青天の霹靂ってこれじゃない?

浦 かすみ

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番外編 カッシーラ

婚姻ですって?! SIDE:ユリマラ

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『「カルテル…ああ、カルテル」マレリアの囁きがカルテルの耳に甘く蕩ける……蕩ける?』

「ああっダメだ!」

私は書きかけの原稿用紙を握り潰した。

どうも、ユリマラ=リュオンテです。19才の一応伯爵家のご令嬢です。あ~因みに中身は元事務職の26才、ドルオタです。

私は立ち上がると、軽くストレッチをした。動く度に、フワフワと揺れるピンクブロンドの髪と自分のふくよかな胸が視界に入る。

私、スタイル抜群のお人形みたいな外見なんだよな~中身はドルオタだけど

今私が住んでいるここは異世界だと思う。

そしてこの世界が何かのゲームの中なのか、ファンタジー小説?の中なのかは未だに分からない。でもまあ、とりあえず元気にやってます。

異世界に来たってドルオタ気質は変わんないし、元々小説書いてたからそのまんま、こっちの世界でも萌えを書き綴っていたら売れちゃったんだよね、趣味全開の小説が。

それで調子こいてシリーズ化にしちゃって、更に調子こいて官能小説書いたら、これも売れちゃって…今、困ってます。

「だって経験ないんだもん…」

何となく知識として持っている単語を何とか繋ぎ合わせて文章にしているけれど、多分現実的でない表現とか男女のアレコレで色々可笑しい描写が多いはずだ。

手元に資料に出来そうな、エログッズがないんだもん…。もうストック切れだよ、どうしよう。締切もあるし…不調です。で押しきって編集者を待たせるにも限度があるよ。

コンコン…

扉がノックされて、扉の向こうにメイドのニコルの魔質を感じる。

「ニコル?なに~?」

私が返事をすると扉を開けて、ニコルがお茶のおかわりを持って来てくれたようだ。

「ユリ様、旦那様がお戻りですよ。お話があるとか?」

と、言って部屋に入って来たニコルのすぐ後ろには、執事のエルフィスも立っていた。

「ユリマラ様、閣下がお呼びです」

何だろう…つまんねーエロ小説書くのをヤメローかな?

でもお父様、最初は小説書くの反対してたけど今は黙認してくれてるっぽいし、ヤメロはないかな?

私はエルフィスの後をついて行き、お父様こと、ルツール=リュオンテ大将閣下の前に立って淑女の礼をした。

「お父様御機嫌麗しゅ…」

「ああ、よせよせ~。いつも通りにしろ」

お父様は、部屋に置いてあるソファに腰かけて私にも座るように指示した。

小説ヤメロー?じゃないのかな…それにしては、ちょっと困ったな~みたいな魔質に視えるけど?

「いや実はな、お前がアレクシス=カッシーラ陛下の国王妃候補になった」

な……なん、何だって?

「いま、カッシーラ陛下と言いました?」

お父様は眼光鋭く私を睨みながら(本当はただ見ているだけ)

「そうだ、国王陛下の妃殿下候補に選ばれた」

と言い切った。

ああっ!嘘ぉ、ちょっと待って!?

アレクシス=カッシーラ様といえば……

この世界で最萌えの推しメンのシス君(あだ名)じゃないかー!?

嘘よ嘘ぉぉ…

夜会でも米粒くらいの大きさでしかお見かけしたことなかったご尊顔の(注:某ドーム会場の2階席より肉眼でステージを見たサイズ)あのアイドル殿下が?

「ご冗談を」

「本当だ、お前の他に公爵家親戚筋の令嬢、侯爵家の令嬢も候補に上がっている。お前の母は王族筋だし陛下の候補になるにも血筋には問題ない…とのことだ」

私が推しメンのシス君の嫁候補……こんな夢のような展開あるのか?

「あまり気負うことはないぞ、まあ数合わせみたいなものだし」

夢見心地だった私にお父様が冷や水をぶっかけてきた。

数合わせ…あ~はいはい。そういうことね?出来レースってヤツ?

「兎に角、陛下との顔合わせの茶会が催されることになった。いいな?とりあえず大人しくして陛下に粗相のないように…」

はぁ…ダルっ。推しメンのハイタッチ会に参加ぐらいなもんかな?

推しは遠くから愛でるものかな…

「いいな、くれぐれも可笑しな言動はしないように」

お父様やけに念押ししてくるね。私がアイドルグループ(近衛騎士団)にキャッキャしてるのを見ているから、めっちゃ警戒しているね。

まあいいわ…。推しメン、シス君を愛でる為に参加しようかな、ホラ…アリーナ最前列が当たったと思えばいいよね。よし楽しもう。

あ、そうだ!せっかく参戦するんだから、シス君グッズ販売してくれないかな~。
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