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16.また耽る
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それを意味するのは、『純潔の死神』。
「百合」と呼ばれる白い花弁を持つその美しい花を英語に、死神はドイツ語から来ているそうだ。
彼女には人間達の文明の詳細や、言語に至るまで全てをこの永遠に等しい月日をかけて全て見てきたからこそ、彼女には神にも等しい知識がある。何も持たなかった自分に出来たのはそれしかなかったのだ。
最初は使命感で彼らを見ていた。死という概念に結びついていた彼女は、その「死」というものに真摯に向き合わなくてはならない、と魂をただ永遠に送り出すだけの_簡潔にいってしまえば作業である。
リリィという存在は人間でもなければ神でもない。故に感情もそこに存在しなければ、魂もない。
人の言葉を借りると、「ロボット」であった彼女は、その作業になんの思いもなく繰り返していたのだが_ふと、何故か彼女はその魂に質問をしていたのだ。
その質問の内容はもう彼女自身覚えてはいないが、何より感情も存在しないはずの彼女が疑問をもった事自体がおかしかった。という事実を彼女は後から気づく事になる。
ああ、そうだ。彼女はもうその時既に感情が、心が芽生えていたのだ。果てしない時を過ごしていくうちに人間の持つ、醜いものの中にある誰もが持つ尊い何かに感化されたのかもしれない。
彼女はそれからまた数えきれない程の魂を送り出していくが、以前の彼女とは明確に変化していた事があった。
それは「会話」だ。
彼女は人間という存在に惹かれ、興味を持ちいつの間にか彼らと直接会話をするようになっていたのだ。彼らの生い立ちや、何を感じて何を思って生きてきたのか。それを彼女は必ず聞き、共感を得るようになったり不思議に思った事は彼らに包み隠さず聞くようにした。勿論彼女は彼らが何をして何の為に生を終えたのかを把握している。
だがしかし、上から見る景色と彼ら自身の見てきた景色とでは情報量も違う。何よりその行動の動機を知ることが出来るものである。だから彼女はその魂と、心と向き合うようになった。
時に励まし、時に泣いたり、時に怒り、時に笑い__彼女は人間と通じ合う事によって、成長する事ができた。
何よりも人に寄り添い、何よりも彼らを理解する努力をする。そうして彼らを解し、魂を送り出す事が彼女のやるべき事なのだと彼女は学んだ。
故に、今回起きた事全てが彼女にとってはイレギュラーだったのだ。
「百合」と呼ばれる白い花弁を持つその美しい花を英語に、死神はドイツ語から来ているそうだ。
彼女には人間達の文明の詳細や、言語に至るまで全てをこの永遠に等しい月日をかけて全て見てきたからこそ、彼女には神にも等しい知識がある。何も持たなかった自分に出来たのはそれしかなかったのだ。
最初は使命感で彼らを見ていた。死という概念に結びついていた彼女は、その「死」というものに真摯に向き合わなくてはならない、と魂をただ永遠に送り出すだけの_簡潔にいってしまえば作業である。
リリィという存在は人間でもなければ神でもない。故に感情もそこに存在しなければ、魂もない。
人の言葉を借りると、「ロボット」であった彼女は、その作業になんの思いもなく繰り返していたのだが_ふと、何故か彼女はその魂に質問をしていたのだ。
その質問の内容はもう彼女自身覚えてはいないが、何より感情も存在しないはずの彼女が疑問をもった事自体がおかしかった。という事実を彼女は後から気づく事になる。
ああ、そうだ。彼女はもうその時既に感情が、心が芽生えていたのだ。果てしない時を過ごしていくうちに人間の持つ、醜いものの中にある誰もが持つ尊い何かに感化されたのかもしれない。
彼女はそれからまた数えきれない程の魂を送り出していくが、以前の彼女とは明確に変化していた事があった。
それは「会話」だ。
彼女は人間という存在に惹かれ、興味を持ちいつの間にか彼らと直接会話をするようになっていたのだ。彼らの生い立ちや、何を感じて何を思って生きてきたのか。それを彼女は必ず聞き、共感を得るようになったり不思議に思った事は彼らに包み隠さず聞くようにした。勿論彼女は彼らが何をして何の為に生を終えたのかを把握している。
だがしかし、上から見る景色と彼ら自身の見てきた景色とでは情報量も違う。何よりその行動の動機を知ることが出来るものである。だから彼女はその魂と、心と向き合うようになった。
時に励まし、時に泣いたり、時に怒り、時に笑い__彼女は人間と通じ合う事によって、成長する事ができた。
何よりも人に寄り添い、何よりも彼らを理解する努力をする。そうして彼らを解し、魂を送り出す事が彼女のやるべき事なのだと彼女は学んだ。
故に、今回起きた事全てが彼女にとってはイレギュラーだったのだ。
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