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先輩との出会い!(新バージョン)
先輩は天然わんこ!?
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「……んっ?……ここ……どこだっけ?……」
蜂蜜みたいな黄金色の夕方の陽射しが、暖かく僕を照らす。
「こんばんは……かな?時間帯から考えて。いやぁ……それにしてもよく寝ていたね、中也君。あれから二時間も寝ていたんだよ?」
「にじ……かん?」
私は頭の中で何が起こったか、つい先程の記憶を回想した。
(確か、田沼先輩と文芸部の部室に来て……色々雑談して……それで……膝枕してもらって……膝枕!?)
僕は、先輩の膝の上から、ガバッと起き上がった。
僕の顔が、タコみたいに真っ赤になっていく。
今にも顔から、湯気が出てしまいそうだ。
「バ、バカッ!僕のバカッ!なんで先輩に膝枕してもらってんだよ!バカッ、バカッ、バカッァァァ!」
僕は、とても優しい先輩に、男の先輩に、膝枕してもらったことに、嫌悪感を持たなかった自分を恥ずかしく思ったのを、上手く言葉に出来ず、こんな奇声を上げてしまった。
「中也君……落ち着いて、落ち着いて……先輩的にはとても嬉しかった……じゃなくて俺の方から膝枕するって言ったんだし、中也君が自己嫌悪しなくても大丈夫だよ?だから、落ち着いて、落ち着いて……」
僕はその後、先輩に何度も、何度も、「落ち着いて……落ち着いて……」と言われ、なんとか落ち着いた。
落ち着いた僕は、さっきはなんで、あんな奇声を上げてしまったんだろう……と後悔して、とりあえず僕は先輩に、誠心誠意謝った。
「先輩、なんだか……部活動二日目なのにこんなに迷惑かけて……その……ゴメンナサイ」
先輩は震えた声で、こう言った。
「だ、大丈夫だよ、別に。何度も言ってるけどさ、俺から膝枕誘ったんだし」
「でも、僕が先輩のお誘いにOKしたんです……だから、僕が悪いんです……」
「ん……あのさ、中也く……」
先輩は、何か言おうとした。
だけど、
「あの……すいません、今日は帰らせてもらいます!」
と、僕が、その言葉を遮ってしまった。
なぜ、僕が遮ってしまったかというと、僕は先輩の優しさとか、先輩に膝枕してもらったことに対しての恥ずかしさとか、そんな自分への自己嫌悪とか、嬉しさとか、色々なものが心の中であやとりみたいに絡まって、もやもやしてしまったからだ。
……僕は帰る宣言もしたし、なんだかこれ以上先輩と話していたら、先輩を傷つけるような言葉を言ってしまいそうだと思ったので、ガラガラと部室のドアを開け、振り返らずに廊下を走り、そのまま帰った。
*
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
僕は、とても深い溜息をついた。
空にゴゥ ゴゥと轟音をたてて移動している雲を見ながら、僕は帰路についていた。
(どうしよう……先輩に迷惑かけちゃった……もう明日から、先輩に合わせる顔がないよ……僕のバカッ!バカッ!バカッ!バカッ!……折角、青い春と書いて"青春"と読む、高校生活をしている筈なのに、僕は何をしているんだろう……先輩、ごめんなさい……)
その後また、深い溜息をついた僕は、逃げ際に聞こえた先輩の声を思い出した。
先輩は悲しい気持ちをひた隠しにして、ふんわりとした優しい声で、「明日も来てね!中也君!」と言っていた。
「先輩……ゴメン……僕、もう先輩と顔を合わせられる自信ないよ……」
僕の本音の言葉は、虚空へと虚しく消えていった。
「ポツポツポツポツ……」
冷たい雨が地上に、降り注いできた。
*
次の日、先輩は学校を休んだ。
どうやら、風邪を引いてしまったらしい。
周りの友達に訊いた所によると、先輩はどうやら僕が去った後も、なぜか、夜までずっと部室に居たらしい。
その後、僕が帰路についた頃に降ってきた
雨の中、傘もささずに帰ったらしいので、先輩は風邪をひいたらしい。
僕はふと、黒い画面のスマホを見た。
自分の色白な顔が反射して見える。
こういう時に先輩とLINEを交換しておけば、「風邪大丈夫ですか、先輩?」とメッセージを送り、そこからどうにかこうにか先輩に謝って、一件落着になったんだろうな、と僕は少しだけ後悔した。
*
次の日、先輩は風を治し、学校に来た。
僕はあれから2日もたったのに、相変わらず先輩と顔を合わせられそうになかった。
そして放課後……
僕は先輩と会わないように、こそこそと教室の後ろの扉から逃げた。
僕が本気で走って逃げていると、突然背後からギュッと、誰かが抱きついてきた。
こんなことするのはあの人しかいない。
僕は背後を振り向いた。
それは案の定、先輩だった。
「はい!中也君!逃げようとしない!文芸部に入ったからには、先輩、中也君が地の果て海の果て空の果て世界の果て宇宙の果てに逃げようとも、捕まえて、部室に引っ張っていくからね!」
先輩は一昨日のことなんて忘れてしまったかのような声のトーンで、僕と話してくれた。
僕は、先輩の顔が、まるで遊んで欲しそうな顔で見つめてくるわんこのようだな、と思った。
そんな先輩の顔を見ていると、色々悩んでいた自分がアホらしくなった。
僕は先輩の頭をよしよしと優しく撫でて、先輩と喋りながら、部室に向かった。
*
ひっそり閑とした部室の中、僕は少し黄ばんだ"友情"を読みながら、今なら一昨日のことを謝れるような気がしたので、謝ることにした。
「先輩、あの……一昨日は色々とすいませんでした!」
そう、僕が真剣な顔で言うと、先輩はポカーンと形容し難いような顔で、小首をかしげてきた。
「"ごめん"ってなんの話?一昨日って、中也君が俺に膝枕をやらしてくれただけでしょ?他は特に何も無かったじゃん?」
「えっ?でも……」
「中也君は面白いね!俺に謝るような出来事なんて何も無かったのに、謝るなんてさ!」
先輩はクスクスと笑い、また本の世界へと没頭していった。
僕は、僕の真剣な謝罪に返答してくれた時の先輩の顔を見て、一つ、思った。
(先輩、完全に一昨日何があったか忘れてるよ……)
ああ、僕の先輩は、優しくて天然なわんこなんだな、と、改めて僕は思ったのだった。
蜂蜜みたいな黄金色の夕方の陽射しが、暖かく僕を照らす。
「こんばんは……かな?時間帯から考えて。いやぁ……それにしてもよく寝ていたね、中也君。あれから二時間も寝ていたんだよ?」
「にじ……かん?」
私は頭の中で何が起こったか、つい先程の記憶を回想した。
(確か、田沼先輩と文芸部の部室に来て……色々雑談して……それで……膝枕してもらって……膝枕!?)
僕は、先輩の膝の上から、ガバッと起き上がった。
僕の顔が、タコみたいに真っ赤になっていく。
今にも顔から、湯気が出てしまいそうだ。
「バ、バカッ!僕のバカッ!なんで先輩に膝枕してもらってんだよ!バカッ、バカッ、バカッァァァ!」
僕は、とても優しい先輩に、男の先輩に、膝枕してもらったことに、嫌悪感を持たなかった自分を恥ずかしく思ったのを、上手く言葉に出来ず、こんな奇声を上げてしまった。
「中也君……落ち着いて、落ち着いて……先輩的にはとても嬉しかった……じゃなくて俺の方から膝枕するって言ったんだし、中也君が自己嫌悪しなくても大丈夫だよ?だから、落ち着いて、落ち着いて……」
僕はその後、先輩に何度も、何度も、「落ち着いて……落ち着いて……」と言われ、なんとか落ち着いた。
落ち着いた僕は、さっきはなんで、あんな奇声を上げてしまったんだろう……と後悔して、とりあえず僕は先輩に、誠心誠意謝った。
「先輩、なんだか……部活動二日目なのにこんなに迷惑かけて……その……ゴメンナサイ」
先輩は震えた声で、こう言った。
「だ、大丈夫だよ、別に。何度も言ってるけどさ、俺から膝枕誘ったんだし」
「でも、僕が先輩のお誘いにOKしたんです……だから、僕が悪いんです……」
「ん……あのさ、中也く……」
先輩は、何か言おうとした。
だけど、
「あの……すいません、今日は帰らせてもらいます!」
と、僕が、その言葉を遮ってしまった。
