永久の独奏曲

不知火黒刃

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15.耽る

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何も存在しない退屈な場所、見渡す限りの暗闇が彼女を包んでいる。
地球が完成され、神の息吹によって命が誕生し、死という概念が同時に生まれた時から彼女はそこにいた。
ずっと__ずっと彼女は見下ろしていた。
それこそ永久に等しい歳月を彼女の大半は孤独に過ごしていた。
時々登ってくる人間の魂をほぐし、それをデウスへ送り出す事が私の根源たる存在理由。
そんな自分を彼女は嫌っていた。
理不尽な運命に絶望する彼らをただ死を受け入れさせる事しか出来なかった自分を酷く呪い、自らの存在を消そうとした。
でも_出来なかった。
彼女は魂を持たず、概念としてそこに存在するからである。死という概念によって生み出された彼女の存在は年を重ねることも眠りにつく事も出来ず。

を観察する事しか許されなかった彼女がある時見つけた小さな魂。
それはどこか歪んでいるものの、とても綺麗なものだった。
一目見た時に彼女はその綺麗なものがなんなのかを察した。

「ただ純粋な人間らしさ…」
静寂を遮った、透き通った声。
いつからか彼女は彼の生き方に興味が湧いたのだった。

その後彼を観察し続ける事が彼女の日課になりつつあったのはそれから遠くない日のこと。


だから、当然彼の最後も目の当たりにした。
生きる事に疲弊した彼が結果的にとった行動は最も罪深き行いだが、全ての事情を知る彼女はもう…そっと目を瞑るしかなかった。
(嗚呼…また尊き命が逝ってしまう……)





腰まで伸びた艶のある金色の髪、草原を連想させる深い緑色の瞳は大きく、どこか優しげだ。包容力を感じさせるその肢体と合わさり、楽園にいる女神のような美貌__
生まれた時から彼女自身識っていたその名は

「リリィ・デァ・トート」

忌々しき自身の名を口にした。
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