わんこな先輩とツンデレな僕の禁断の恋

甘栗

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先輩とのその後!~番外編~

田沼と僕と神社のカミサマ

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初日の出によって現れた太陽が、優しい陽の光で地を照らしていた頃、田沼と僕は藍色の着物を着て、
近くの神社に来ていた。

「コツコツ」「カツカツ」「カッカッ」と、早朝から来ている人々の雑踏と、カップルや家族連れからの喧騒が、いつもは静かな神社を賑やかにしていた。

ふと、僕が手を当てて欠伸をすると、田沼が目をコシコシと擦りながら、眠そうな顔で、こう訊いてきた。

「ねぇ……中也……?……どうしてこんなに朝早くから、神社に来ようと思ったの……?……ふわぁ……」

「そりゃあ……アレだよ……なんだか早朝にお参りしたほうが……ご利益がありそうだと……思ったからだよ……ふわぁ……」

「でも……眠そうだよね……ふわぁ……寝てたほうが
良かったんじゃない?……」

「良いんですよ……さっ!……早く行こう?……」

「んー……」

僕等は目を細めながら、横目で、朝早くから屋台を準備している人々を見た。
彼等は元気ハツラツ、みたいな雰囲気を纏っていた。

「どうして……朝早くから……こんなに頑張って、
準備出来るんだろうね……」

「きっと……昨日……昼寝……していたんですよ……」

と、まぁ、憶測混じりの会話をしていると、拝殿の前に着いた。
拝殿の前の賽銭箱には、茶色や金色や銀色の硬貨が微かに入っており、皆、朝早くから来てるもんだなぁ、と感じた。

「とりあえず、参拝しよっか?……」

「はい、そうですね……」

僕達は財布から五円玉を出し、ポンッ、と賽銭箱に入れた。

そして、ガラガラこと鈴乃緒を揺らすために、それが付いている紐こと叶緒を揺らした。

(叶緒をギュッと掴んで……)

「ガランガラン……」

鈴乃緒の激しい音が立つ。

(次は二礼……)

ペコ、ペコ……

(次は掌合わせて二拍……)

パン、パン……

(とりあえず、祈るか……何祈ろう?……そうだ!……………………ように!……)

(最後に一礼っと)

ペコ……

「よしっ!」
僕は次の人に番を回して、田沼と一緒に左に退いた。
退いてから、田沼はふと、こう訊いてきた。

「ねぇ、中也?何をお願いしたの?」

「ふふふ……秘密です!……さっ!おみくじ引きにいきましょ!」

「えー!気になる!……教えてよー!」

「秘密でーすー!」

「教えてくれないのか……それなら仕方ない……えいっ!」

「んっ!……って、急に抱きついて来ないでくださいよ……」

「だってー中也が俺に、全然甘えてくれないだもん!」

「そ、それは、ひ、人前で田沼に甘えている姿を見せたくないからですよ……」

「えー……でも、俺は見せたいな……」

「じ、じゃあ、おみくじの所迄ですよ!」

「うん!分かった!」

そう田沼が言った後、僕は顔を赤らめながら、田沼の硬い腕をギュッと掴みながら歩いた。
尚、その間、上機嫌ながらも、田沼も顔を赤らめていた。




「あちゃ……吉かぁ……」
田沼が残念そうに呟く。

「僕は……うぇ……って、えっ!大吉!」
僕はぴょんぴょん跳ねて、喜びを表現した。

「……まぁ、いいや。……とりあえず、内容読んでみよ?」

「はいっ!」

僕のおみくじには、こう書いてあった。

「こんこんちー!神様だよ!これは君にしか見えてないと思うんだけど、とりあえず君の正しい運勢をここに記しておいてあげるね!
えっと……"仕事、上々。恋、波乱万丈。"だってさ!それじゃあ頑張れ!君のお願い、きっと叶えてあげるから!」

(……カミサマって、こんなにテンション高いのか?
もっと、"貴様、名をなんと言う?"とか訊いてきそうなイメージだったんだけど……)

「どうだった?俺は、全体的にまぁまぁだったけど」
田沼が、耳に気持ちいい、優しい声で訊いてきた。
咄嗟に僕は、おみくじを背後に隠して、
「はい、いい感じでした!」
と、誤魔化した。

「そっかー……よしっ!早く結びにいこっ?……って、中也のは結んだらダメだよ?良いのは結ばなくていいからさ!」

「は、はいっ!」

とまぁ、変な事が書かれていたことが田沼にバレず、ホッとしつつ、彼がおみくじを結んだ後、僕達は、神社に出ていた屋台に行った。




入ってきた頃は、まだ組み立てている途中だった屋台は、僕達が色々している間に組み立て終わり、
もう商売を始めていた。

フランクフルトや焼きそばのいい匂いが、境内を
包んでいる。

「田沼、どれ食べる?」

「うーん……どれも美味しそう……とりあえず、焼きそば食べよっ!」

「はーい」

そう僕が返事すると、田沼は一目散に焼きそばを売っている屋台へと走って行った。

彼が買いに行っている間、僕は境内で鳴っている音に耳を澄ましてみた。

「さぁぁぁぁ……」
木々が揺れる音。

「ザク、ザク……」
人々が砂利を踏む音。

「それでさ……」「マジで!?」
人々の賑やかな話し声。

聴けば聴くほど虜になり、つい自分の世界に入ってしまった。

(静けさ……悲しさなんて1ミリも無い……美しい……綺麗……)

「ねぇ……中也ってば!ねぇ!」

誰かの声がする……って、あっ。
僕は、田沼と来ていたことを忘れるほど、自分の世界に入ってしまっていたようだ。

「あ、ごめん」

「もう!しっかりしてよ!……ってそうだ……はいっ!焼きそば!」

「ありがとー、じゃ、食べよう?」

「うん!いただきまーす!」

「いただきまーす!」

「ずるずる……ハフハフ……」

「焼きそばのソースが麺によく絡んでいて美味しい!」

「あと、キャベツのシャキシャキとした食感が最高ですよね!」

その後、僕達は焼きそばをぺろりと食べた。




「いやぁ……食べた、食べた」

「もう僕、お腹いっぱいです……」

「俺もだよ……って、あぁぁぁ!」

田沼が"驚愕"という言葉を表したような顔をした。

「どうしたんですか?」

僕は不思議そうな顔をする。

「お守り買うの忘れてた!」

「あっ!」

その後、お守りを買うために、階段を必死に駆け上がったのは、言うまでもない。
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