁違いな数に俺は思わず息を飲んだ。
「奇跡なんて言葉で表していいのかその確率……」
「神様がくれた最後のチャンスなのかもしれませんね、ははっ」
と彼女は普通に笑った。
俺が今ここにいるのは本当に、宝くじで1等を当てるより奇跡だった事を知った。
「絶対に失敗できないな。これを逃したらもう一生…あ、これ逃したら俺このまま死ぬんだっけな。」
「さて、先程の続きですが、彼女の命を1度救った所で何も変わらないという事です。」
「じゃあどうすればいいんだ?」
「全てを貴方が退けて下さい。」
そんな無茶な……世界を敵に回すようなものじゃないか。と思ってしまったが、その通りなのだ。
俺は今、世界に喧嘩を売りに行くのだ。それを理解すると自然と恐怖は引いていった。
それより、
「俺なんかに出来るのか……?」
「できます。私が先の未来を少しずつ見ていき、彼女に降りかかる災難をどう回避すればいいかを私がそのまま伝えます。疾様がそれを失敗しなければの話、ですが。」
と彼女はからかうように笑いながらそう言った。
「質問ばかりで悪いな。最後に一つ、その修正力ってやつに俺はいつまで抗えばいい?」
「3週間。そうすれば、世界は否が応でも諦め、新たに姫神様がこの世界に生き続ける。という上書きを施します。それがハッピーエンドへと繋がる方法です。」
パンと手を合わせ、彼女の顔は真剣なものへと変わっていた。
「疾様がすべき事は姫神様の命を救う事、ですよね。」
「ああ。勿論だ。」
「その行いは本来、世界の理に背くということ。容易ではありません。」
「歴史の修正力だよな?」
「そうです。それでは先程の話をまとめましょう。
一度彼女を救えたとしても、世界は異変に気づき修正しようとします。彼女が死ぬという世界は確定していたのです。その逆、彼女が生存した未来は存在せず本来それを捻じ曲げる事は不可能。しかし!唯一ここだけは、私の元に招かれた特別な世界ということ。」
そう、彼女に教えられた通りだ。
なら一体、俺が今いる世界線は何万分の1の奇跡なのだろうか。
「すまん。一つだけ気になってる事があるんだが、選択によって枝分かれした世界・世界線の中のここはどれくらいの確率でこれたんだ?」
「少々お待ちください」
と言うと彼女は目を瞑りしばらく考えていた。
……
「45兆3165億8843万45分の1。ですね。」
そのあまりにも桁違いな数に俺は思わず息を飲んだ。
「奇跡なんて言葉で表していいのかその確率……」
「神様がくれた最後のチャンスなのかもしれませんね、ははっ」
と彼女は普通に笑った。
俺が今ここにいるのは本当に、宝くじで1等を当てるより奇跡だった事を知った。
「絶対に失敗できないな。これを逃したらもう一生…あ、これ逃したら俺このまま死ぬんだっけな。」
「さて、先程の続きですが、彼女の命を1度救った所で何も変わらないという事です。」
「じゃあどうすればいいんだ?」
「全てを貴方が退けて下さい。」
そんな無茶な……世界を敵に回すようなものじゃないか。と思ってしまったが、その通りなのだ。
俺は今、世界に喧嘩を売りに行くのだ。それを理解すると自然と恐怖は引いていった。
それより、
「俺なんかに出来るのか……?」
「できます。私が先の未来を少しずつ見ていき、彼女に降りかかる災難をどう回避すればいいかを私がそのまま伝えます。疾様がそれを失敗しなければの話、ですが。」
と彼女はからかうように笑いながらそう言った。
「質問ばかりで悪いな。最後に一つ、その修正力ってやつに俺はいつまで抗えばいい?」
「3週間。そうすれば、世界は否が応でも諦め、新たに姫神様がこの世界に生き続ける。という上書きを施します。それがハッピーエンドへと繋がる方法です。」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
遊鷹太
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる