青天の霹靂ってこれじゃない?

浦 かすみ

文字の大きさ
41 / 43
番外編 カッシーラ

ハイタッチ会場はここですか? SIDE:ユリマラ

シス君と会う。

しかもドームの客席から望遠鏡越しじゃなく、バックヤード観覧特別ご招待のプレチケが当たった気分だ。

ニコルと数名のメイド達に香油をたっぷり塗ったボディマッサージを受ける

「はぁ~ラグジュアリー!」

「はい?何です、ユリ様?」

「あ、ああっ、えっと気持ちいいわ~!」

ニコルとメイドの女の子達は大きく頷いて、更に私の体を揉み上げる。

「ユリマラ様が国王妃候補に選ばれるなんてね!」

「あら~私はユリマラ様はこの美貌だもの、いつかは…とは思っていたわ。ホラ、マジアリート様とかぁ!」

きゃああ…とメイド達が悲鳴をあげた。

マジアリート=ボランティ公爵子息、19才とは…甘い顔立ちのクルッとしたエメラルド色の瞳を持つやや童顔のアイドル、マジ君(あだ名)だ。

くぅ~マジ君は推しメン二番手なんだよなぁ!

マジ君も米粒くらいの距離感でしか拝見したことのない天上人(芸能人)だけど、いやいやマジ君の嫁が私?ないわ~妄想でもないよ?ソレ。

まあ今回のハイタッチ会(茶会)も私は一般参加枠だし?シス君に会えるから自分磨きに手は抜きませんけど、茶会は適当にするつもり。

体を磨きあげられて、ドレスを着てメイド総出で化粧とヘアーアレンジをしていると、部屋に次兄のユリハルトが入ってきた。

「おーい、今日陛下と茶会だって?お前、妃候補にマジで選ばれたの?」

私は化粧中なので目だけユリハルトに向けた。

自分の兄だけどさ、美形なんだよ腹立つなぁ。ピンクブロンド色の髪に薄いブルーの瞳。体型はゴリマッチョ系なんだけど、眉目秀麗な顔のお陰でゴリマッチョ感は薄い。

「冷やかしに来たの?」

「いや…護衛。兄上に頼まれた」

兄上…私は4人兄妹だ。上から3番目だ。

長兄のシーベル、次兄のユリハルト、私、妹のシーナだ。

長兄のシーベルは伯爵領で領地運営をしている。因みに次兄のユリハルトは元辺境伯軍、現カッシーラ王国軍に所属している。

顔面偏差値的に皆のアイドル、近衛騎士団に所属していてもおかしくはないほどの美形なのだが、お父様と一緒で男は黙って拳で会話をする系の脳筋男なのだ。

「護衛…って私を?どうして?」

ユリハルト兄はちょっと目を眇めた。

「ベイフィートがまだキナ臭い…何か仕掛けてくるかもしれん」

「っ…!」

ベイフィート王国…私達は独立したカッシーラ元辺境伯に従属して、新たに樹立したカッシーラ王国の住人になった。

それを由としないベイフィート側の人間がいるらしい。主にベイフィート国王妃のプリエレアンナの一派らしい。

実はさ

呼び捨てしちゃうけど私、プリエレアンナに執拗に嫌味を言われたことあるんだよね。

理由は簡単。

クラシス国王陛下がまだ王太子殿下だった時に、ちょっと誘われたことあるんだよね。

それがプリエレアンナの耳に入って、取り巻きを引き連れて私に会いに来ていたって訳。

あ~あ、うざ~い!ちょっと小突けば泣くような女の子に囲まれて何が怖いんだっての。

アラフィフのお局3人に給湯室で囲まれる方が100万倍怖いっての。

でも悪いけど、クラシス陛下ってさ、シス君の出涸でがらしみたいなビジュアルなんだよねー

年齢的にはシス君の方が後だから、深煎り濃厚イケメンになった…と言うべきか?

つまり良いところは全部シス君に遺伝しちゃったと思うんだよね。

出涸らし兄貴には一ミリも気持ち動きませんわ。

兎に角、色々と思考に耽っている間に支度が全部済んだみたい。

ユリハルト兄と一緒に王宮に向かう馬車に乗った。

「そういやさ、リュージエンス殿下と一緒に、サザウンテロス帝国から来てるヒューズレイ大尉とガロール大尉って強いんだぜ。リュージエンス殿下もスカウザーに所属されているし、手合わせして頂いたけど痺れるくらい強いんだぜ」

「へぇ…」

脳筋男(次兄)の話題って強者は誰か!?みたいなことしかないんだね…そんなんだからさ、女子にモテるのに交際が続かないんだよ、自覚しろ。

王宮に着いて貴賓室に案内された。ところが、貴賓室に入るなりメイド達や綺麗なお姉様、若い男性達に取り囲まれた。

「幼馴染の小説読んでます!」

びっくりした。読者の方々ですか。皆様口々に、カルテルのあの台詞…マレリアのあの場面が~とかとても熱心に読んで下さっているようで、嬉しくなる。

そして時間がきたようで、侍従の方に声を掛けられて茶会の会場に向かっている時に、気がついた。

ちょっと待ってーー!?

茶会のテーブルにシス君(推しメン第一位)マジ君(推しメン第二位)リュージエンス殿下(推しメン第三位)が揃ってるじゃないかー!?

興奮と緊張でガクガク震える体を擦っていると

「どうされましたか?御気分が優れませんか?」

と後ろから声を掛けられて顧みるとそこには…

クール、ドS系イケメン(推しメン第四位)とクールツンデレ系イケメン(推しメン第五位)が揃って立っていた。


感想 8

あなたにおすすめの小説

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

笑い方を忘れた令嬢

Blue
恋愛
 お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】チャンス到来! 返品不可だから義妹予定の方は最後までお世話宜しく

との
恋愛
予約半年待ちなど当たり前の人気が続いている高級レストランのラ・ぺルーズにどうしても行きたいと駄々を捏ねたのは、伯爵家令嬢アーシェ・ローゼンタールの十年来の婚約者で伯爵家二男デイビッド・キャンストル。 誕生日プレゼントだけ屋敷に届けろってど〜ゆ〜ことかなあ⋯⋯と思いつつレストランの予約を父親に譲ってその日はのんびりしていると、見たことのない美少女を連れてデイビッドが乗り込んできた。 「人が苦労して予約した店に義妹予定の子と行ったってどういうこと? しかも、おじさんが再婚するとか知らないし」 それがはじまりで⋯⋯豪放磊落と言えば聞こえはいいけれど、やんちゃ小僧がそのまま大人になったような祖父達のせいであちこちにできていた歪みからとんでもない事態に発展していく。 「マジかぁ! これもワシのせいじゃとは思わなんだ」 「⋯⋯わしが噂を補強しとった?」 「はい、間違いないですね」 最強の両親に守られて何の不安もなく婚約破棄してきます。 追伸⋯⋯最弱王が誰かは諸説あるかもですね。 ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 約7万字で完結確約、筆者的には短編の括りかなあと。 R15は念の為・・

0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。

アズやっこ
恋愛
 ❈ 追記 長編に変更します。 16歳の時、私は第一王子と婚姻した。 いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。 私の好きは家族愛として。 第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。 でも人の心は何とかならなかった。 この国はもう終わる… 兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。 だから歪み取り返しのつかない事になった。 そして私は暗殺され… 次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

【完結】2人の幼馴染が私を離しません

ユユ
恋愛
【 お知らせ 】 先日、近況ボードにも お知らせしました通り 2026年4月に 完結済みのお話の多数を 一旦closeいたします。 誤字脱字などを修正して 再掲載をするつもりですが 再掲載しない作品もあります。 再掲載の時期は決まっておりません。 表現の変更などもあり得ます。 他の作品も同様です。 ご了承いただけますようお願いいたします。 ユユ 【 お話の内容紹介 】 優しい幼馴染とは婚約出来なかった。 私に残されたのは幼馴染という立場だけ。 代わりにもう一人の幼馴染は 相変わらず私のことが大嫌いなくせに 付き纏う。 八つ当たりからの大人の関係に 困惑する令嬢の話。 * 作り話です * 大人の表現は最小限 * 執筆中のため、文字数は定まらず  念のため長編設定にします * 暇つぶしにどうぞ