なぜ、僕が遮ってしまったかというと、僕は先輩の優しさとか、先輩に膝枕してもらったことに対しての恥ずかしさとか、そんな自分への自己嫌悪とか、嬉しさとか、色々なものが心の中であやとりみたいに絡まって、もやもやしてしまったからだ。
……僕は帰る宣言もしたし、なんだかこれ以上先輩と話していたら、先輩を傷つけるような言葉を言ってしまいそうだと思ったので、ガラガラと部室のドアを開け、振り返らずに廊下を走り、そのまま帰った。
*
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
僕は、とても深い溜息をついた。
空にゴゥ ゴゥと轟音をたてて移動している雲を見ながら、僕は帰路についていた。
(どうしよう……先輩に迷惑かけちゃった……もう明日から、先輩に合わせる顔がないよ……僕のバカッ!バカッ!バカッ!バカッ!……折角、青い春と書いて"青春"と読む、高校生活をしている筈なのに、僕は何をしているんだろう……先輩、ごめんなさい……)
その後また、深い溜息をついた僕は、逃げ際に聞こえた先輩の声を思い出した。
先輩は悲しい気持ちをひた隠しにして、ふんわりとした優しい声で、「明日も来てね!中也君!」と言っていた。
「先輩……ゴメン……僕、もう先輩と顔を合わせられる自信ないよ……」
僕の本音の言葉は、虚空へと虚しく消えていった。
「ポツポツポツポツ……」
冷たい雨が地上に、降り注いできた。
*
次の日、先輩は学校を休んだ。
どうやら、風邪を引いてしまったらしい。
周りの友達に訊いた所によると、先輩はどうやら僕が去った後も、なぜか、夜までずっと部室に居たらしい。
その後、僕が帰路についた頃に降ってきた
雨の中、傘もささずに帰ったらしいので、先輩は風邪をひいたらしい。
僕はふと、黒い画面のスマホを見た。
自分の色白な顔が反射して見える。
こういう時に先輩とLINEを交換しておけば、「風邪大丈夫ですか、先輩?」とメッセージを送り、そこからどうにかこうにか先輩に謝って、一件落着になったんだろうな、と僕は少しだけ後悔した。
*
次の日、先輩は風を治し、学校に来た。
僕はあれから2日もたったのに、相変わらず先輩と顔を合わせられそうになかった。
そして放課後……
僕は先輩と会わないように、こそこそと教室の後ろの扉から逃げた。
僕が本気で走って逃げていると、突然背後からギュッと、誰かが抱きついてきた。
こんなことするのはあの人しかいない。
僕は背後を振り向いた。
それは案の定、先輩だった。
「はい!中也君!逃げようとしない!文芸部に入ったからには、先輩、中也君が地の果て海の果て空の果て世界の果て宇宙の果てに逃げようとも、捕まえて、部室に引っ張っていくからね!」
先輩は一昨日のことなんて忘れてしまったかのような声のトーンで、僕と話してくれた。
僕は、先輩の顔が、まるで遊んで欲しそうな顔で見つめてくるわんこのようだな、と思った。
そんな先輩の顔を見ていると、色々悩んでいた自分がアホらしくなった。
僕は先輩の頭をよしよしと優しく撫でて、先輩と喋りながら、部室に向かった。
*
ひっそり閑とした部室の中、僕は少し黄ばんだ"友情"を読みながら、今なら一昨日のことを謝れるような気がしたので、謝ることにした。
「先輩、あの……一昨日は色々とすいませんでした!」
そう、僕が真剣な顔で言うと、先輩はポカーンと形容し難いような顔で、小首をかしげてきた。
「"ごめん"ってなんの話?一昨日って、中也君が俺に膝枕をやらしてくれただけでしょ?他は特に何も無かったじゃん?」
「えっ?でも……」
「中也君は面白いね!俺に謝るような出来事なんて何も無かったのに、謝るなんてさ!」
先輩はクスクスと笑い、また本の世界へと没頭していった。
僕は、僕の真剣な謝罪に返答してくれた時の先輩の顔を見て、一つ、思った。
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ああ、僕の先輩は、優しくて天然なわんこなんだな、と、改めて僕は思ったのだった。
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